更新日: 2024.03.10 その他暮らし

正社員ですが、あまり働けず「月収13万円」です。生活が苦しいのですが「生活保護」を受けるべきですか? どのくらい受け取れるのでしょうか?

正社員ですが、あまり働けず「月収13万円」です。生活が苦しいのですが「生活保護」を受けるべきですか? どのくらい受け取れるのでしょうか?
生活保護は、生活困窮者に対して最低限の生活を保障してくれる制度です。
 
生活保護の制度では、厚生労働省が定める最低限の生活費(最低生活費)を上限に保護費が支給されるため、収入が最低生活費に満たない場合は「生活保護を受けた方が良いのでは? 」と考える人もいることでしょう。
 
本記事では、生活保護の概要や保護費の計算方法、また受給要件などを踏まえ、最低生活費には満たないけれど収入がある場合に生活保護を受けるべきかどうかについて解説します。

生活保護の受給要件

生活保護は、「生活困窮者に対して健康で文化的な最低限度の生活を保障し、自立を助長することを目的として、困窮の程度に応じて必要な保護を行う制度」です。そのため、生活保護を受けられるのは以下の要件を実行し、それでも生活が困窮している世帯となります。
 

・土地・建物等の売却や預貯金など資産を活用する
・働ける能力がある人は能力に応じて働く
・年金や手当などの制度や給付を最大限活用する
・親族など扶養義務者からの援助を可能な限り受ける

 
また、生活保護の受給中には以下のような制限もあるため注意してください。
 

・ケースワーカーによる年数回の訪問調査、および生活に関する指導に従うこと
・収入の状況を毎月申告すること
・家賃については基準額内での支給
・例外が認められない限り、不動産や自動車などの資産を保有しない

 
受給要件や受給決定後の制限などを確認した上で生活保護を受ける場合は、所轄の福祉事務所または役所で相談をし、必要書類などをまとめて提出します。
 

最低生活費とは?

生活保護を受けることが認められると、保護費を受給することができます。保護費は「最低生活費」を基準に決められます。最低生活費とは、厚生労働省が定めた、生活するために最低限必要な費用のことです。生活保護を受ける際は最低生活費を上限に生活保護費が支給されます。
 
世帯に収入がある場合は、最低生活費から収入分を差し引いて保護費が支給されるため、収入が最低生活費を超えている場合は保護費の受給ができません。生活保護を受けるべきか悩んだら、まずは世帯の最低生活費がどのくらいなのか確認してみましょう。
 

生活保護を受けるといくらもらえる?

世帯の収入が最低生活費を超えていないことが確認でき、生活保護の認定を受けた場合、世帯の状況によって定められた最低生活費の額を上限に生活保護費を受け取ることができます。
 
最低生活費は世帯人数や年齢、6等級に分けられた地域区分など、厚生労働省の定める基準に基づいて算出され、実際に支給されるのは、最低生活費から年金や手当などの収入を差し引いた額です。例えば、最低生活費が15万円で収入が10万円の世帯の場合、実際に受け取れる保護費は5万円となります。
 
最低生活費は図表1にある8種類の扶助費から構成されており、扶助費の中で必要となる費用の実費分が支給されます。
 
図表1

図表1

厚生労働省 生活保護制度より筆者作成
 
生活保護を受けた際にもらえる金額は世帯によって異なるため、最低生活費の金額を確認の上、収入が最低生活費に満たない場合は生活保護の受給も検討してみましょう。
 

まとめ

生活保護を受けられるのは、資産や公的制度を最大限に活用し、能力に応じて働いたり親族等から援助してもらったりと、可能な限り手を尽くした上で困窮している世帯です。
 
保護費の基準となる最低生活費は、生活するために最低限必要な費用のことで世帯の状況によって金額が決められます。世帯の収入が最低生活費に満たない場合は、生活保護の活用も検討してみましょう。その際、生活保護費の受給中に収入がある場合は、最低生活費から収入を差し引いた額が支給されます。
 
生活保護を申請する場合は、所轄の福祉事務所または役所に相談の上、必要書類などをまとめて提出してください。
 

出典

厚生労働省 生活保護制度
 
執筆者:梅井沙也香
FP2級

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