更新日: 2024.09.14 子育て
自分の子どもに「年収」を教えるのって危険ですか? 先日、娘が「Aちゃんのお父さんは年収1000万円だって!」と言っていたのですが、大人になるまで“お金のこと”は伝えないほうが良いでしょうか…?
しかし、親の年収を正直に子どもに伝えてしまうと、悪気なく友達に「僕(私)のお父さんは年収○万円! 」と言ってしまうことも考えられます。本記事では、子どもに親の年収を教えることのメリット・デメリット、年収を伝えるときの注意点などを紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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年収に関する話をすることで主体的にお金の知識を学ぶ癖がつくきっかけになることがある
子どもから年収について聞かれたとき、「そんなことは今知らなくても良い」と、否定することは避けましょう。「お金について聞くのは失礼なこと」と言い切ってしまうと、子どもの学びの機会を奪うことになります。
学校ではお金や税金など、世の中の仕組みに関することはなかなか教えてくれません。親が年収を含めたお金のことを教えることで、主体的に「お金について学ぶ」という意識が芽生えるきっかけになるかもしれません。
子どもの教育にとってもメリットの大きなことなので、伝え方を工夫しつつ上手に年収の仕組みを教えてみると良いでしょう。
例えば、ずばり親の年収を伝えるのではなく、会社員としての平均年収を教えてあげる方法があります。国税庁が行った「令和4年分 民間給与実態統計調査」によれば、給与所得者の平均年収は458万円です。
親の年収を子どもに伝えにくい場合でも、平均的な数値を教えてあげるだけで子どもの知的好奇心を満たすことにつながります。可能なら、平均に加えて親の年収を伝えることで、自分の家のくらしが日本の平均と比較してどうなのか、子どもなりに思いを巡らせるきっかけになるでしょう。
ただ、親の年収を伝える際には、いくつかのルール作りが必要です。例えば「友人やその親に絶対に伝えないこと」というものです。高年収であれ、平均より低い年収であれ、子どもの人間関係に影響を与える可能性も考えられるためです。
年収を伝えるだけではなく、税金などについても教えると良い
年収を教えることを、子どもの教育だと考える場合、単に平均年収や自身の年収を伝えるだけでなく、税金や社会保険料がいくらくらい引かれているのかといった、お金の仕組みまで伝えることをおすすめします。
・給与の約20~25%が所得税・住民税・国民健康保険料・健康保険料として引かれている
・実際に手元に残るお金は年収(月収)から税金や社会保険料などを差し引いた金額(手取り収入)であること
これらを伝えることで、給与と手取りの関係と、実際に親が受け取っている収入について子どもがイメージしやすくなります。また、税金についてさらに詳しく説明してあげることで、お金の知識を持ってもらうことができます。
・所得税は国に納める国税、住民税は都道府県や市区町村に納める地方税である
・警察や救急車、ゴミ収集、学校などのサービス・施設は税金で賄われている
・みんなが税金を納めないと、犯罪が起きても警察が出動できなかったり、病人がいても救急車が来てくれなくなったりする
税金の仕組みまで教えることができれば、年収の話だけをするより有意義な教育になるでしょう。
まとめ
子どもに年収を聞かれると焦ってしまうかもしれませんが、うまく教育につながるような回答ができると良いでしょう。
平均的な年収を教えたあとで、業界や職種の年収を親子で調べたり、親の年収を伝えて相場との違いを教えてあげたりすることでお金に関する知識がつき、両親や家計に対して意識を持つきっかけになることも期待できます。
年収の話と並行して税金や社会保険料がどれくらい天引きされていて、どのように使われているかまで教育できると、子どもにとっても有意義な時間になるでしょう。
出典
国税庁 令和4年分民間給与実態統計調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー