更新日: 2024.10.25 子育て

都内在住30代夫婦、ママ友から「私立中学」の助成金の話を聞きました。「公立中学」に通わせるほうがお得だと感じたのですが、“世帯年収800万円”で子ども2人のわが家でも可能でしょうか?

都内在住30代夫婦、ママ友から「私立中学」の助成金の話を聞きました。「公立中学」に通わせるほうがお得だと感じたのですが、“世帯年収800万円”で子ども2人のわが家でも可能でしょうか?
小学校に通う子どもの友人やママ友から「私立中学を受験する」と聞くと、わが家も受験したほうがいいのではと考えることはありませんか? さらに「私立中学に通う場合は助成金がもらえる」となると、助成金なしで地元の公立中学に通うより助成金をもらって私立に通うほうが、なんとなくお得に感じる人もいるのではないでしょうか。
 
しかし、実際にわが家の収入で子どもを私立に通わせることができるのか、助成金の金額はいくらなのかなども気になるでしょう。そこで東京都を例に、私立中学に通う場合の費用の目安と助成金について紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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私立中学校に通う場合の費用はどのくらい?

まず、私立中学校にかかる費用を具体的に見ていきましょう。私立の中学校は、公立と違って授業料を負担する必要があります。東京都の「令和6年度の都内私立中学校の学費の状況」によると、都内の私立中学校の授業料の平均は50万3774円(年間)です。
 
加えて、私立中学校の場合、入学時には入学金(平均26万3232円)と施設費(平均3万3685円)も必要です。また、学則上のその他納付金(平均20万8672円)が毎年必要になります。
 
つまり、東京都の私立中学校に3年間通う場合の平均的な費用は以下の通りとなります。
 

初年度:入学金+施設費+授業料+その他納付金=100万9363円
2年目:授業料+その他納付金=71万2446円
3年目:授業料+その他納付金=71万2446円
計:243万4255円

 
今回のケースでは子どもが2人のため、仮に2人が同時に私立中学校に通う場合、下の子が中学1年生の場合は
 

下の子:初年度 100万9363円
上の子:2年目もしくは3年目 71万2446円

 
となり、1年間で2人分の学費として172万1809円となります。実際には入学金などは事前に準備している家庭がほとんどであると考えられますが、授業料だけでも子ども2人分だと年間100万7548円、月額約8万4000円となります。
 

東京都では所得制限なく助成金が受け取れる

東京都では、「一人ひとりの多様な選択肢が叶えられる社会」の実現に向けた政策の一環として、「私立中学校等の授業料支援」を実施しています。生徒本人と保護者が東京都に住所を有していれば所得に関係なく受けることができ、都外の私立中学校に通っている場合も対象になるため、子どもの選択の幅が広がります。
 
ただし、助成されるのは年額10万円までで、保護者が負担した授業料額が上限となります。そのため、授業料が免除されていて保護者が授業料を払っていない場合などは対象外です。
 

世帯年収800万円で、子ども2人を私立中学校に通わせるのは現実的か?

子ども2人が私立中学校に通う場合は、最大で年間20万円の助成金を受けられますが、授業料が年間100万円以上かかることを考えると、自己負担は年間90万円以上、月平均で約7万5000円です。
 
一方、世帯年収800万円の場合の手取り額について考えましょう。夫婦それぞれの年収の割合にもよりますが、ここではシンプルに夫のみで年収800万円だと仮定します。その場合の手取り額は月額約49万円。私立中学校の授業料を毎月の手取り額から支払うとすると、下記のとおりになります。
 
毎月の手取り額(約49万円)-2人分の授業料(約7万5000円)+2人分の助成金(約1万6000円)=約43万1000円
 
つまり、私立中学校の授業料以外の生活費を約43万円以下にできれば、子ども2人を私立中学校に通わせることができそうです。
 

まとめ

世帯年収800万円なら、子ども2人を私立中学校に通わせることができる可能性があることが分かりました。
 
しかし、居住費や中学生2人と夫婦の食費、日用品といった基本の生活費に加え、高校や大学進学に向けての教育費の準備、夫婦の老後資金など先々のことも考える必要があります。進学する私立中学校によっては平均以上の授業料が必要だったり、交友関係など授業以外の場面で必要になる費用があったりするかもしれません。
 
これまでに教育費をしっかり準備してきた家庭もある一方、あまり準備をしていない家庭もあるでしょう。子どもの可能性を広げてくれる「私立中学校等の授業料支援」ですが、まずはこれまでの資産や今後の家計についてしっかり検討したうえで、私立中学校への進学を考えたほうがよさそうです。
 

出典

東京都 令和6年度 東京都内私立中学校の学費の状況について
東京都 所得制限なく私立中学校等の授業料を支援
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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