アパートの退去時、「畳の張替え代」を請求されました。特に汚していないのですが、支払うべきでしょうか?
配信日: 2024.04.08
しかし経年劣化や通常損耗など、原状回復の対象にならないものもあります。
例えばアパートの退去時に、畳の張り替え代を請求された場合、支払うべきなのか疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、国土交通省のガイドラインを基に、畳の修繕費用は誰が負担するのかについて調べてみました。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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賃貸住宅の畳の修繕は誰が行う?
アパートなど賃貸住宅では、退去時や入居時に畳の張り替えを行う場合があります。
この費用負担は誰が行うのか疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、「賃借人が通常の住まい方、使い方をしていても発生すると考えられるものは「経年劣化」か、「通常損耗」であり、これらは賃貸借契約の性質上、賃貸借契約期間中の賃料でカバーされてきたはずのものである。(一部抜粋)」とされており、修繕費用は賃料でカバーされているという考え方が妥当であるといえるでしょう。
退去時に次の入居者のために畳の張り替えをする場合がありますが、その際の修繕費用は貸主が負担することが一般的です。
ただし、借り主の故意・過失や通常の使用方法を超えるような使用による損耗などは例外で、借り主が費用を負担するケースもあります。
例えば「畳の上にタバコを落として焦げ跡を残してしまった」「コーヒーをこぼしてシミが残ってしまった」などの場合は、借り主が畳の修繕費用を負担しなければならない可能性があるでしょう。
引っ越しで重いものを引きずって畳に傷がついたり、ペットのふん尿で臭いがついたりした場合も、借り主に原状回復の負担義務が生じると考えられます。
賃貸借契約書の特約にも注意が必要です。
「退去時の畳の張り替え代は借り主が負担する」旨の特約がある場合も考えられるため、契約時に確認しておく必要があります。
畳の張り替えが必要な場合の費用相場は?
故意・過失や注意不足が認められた場合は、借り主の負担で畳を修繕する必要が生じます。
畳の張り替えをする際は、畳床をそのまま使って畳表と畳べりを新しくする「表替え」が一般的です。
畳表替えの費用相場は以下の通りです。
・エコノミー:5000~1万円
・スタンダード:1万~2万円
・プレミアム:2万円~
賃貸アパートの場合は、1畳あたり5000円~1万円程度のエコノミータイプの畳が使用されていると考えられます。
なお、損耗がひどすぎて畳床も交換しなければならない場合は、素材にもよりますが、上記に加えて5000円~9000円ほどがかかるようです。
アパート退去時の畳張り替えは基本的に貸主負担
アパート退去時には、借り主に原状回復義務が生じます。
しかし畳の張り替えについては、故意・過失など通常の使用方法を超えるような使用などがない場合は、修繕費用は貸主が負担することが一般的です。
故意・過失や注意不足で畳を傷つけてしまったり、特約で借り主が修繕費用を負担する旨が記載されていたりする場合は、1畳あたり5000円~1万円程度で畳表替えをする必要が生じることもあるようなので注意が必要です。
出典
国土交通省住宅局 原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(11.25ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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