奨学金返済は「企業が肩代わりしてくれる」と聞きました。奨学金を借りて大学に通っている息子も対象なのでしょうか?
配信日: 2024.11.13
代理返還を利用したい場合は、就職する会社で導入しているかを、サイトなどでチェックしておきましょう。今回は、企業の代理返還制度の概要や、利用の流れについてご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
企業の奨学金返還支援制度とは
企業の奨学金返還支援制度とは、奨学金を借りていた方が就職したあとに、就職先の企業が本人の代わりに、独立行政法人日本学生支援機構へ直接返済する制度です。支援要件によっては、本人が一部返還するケースもあります。給料からは引かれないため、収入の額は変わりません。
制度を利用することにより、学生は就職後の返済負担がなくなる、あるいは軽くなる点が大きなメリットです。ただし、すべての企業が対象ではありません。制度を導入している企業などに限られるため、制度を利用したい方は就活時に調べておきましょう。
申し込んでから返還されるまでの流れ
制度を利用するためには、導入している企業での申し込みが必要です。独立行政法人日本学生支援機構の公式サイトによると、申し込みから企業が入金するまでの流れは以下の通りです。
1 企業などが従業員へ制度の案内を行い、利用者を募集する
2 制度を利用したい従業員が応募する
3 応募を基に、企業が返還支援対象者を決定する
4 企業が独立行政法人日本学生支援機構(以下機構)に返還支援を申請する
5 機構が企業へ必要な情報を提供し、企業は指定システムやフォームに情報を入力、必要書類を作成する
6 機構が内容を確認し問題がなければ、口座振替か払込取扱票のうち、事前に選択している方法で企業側が送金
7 機構が入金確認をして終了
独立行政法人日本学生支援機構の検索ページでヒットするにもかかわらず、企業内で募集要項が見当たらない場合は、上司や会社の担当窓口へ相談しましょう。
いくらまで支援してもらえる?
返還支援してもらえる金額は、企業によって異なります。自治体の公式サイトに、制度を導入している企業一覧と支援内容を掲載している場合もあるため、確認してみましょう。
例えば、福岡県の公式サイトでは、返還支援制度を採用している53社の一覧を確認できます。支援内容は幅広く、全額を支援する企業もあれば、支援額の上限を定めている企業もあります。
また、支援要件も企業によって異なるため、チェックしておきましょう。希望者全員が利用できるケースや、特定の資格取得が必要なケース、正規雇用社員のみが利用できるケースなどがあります。例えば、契約社員として入社した企業で、正規雇用社員のみが代理返還の支援対象となっている場合は、大学卒業者でも要件を満たしていないため利用は難しいでしょう。
なお、「奨学金の代理返還を利用したい」という理由だけで就職先を決めるのは、おすすめしません。就職先を探すときは、あくまでも勤務形態や勤務地、仕事の内容などを加味して自分に合った企業を選びましょう。奨学金の代理返還は、「可能であれば利用したい」という程度にとどめておいた方が、就職後に後悔せずに済みます。
自治体独自の返還制度を採用しているところもある
東京都では、「中小企業人材確保のための奨学金返還支援事業」を行っています。条件に当てはまる中小企業へ就職した大学生などを対象に、登録企業があらかじめ選択した額の奨学金返還費用を、最大3年間にわたり助成する制度です。
企業負担額と、公益財団法人東京しごと財団の負担金額を合計した助成金額は、対象者一人に対して年額10万円、年額24万円、年額50万円の3パターンがあります。
ほかの自治体でも独自の制度を採用している可能性があるため、気になる方は問い合わせてみましょう。
就職先の企業が制度を導入していれば利用できる
企業が奨学金を代理返還する制度は、導入している企業に就職した従業員が対象で、支援対象者に選ばれると利用できます。制度を導入していれば、企業内で募集がかけられるため、確認してみましょう。
なお、支援金額は企業によってさまざまです。全額を支援してくれるところもあれば、上限を定めている企業もあるようです。ただし、制度を導入している企業に就職しても、必ず奨学金全額の返還支援をしてもらえるわけではない点を留意しておきましょう。
出典
独立行政法人 日本学生支援機構 若手人材に“選ばれる”企業へ! 企業等の奨学金返済支援制度を活用して、人材確保・定着を目指しませんか?
福岡県 企業の奨学金返還支援(代理返還)について
東京都 公益財団法人東京しごと財団 中小企業人材確保のための奨学金返還支援事業
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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