更新日: 2019.01.10 その他暮らし
チャーシュー麺が3000円?日本の倍以上の物価の国スイスのジュネーブでの生活事情とは
一人当たりの国民総生産が約900万円で世界第2位で(国際通貨基金調べ)、物価が異様に高いのです。日本は約400万円ですから2倍以上となりますね。
スイスでの暮らしとは
私はスイスのジュネーブに1年暮らしていました。今、世界ではラーメンブームが広がりつつあり、2014年にジュネーブにもラーメン屋第一号店ができました。「Yukiguni」という店で、メニューを見ると、チャーシュー麺が27フラン(3100円)もするではないですか!日本なら4杯くらい食べられそうな額です。
正直、数ヶ月待てば、日本に一時帰国する予定だったので、店から出ようかと思いました。でも、せっかく来たし、一緒に来た友人にも悪いと思い、ラーメン一杯(22フラン)だけ注文しました。分量は10口くらいで食べきれるような少量で、「この一口で250円か」と思いながら、味わって食べさせていただきました。
家賃もものすごく、50平方メートルで30万円するところもあります。一部屋18平方メートルのビジネスホテルが一泊2万5000円。日本食材店の日替わり弁当が1500円で「お手頃ね!」と言われるくらいです。友人数人と中華料理を食べに行って、誰もそんなに飲んでいないのに、夫婦で1万5000円払わなければならず、「もう友人との外食はやめよう!」と思ったりもしました。
フランスに住みながらスイスで働く人も
こんな高いところでどうやって生活するの?ってよく聞かれました。答えは簡単です。フランスに移住するんです。ジュネーブはフランスとの国境沿いにあって、市街地から車で10分も走ればフランスです。フランスの一人当たりのGDPは日本並みですから、物価は一気に下がります。
ジュネーブの人口は約20万人ですが、フランスの統計会社によれば、フランスに住みながら、ジュネーブに勤務する人は8万8000人もいるそうです。
毎日、8万8000人の入国チェックなんてできるわけありませんから、国境はフリーパスの場合がほとんどです。たまに警備員が立っていることがありますが、呼び止められたことはありません。
私も1年でジュネーブからフランスに移住しました。ジュネーブ時代と同じ家賃で、5倍の広さの一軒家に住むことができました。英字紙が10分車で移動するだけで半額になるわけですから、ものすごいことです。
フランスはユーロでスイスはフランですから、財布には常に二つの通貨を持っていなくてはいけません。
まとめ
2015年11月にパリで大きなテロ事件があり、130人の方が亡くなられました。その時、日本の新聞では、フランス大統領が国境封鎖も考えていると報じるところもありました。私はそれを見て、「え?出勤できなくなるじゃん」と思いましたが、実際は国境が封鎖されるなんてことはありませんでした。
ジュネーブからフランスへ抜ける通過ポイントは10か所近くあり、主要道路にはさすがに警備員が置かれ、一台一台チェックしていましたが、少し脇道にそれた通過ポイントなら、いつもと同じようにフリーパスでした。国境が封鎖されれば、ジュネーブの会社で働く相当数が出勤できなくなるわけですから、当然のことですよね。
是非、旅行でスイスを訪れる際は、世界で一番高いチャーシュー麺を堪能してみてください。
※1フラン=およそ115円で計算
Text:黒岩 揺光(くろいわようこう)
フリーライター