更新日: 2024.01.29 その他暮らし
節約のため、冬でも「シャワーだけ」です。浴槽にお湯をためるのに比べて、どれだけ節約になりますか? シャワーだけだと疲れが取れないでしょうか…?
本記事では入浴をシャワーで済ませた場合と、湯船にお湯を張った場合を比較し、どちらがガス料金の節約になるのかを解説します。また、シャワーだけで済ませた際に何か問題があるのかも説明します。
執筆者:大久保いろ(おおくぼ いろ)
FP2級
シャワーvs湯船にお湯を張る
毎日お湯をためるよりも節約できそうだからと、冬もシャワーで済ませている人もいるでしょう。ここでは10リットルのお湯にかかる光熱費を計算したのち、シャワーとお湯を張った場合で、それぞれどの程度お湯を使用するのかを計算して比較します。
10リットルのお湯を温めるのに必要なガス代
使用量に応じたガス料金を求める計算式は次の通りです。
上昇温度×水量÷(熱効率×発熱量)×基準単位料金(円/立方メートル)
今回は以下の条件で計算します。
●15度の水を40度まで温める(上昇温度25度)
●10リットル当たりを計算
●熱効率は80%(省エネタイプではない給湯器の熱効率)
●発熱量は10750(キロカロリー/立法メートル)
●基準単位料金には東京ガスのB表基準単位料金(130.46円)を使用
この条件を計算式に当てはめると以下の通りとなり、お湯を10リットル温めるのに必要なガス代は約2.4円と分かります。
25(度)×10(リットル)×80%÷10750(キロカロリー)×130.46(円/立方メートル)≒2.4円
シャワーに必要なお湯の量
一般的なシャワーの場合、1分間に12リットル程度のお湯を使うと言われています。また2000年の調査では、冬場のシャワー使用時間の平均は男性が9分、女性が10分という結果でした。お湯10リットルを使用するのに必要なガス代が2.4円ですから、9分間シャワーを使用した場合のガス代は以下のように計算できます。
9(分)×12(リットル)÷10(リットル)×2.4(円)≒26円
つまり冬場に1人がシャワーを浴びる際のガス代は約26円となります。
お湯を張った時にかかるお金
次に湯船にお湯を張った場合にかかる料金を計算します。
湯船に入る湯量はバスタブの大きさによって異なりますが、今回は200リットルのお湯を使用する場合で計算します。
200(リットル)÷10(リットル)×2.4(円)=48円
浴槽の大きさやためるお湯の量によって異なるものの、およそ50円がかかることが分かります。
さらにこれは浴槽にお湯を張るためだけにかかるガス代なので、髪や体を洗うためにシャワーを使用するとトータルで必要なガス代はさらに高くなります。
シャワーだけでは得られない、湯船につかる効果
ここまでの試算の結果だけを見ると、シャワーで済ませたほうが節約になると言えます。しかし、浴槽にお湯を張って入浴することで、シャワーにはない効果が期待できます。
●リラックスできる
●温浴効果によって末梢神経が拡張し、血行が促進されることで体の疲れが取れやすくなる
●水圧によって血圧やリンパの流れが促され、体内の疲労物質や老廃物が流れやすくなる
●副交感神経が優位な状態となる
●腰痛や肩こりの改善が期待できる
シャワーで済ませる場合も、少し高い温度でいつもより長めに浴びるなど工夫をすることで睡眠が深くなり、疲労回復効果が期待できます。しかしその場合、結局ガス代が高くなってしまう点は注意が必要です。また、入浴で得られる効果のすべてをシャワーで得るのは難しいでしょう。
なお、家族の人数が多い時などは、全員がシャワーを使うよりお湯を張るほうが節約になることもあります。
まとめ
ガス代のみを比較すると、湯船につかるよりもシャワーで済ませるほうが節約になることが分かりました。
しかし、お湯につかることで期待できる心身への効果は見逃せません。「節約のため」と毎日シャワーで済ませるのではなく、シャワーだけの日もあれば、疲れた日には湯船にお湯を張って入浴する日も設けるなど上手に使い分けるようにしましょう。
出典
東京ガス株式会社 料金表
執筆者:大久保いろ
FP2級