更新日: 2024.11.11 子育て
息子が寝坊をして、大学の1限目を休みました。学費を払っている親としては「授業1回」が何円分なのかが気になります…
また、授業を欠席すれば、そのたびに授業料の払い損が増えることにもなります。相応のお金を払っている以上、一度の欠席でどの程度の損失が発生するのかも気になるところでしょう。
そこで今回は、「授業1回あたりの授業料」の平均について解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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授業1回あたりの授業料の計算方法
授業1回あたりの授業料を計算するにあたって、以下の前提を設けます。
・「大学設置基準」より、卒業に必要な最低単位は124単位、年間では31単位とする(医学部など、一部学部は異なる)
・1科目2単位で、15授業構成とする
以上に基づくと、1年間で最低限受講しなければならない科目数は、次の通りです。
・31(単位/年)÷2(単位/科目)=15.5(科目/年)
15.5科目を受講することはできないため、事実上は16科目となります。
続いて、1年間に必要最低単位を取得するための授業数を計算します。
・16(科目/年)×15(回/科目)=240(回/年)
よって、授業1回あたりの授業料は、以下の式で計算できます。
・年間の総授業料(円/年)÷240(回/年)
授業1回あたりの授業料の平均
文部科学省の令和5年の「2023年度 学生納付金調査結果(大学昼間部)」および「令和5年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金等 平均額(定員1人当たり)の調査結果について」によると、大学入学初年度の授業料の平均額は、次の通りです。
・国公立大学(昼間部):53万6191円
・私立大学文系:82万7135円
・私立大学理系:116万2738円
上記の金額を、年間で最低限受けなければならない授業数240回で割ると、授業1回あたりの授業料は以下のように算出されます。
・国公立大学(昼間部):約2234円
・私立大学(文系):約3446円
・私立大学(理系):約4845円
国公立大学(昼間部)が約2234円であるのに対して、私立大学(理系)は約4845円と、約2倍の差があることが分かります。したがって、授業1回あたりの授業料は、通っている大学や学部などによって異なるといえるでしょう。
なお国立大学は、授業料の標準額が「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」によって定められています。文系、理系に共通の標準額が適用されるため、学費が学部によって極端に異なるケースは少ないと考えられます。
授業料以外に施設設備費も発生する
おもに私立大学で発生する「施設設備費」は、学校の施設や設備を拡充、維持していくための費用です。大学の施設や設備の利用費とも解釈できることから、授業を休み、大学を利用する機会が減るほど、払い損になる可能性があります。
文部科学省が公表している資料によると、年間の施設設備費は私立大学文系で平均14万3838円、私立大学理系で平均13万2956円となっています。授業のみに発生する費用ではない点に留意するべきですが、年間で最低限受けなければならない授業数240回で割ると、私立大学(文系)は約599円、私立大学(理系)は約554円です。
授業1回あたりの授業料と合計すると、私立大学文系は約4045円、私立大学理系は約5399円となります。
授業1回あたりの授業料の平均は約2000~5000円
授業1回あたりの授業料の平均は、国公立大学(昼間部)で約2234円、私立大学文系で約3446円、私立大学理系で約4845円です。大学の形態や学部によりますが、2000〜5000円を目安とするといいでしょう。
また、私立大学を中心に発生する「施設設備費」も、大学の施設や設備の利用料とも解釈できます。したがって、大学を利用する機会が減るほど、払い損といえるかもしれません。
なお、今回ご紹介した計算方法や金額は、あくまでも目安です。とくに、1科目あたりの単位数や授業数などは、計算の都合で単純化しており、実際のケースとは異なる部分も多いと考えられます。厳密な金額を計算したい場合は、大学の講義計画などを参照し、集計するといいでしょう。
出典
デジタル庁 e-GOV法令検索 大学設置基準(昭和三十一年文部省令第二十八号)第三十二条
デジタル庁 e-GOV法令検索 国立大学等の授業料その他の費用に関する省令(平成十六年文部科学省令第十六号) 第二条
文部科学省 公立大学基礎データ 2023年度 学生納付金調査結果(大学昼間部)(2ページ)
文部科学省 令和5年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金等 平均額(定員1人当たり)の調査結果について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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