独立して介護関係の会社を作ろうと思っているのですが、設立資金が足りません。融資制度や資金調達の方法を教えてください
配信日: 2024.04.27 更新日: 2024.05.01
そのような社会課題に取り組む企業団体向けの融資制度(ソーシャルビジネス支援資金)が、日本政策金融公庫にあります。今回はこの融資制度についてみていきます。
執筆者:田久保誠(たくぼ まこと)
田久保誠行政書士事務所代表
CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、特定行政書士、認定経営革新等支援機関、宅地建物取引士、2級知的財産管理技能士、著作権相談員
行政書士生活相談センター等の相談員として、相続などの相談業務や会社設立、許認可・補助金申請業務を中心に活動している。「クライアントと同じ目線で一歩先を行く提案」をモットーにしている。
ソーシャルビジネスとは
経済産業省によると、ソーシャルビジネスとは、「地域社会においては、環境保護、高齢者・障がい者の介護・福祉から、子育て支援、まちづくり、観光等に至るまで、多種多様な社会課題が顕在化しつつあります。
このような地域社会の課題解決に向けて、住民、NPO、企業など、さまざまな主体が協力しながらビジネスの手法を活用して取り組むこと」とされています。
具体的な取り組み例としては、高齢者の介護、女性活躍推進、商店街の空き店舗対策、被災地復興、子育て支援、自然・環境保護、途上国支援、過疎地域の活性化、障がい者の就労支援等があげられます。
ソーシャルビジネス支援資金とは
日本政策金融公庫がソーシャルビジネスを始めるまたは営んでいる方向けの融資制度です。概要は図表1のとおりです。
図表1
利率は金融情勢によって変動します。また、NPO法人か否か行う事業、担保の有無等によって異なります。
また、上記の融資限度額の「担保を不要とする融資」を利用する場合は、税務申告を2期以上行っている場合に利用でき、これまでの事業実績や事業内容を確認するほか、所得税等を原則として完納していることを確認しています。また、実質的な経営権を有する方には保証が必要な場合があります。
「新創業融資制度」は、新たに事業を始める場合や税務申告を2期終えてない場合に利用できます。
この制度を利用できるのは、「新たに営もうとする事業について、適正な事業計画を策定しており、当該計画を遂行する能力が十分あると認められる方」に限られます。
創業計画書の提出等で事業計画の内容を確認や、創業時において創業資金総額の10分の1以上の自己資金を確認できること等の一定の要件に該当することが必要で、担保や保証人は不要の制度です。
融資以外にも資金調達の方法はあります!
これはソーシャルビジネスに限った話ではありませんが、融資以外にも特にNPO法人の場合は、会費や寄付金、最近のトレンドですとクラウドファンディング等の資金調達方法があります。
また、使用用途は限定されますが、助成金や補助金の申請も資金調達の方法となります。さらに、NPO法人であれば別途収益事業を行うという方法もあります。
どのような資金調達がいいのかはその運営団体の考え方や経営方針によって異なりますので、事業計画を立てる際に資金調達についても考えることをお勧めします。
出典
経済産業省 ソーシャルビジネス
日本政策金融公庫 ソーシャルビジネス支援資金
執筆者:田久保誠
田久保誠行政書士事務所代表