不登校の我が子。ずっと給食費を支払ってきましたが、止めることができると聞きました。これまで支払った分の返金もできるのでしょうか?
配信日: 2024.08.02
本記事では、給食費の支払いを止める方法と、過去に支払った分の返金が可能かどうかを解説します。給食費の仕組みや現状、関連する法律にも触れますので、ぜひ参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
そもそも給食費とは?
そもそも給食費は、学校給食法第十一条により、給食の実施にかかる施設設備費や修繕費、人件費は学校の設置者が負担、それ以外の経費は「学校給食費」として保護者が負担するよう定められています。
なお近年では、保護者が負担すべき経費を補助するかたちで、給食無償化を実現している自治体も見られます。しかし、多くの自治体では「食材費用などは保護者負担」としているのが現状です。
給食費は上昇傾向にある
文部科学省が発表した「学校給食実施状況等調査-令和5年度結果の概要」によると、小学校・中学校ともに給食費の全国平均は上昇傾向にあります。令和3年と令和5年における給食費の全国平均月額を、表1にまとめました。
表1
区分 | 令和3年 | 令和5年 | 上昇率 |
---|---|---|---|
小学校 | 4477円 | 4688円 | 4.7% |
中学校 | 5121円 | 5367円 | 4.8% |
※文部科学省「学校給食実施状況等調査-令和5年度結果の概要」を基に筆者作成
食材価格が高騰しているなか、必要な栄養価を満たして子どもの健康を維持・増進するためには、給食費の値上げもやむを得ない状況といえるでしょう。しかし、不登校の子どもがいる場合は家でも子どもの昼食を用意する必要があるため、経済的に負担に感じるケースもあるかもしれません。
給食費の支払いを止める方法
給食停止の手続きをすれば、給食費の支払いを止めることが可能です。子どもの不登校が続いていて給食を停止したい場合は、下記の手順を踏むとよいでしょう。
1.子どもの意向を確認する
2.学校に相談する
3.必要な届け出を行う
親子で給食について話し合えるようなら、まずは子どもの意向を確認することをおすすめします。本人が「学校へは行かない、給食は食べない」と判断しているのかどうかが非常に重要です。
何かのきっかけで「明日は学校へ行こうかな」と思っても、給食費を払っていない状況では、子どもが登校をあきらめてしまう恐れがあります。親子で給食を停止するという共通認識が持てたら、学校に連絡し、子どもの状況と給食費の支払いを止めたい旨を伝えましょう。
具体的な申請方法や届け出の形式などは自治体によって異なる可能性があるため、学校の指示に従って手続きを進めてください。
支払った給食費の返金は可能?
給食を停止していない場合は、「不登校だから」という理由のみで納付済みの給食費を返還してもらうことは難しい可能性があります。給食費は、事前に把握された人数分の食材の調達に充てられます。
つまり、我が子が給食を実際に食べたのか否かにかかわらず、我が子の分も含めた食材がすでに購入されているのです。なお給食を停止した場合、自治体によっては食材の発注をキャンセルできる日以降の分を返金してもらえることもあるようです。
食材の発注を止めるまでの日数は自治体によって異なる可能性があるため、学校に問い合わせてみてください。
勝手に給食費の支払いを止めたらどうなる?
自治体によって異なる可能性がありますが、学校へ相談せず勝手に給食費の支払いを止めてしまうと、給食費を滞納したことになり、手紙や自宅訪問などによる督促をされる恐れがあります。
さらに、督促を受けても支払わずにいると、裁判所へ支払督促や強制執行などの申し立てをされてしまうリスクもあります。
子どもの気持ちや状況に合わせて、適切な対応を
子どもが再び登校できそうになったら、速やかに学校へ連絡して届け出を行い、給食を再開してもらいましょう。
「この日だけは学校へ行きたい」「行くかはまだ分からないけれど、給食は食べられるようにしておいてほしい」など、子どもの気持ちの変化に合わせて対応していくことが大切です。
また、子どもが学校へ復帰したいときにスムーズに迎えてもらえるよう、学校と連絡を取り合って良好な関係を築いておくことをおすすめします。
出典
e-Gov法令検索 学校給食法(昭和二十九年法律第百六十号)第十一条
文部科学省 学校給食実施状況等調査-令和5年度結果の概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー