更新日: 2024.03.06 その他暮らし
「石油ファンヒーター」と「薪ストーブ」では、「40年」でかかる費用はどれだけ違いますか? 高い買い物になるので、しっかり比較したいです。
今回は、石油ファンヒーターと薪ストーブでは40年でどれくらい費用に差が出るのか検証してみます。地域によって使用時期は異なりますが、今回は10〜3月までの半年間使うと仮定して試算していきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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石油ファンヒーターを半年間使用した場合の費用
はじめに、石油ファンヒーターの費用を試算してみましょう。石油ファンヒーターにかかるのは電気代と灯油代です。なお、電気代や灯油の使用量はCORONAが公開している製品情報をもとにしています。目安暖房面積19畳(コンクリートの場合は26畳)対応の機種を1日10時間使う場合で、1ヶ月は30日で統一します。
・半年間使用した場合の電気代
石油ファンヒーターは、点火までの間は電気を使います。そのため、電気代自体はわずかしかかかりません。1シーズンにかかる電気代は、白熱電球だと3750円です。LED電球だと450〜775円となっているため、平均612円とします。
・半年間使用した場合の灯油代
目安暖房面積19畳(コンクリートの場合は26畳)の機種で灯油を満タンにすると7.2L入ります。コロナのデータによると満タンにしたときの運転可能時間は13〜93時間ほどですから、平均53時間で試算します。1時間あたりで使う灯油の量は「7.2L÷53時間」で、約0.14Lです。1日10時間で1ヶ月使うと42L、半年間で252Lの灯油が必要です。
経済産業省資源エネルギー庁の公式サイトを見ると、灯油1Lの店頭価格は平均116.6円というデータが出ています(2024年2月13日時点)。「252L×116.6円」で計算すると、半年間にかかる灯油代は2万9383.2円です。
電気代と合わせると、白熱電球の石油ファンヒーターは「3750円+2万9383.2円」で3万3133.2円、LED電球だと「612円+2万9383.2円」で、2万9995.2円が年間(1シーズン)かかります。
薪ストーブを同じ半年間焚いたときの費用は?
薪ストーブに使う薪の量と価格は、製品を販売している「東京ストーブ」が公開しているデータを参考にします。このデータによると、8時間燃やした場合にかかる薪の本数は20本です。1時間あたりの平均は2.5本ですから、1日10時間使うと25本の薪が必要になります。
1ヶ月(30日)だと750本、半年だと4500本の薪が必要です。薪は30〜34cmほどのもので1本あたり115円で試算します。「4500本×115円」で、年間(1シーズン)にかかる薪の費用は51万7500円です。
40年使い続けるとどれくらい差が出る?
では、それぞれ40年間使い続けるといくらかかるのか試算してみます。
・石油ファンヒーター
白熱電球使用の機種だと「3万3133.2円×40年」で132万5328円、LED電球使用の機種だと「2万9995.2円×40年」で119万9808円必要です。
・薪ストーブ
「51万7500円×40年」で、2070万円の費用がかかる計算になります。ただし、今回使用したデータの薪ストーブは90畳ほどの面積にも対応が可能です。石油ファンヒーターより暖房能力が高いタイプですし、薪は形状や木の種類などで価格に違いが出ます。
なお、週末2日間だけ薪ストーブを使うとすると「(25本×8日)×6ヶ月」で、使う薪は1200本、費用は1シーズン「1200本×115円」で13万8000円です。40年間だと552万円ほどに抑えられます。
石油ファンヒーターと薪ストーブでは費用が大きく変わる
実際には気温や使用時間、そのときの燃料価格に左右されますが、石油ファンヒーターと薪ストーブでは費用に歴然とした差が出ます。また、本宅価格も薪ストーブでは安くとも35万ほどかかりますが、石油ファンヒーターでは10万円ほどと、初期費用も大きく異なります。日常的に長く使うなら、石油ファンヒーターのほうが手頃といえるでしょう。
ただし、薪ストーブは調理ができるのもメリットですし、自分で薪を調達できるなら薪代はかかりません。それぞれのメリットを考えて使い分けるという手段もあります。
出典
CORONA CORONA石油ファンヒーター 4つのメリット
CORONA VXシリーズ
経済産業省資源エネルギー庁 石油製品価格調査 調査の結果
東京ストーブ ストーブ紹介
東京ストーブ 薪ストーブの1日あたりの薪の使用量とコストについて
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー