更新日: 2024.02.22 その他暮らし

知人が車検ごとに車を買い替えています。頻繁に買いすぎでは? と思うのですが、メリットはあるのでしょうか…。

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

知人が車検ごとに車を買い替えています。頻繁に買いすぎでは? と思うのですが、メリットはあるのでしょうか…。
車検の時期が来るたびに車を買い替えるという車の保有スタイルは、多くのドライバーにとって興味深い問題でしょう。定期的に発生する車検費用と新車への投資という2つの出費をどう考えるかで評価が分かれるところです。
 
この記事では、車検制度と料金構成の内訳について確認した後で、車検のタイミングでの新車購入について考えていきます。
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車検の基礎知識

日本における自動車の定期検査(車検)は、公道を安全に走行するための必須条件となっています。
 
まず、車両が新規登録されてから3年が経過したところで検査を受け、その後は2年おきに検査を受けることが義務付けられています。この制度は、車両が交通安全の基準を満たしているかを確認し、ドライバーや歩行者の安全を守ることを目的としています。
 
検査にかかる費用は大きく2つに分けられます。1つ目は、車両の重さや登録からの経過年数に基づき決定される「法定費用」です。これには自動車重量税、自賠責保険料、印紙代などが含まれます。
 
2つ目は、「車検基本料金」です。これは車両の点検や検査を行う業者に支払う費用で、業者によって料金が異なります。ただし、車検時に必要な追加の整備や部品交換が発生すると、これらの費用にさらに上乗せされます。
 
車検費用を抑えるためには、車検業者選びが重要です。ディーラーや車検専門店、ガソリンスタンドなど、提供するサービス内容や料金体系は業者によって異なります。
 
例を挙げると、ディーラーで車検を受ける場合、高品質な純正部品を使用するため料金が高めですが、安心感とアフターサービスが充実しています。一方、車検専門店では作業効率を重視したサービス提供により、料金設定は比較的リーズナブルです。
 

車検ごとに買い替えたほうがお得なのか?

自動車を保有する上での重要な選択肢の1つに、車検のタイミングで車を買い替えるかどうかという問題があります。車検ごとに新しい車に買い替えれば、維持費用の削減にはなるでしょう。
 
しかし、実際には新車購入に伴う、新たな初期費用が必要です。一方で既存の車を、車検を通して継続して使用する場合、経過年数に応じて税金が増加したり、大きな修理やメンテナンスが必要になったりする可能性があります。
 
新車への乗り換え例として、価格が約250万円の普通車を購入するとしましょう。この際には、購入費用だけでなく、新車登録に伴う諸費用や保険料、各種税金も考慮する必要があります。
 
これに対して、車検を受けることで既存の車を継続使用する場合、普通車の場合、車検費用には法定費用として自動車重量税(普通車の場合、24ヶ月で約3万3000円)、自賠責保険料(24ヶ月で約1万8000円)、そして印紙代(約2000円)が含まれます。
 
これに加えて、検査基本料金として一般的な整備工場では約3万円から5万円が目安です。さらに、車の状態によっては追加整備が必要となり、費用が増加する場合もあります。車検ごとに車を乗り換える選択が賢明かどうかは、このような金額の面だけではなく、車に対する個人の価値観や使用状況に大きく依存します。
 
例えば、毎日の通勤で長距離を走行する場合、燃費のよい新しいモデルへの乗り換えが経済的に合理的かもしれません。一方で、年間の走行距離が少なく、現在の車に特に不満がない場合は、車検を受けて使用を続けるほうが費用を抑えられるかもしれません。
 
このように、車検ごとの乗り換えか継続使用かは、車両の状態、利用頻度、新旧車両の性能差、そして個人の経済状況を総合的に考慮して決定する必要があります。
 

「お得」かどうかはライフスタイルや車に対する考え方の問題

車検ごとの買い替えが経済的に有利かどうかは、車検費用、新車購入の出費、車の使用頻度や価値観などによって変わります。車検を受け続ける場合、維持管理費が増える可能性がありますが、愛着のある車を長く乗る喜びもあるでしょう。
 
一方で、定期的に新しい車に乗り換えることで、最新の機能や性能を享受できます。結局のところ、この選択は個々のライフスタイルや優先順位、車に対する考え方などによって決まるといえるでしょう。
 

出典

国土交通省 令和5年度税制改正に伴う自動車重量税の税額の基本的な考え方(フローチャート) その5
国土交通省 自賠責保険ポータルサイト 自動車損害賠償責任保険基準料率
国土交通省 関東運輸局 登録・検査手数料一覧表
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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