1時間かけて作った料理を5分で食べる夫。「早食いは健康によくない」と言われますが、どのようなリスクがあるのでしょうか?

配信日: 2024.10.23

この記事は約 4 分で読めます。
1時間かけて作った料理を5分で食べる夫。「早食いは健康によくない」と言われますが、どのようなリスクがあるのでしょうか?
早食いする家族がいる方のなかには、健康への影響を心配している方もいると思います。健康リスクがあるのであれば止めるよう促したいところですが、知識が曖昧だと説得も難しいでしょう。
 
そこで今回は、早食いがもたらす健康リスクについて解説します。家族に早食いの方がいる場合はもちろん、自分にも早食いの傾向があると感じる方も、ぜひご覧ください。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

早食いによる健康リスク

早食いがもたらす健康リスクには、次のようなものが挙げられます。

●肥満
●血圧上昇
●脂質異常症
●血糖値上昇
●狭心症
●心筋梗塞

肥満には、脳の仕組みが関係しています。独立行政法人労働者健康安全機構北海道中央労災病院治療就労両立支援センターによると、食事を始めてから脳が満腹と感じるまでに要する時間は、最低20分とのことです。そのため、早食いの人は、十分な量を食べていても満腹感を得にくく、過剰な量を摂取してしまうのです。
 

早食いしないためのポイントは「ゆっくり、多くかむこと」

早食いが健康に害を与える理由に、かむ速度が速くなりやすいことと、かむ回数が少なくなりやすいことがあります。食事の際は、ゆっくり、多くかむことが重要であり、これを継続することで、おもに以下の4つのメリットを享受できると考えられます。

●脳が発達しやすくなる:顎を開けたり閉じたりする動作は、脳の働きを活性化し認知症予防にもつながります。
●歯の病気を予防する:かむと唾液が分泌され、むし歯や歯周病の予防につながります。
●胃腸の働きを活性化させる:よくかむことで消化酵素が分泌され、食べ物を消化吸収しやすくなります。
●食べ過ぎを防げる:少量の食事でも満腹感を覚えやすくなります。

早食いでかむことを怠ると、上記の機能が一般の人よりも劣ることになり、さまざまな健康リスクを高めるでしょう。将来的には、医療費による負担が増大し、普段の生活に影響を及ぼす可能性も考えられます。
 

早食いは家計にも影響を与える可能性がある

早食いは家計にも影響を与える可能性があります。要因はおもに2点です。
 
1点目は、食費の増加です。早食いは満腹を感じにくいため、食費が高くなりやすいです。
 
心当たりがある場合は、世帯のエンゲル係数を計算し、平均値と比較するとよいでしょう。エンゲル係数とは、家計の消費支出に占める食費の比率です。「食費÷消費支出×100」で計算でき、エンゲル係数が大きいほど、食費の負担が重いことを意味します。
 
総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、二人以上の世帯におけるエンゲル係数の平均は27.8%です。この値を上回っている場合は、食費がかかりすぎているかもしれません。
 
2点目は、医療費の増加です。前述の通り、早食いは、さまざまな健康リスクを高めます。その結果、体調を崩しやすくなり、通院や入院が増えるおそれがあります。
 

早食いを改善するには

早食いはさまざまな健康リスクにつながるため、改善を図ることが推奨されます。またその際には、ゆっくり、多くかむことへの意識が大切です。
 
具体的な改善方法は、独立行政法人労働者健康安全機構北海道中央労災病院治療就労両立支援センターが次のような内容を紹介しています。

●硬い食材を使う:食物繊維の多いレンコンや豆、弾力のあるこんにゃくやタコなどが挙げられます。
●調理方法を変える:焼き物や生野菜、雑穀ごはんなどはかむ回数が増えやすいです。
●食材を大きめに切り、硬めにゆでる:よくかまないと飲み込みにくい大きさにすることがポイントです。
●ながら食いをしない:テレビやスマートフォンなどを見ながら食事をすると、かむことに集中しにくいです。食事の際はできる限り「ながら食い」ではなく、食べることに集中しましょう。
●一口ごとに箸を置く:箸を持ったままだと、かみ終える前に次の一口を食べがちです。一口食べたら箸を置くという動作を入れることで早食いを防ぐことができます。

ただし、歯の状態が悪いなどの理由で、硬いものをかめない方もいるでしょう。上記の方法に縛られず、自分の状況に適した方法を選ぶことが大切です。
 

早食いには、肥満、血圧上昇、心筋梗塞などのリスクが考えられる

早食いのリスクは、肥満、血圧上昇、脂質異常症、血糖値上昇、狭心症、心筋梗塞などが挙げられます。また、健康を維持するためには「ゆっくり、多くかむこと」が重要であり、早食いはこれを阻害する側面もあります。
 
早食いを直すには、硬い食材を使うなど食事の内容を変える方法と、ながら食いをやめるなど食事の習慣を変える方法が挙げられるでしょう。体の状態や生活環境などを考慮して、できるものから取り組むとよいです。
 

出典

独立行政法人労働者健康安全機構北海道中央労災病院治療就労両立支援センター ゆっくり食べてみませんか
総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要 I 家計収支の概況(二人以上の世帯) 1 二人以上の世帯の家計消費 (2) その他の消費支出、食料、住居などが実質減少(4ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集