更新日: 2024.11.28 その他暮らし
隣人は「生活保護」を受けているそうです。持ち家に住んでいて庭に「バイク」が停まっていますが、それでも援助を受けることは可能なのでしょうか?
本記事では、生活保護の受給条件を始め、持ち家に住んでいる場合やバイクを保有している場合でも、生活保護を受けられるのかについて詳しく解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
生活保護を受給するための条件
生活保護は、国民の健康で文化的な最低限度の生活を保障するための制度です。
厚生労働省によると、生活保護を受給するためには、世帯員全員が利用し得る資産、能力その他あらゆるものを活用してもなお生活に困窮していることが証明できなければなりません。具体的には、以下のような人が生活保護の対象となります。
・不動産や自動車、預貯金などただちに活用できる資産がない
・働けない、または働いていても必要な生活費を得られない
・年金や手当などの給付を受けても必要な生活費を得られない
上記の条件を満たしていてもなお、収入が国の定める最低生活費に満たない場合に、生活保護の対象になります。支給される保護費は、収入と最低生活費の差額です。
持ち家に住んでいても生活保護を受給できる?
生活保護の受給要件の一つに「不動産などの資産がないこと」とありますが、これは、売却して生活費に充てることが可能であると考えられるためです。
しかし、厚生労働省によると、居住用の持ち家である場合は、生活保護の受給対象になるケースもあります。住む家がなくなると、さらに生活が困窮することになる可能性があるためです。そのため、今回の事例のように、持ち家に住みながら生活保護を受給できる人もいると考えていいでしょう。
ただし、高額で売却できるような資産価値の高い家だと「そのまま住み続けるよりも売却して生活費に充てた方がいい」と判断されることもあります。逆に考えると、売却しても高額な資産が得られないと判断された場合は、持ち家に住み続けながら生活保護を受給できる可能性があるということです。
生活保護を受けながらバイクを保有できるケースとは?
今回の事例では、生活保護を受けている隣人が「バイク」を保有しているということですが、売却して生活費に充てる必要がないのか疑問に思う人もいるでしょう。
東京都福祉保健局生活福祉部保護課の「生活保護運用事例集(令和3年6月改訂版)」によると、総排気量125ccを超えるバイクについては「特別な場合」と認められる場合を除き、生活用品として保有することは認められていません。しかし、125cc以下のバイクは以下の要件を満たすことで保有が認められる場合があるようです。
・当該バイクが現実に最低生活維持のために活用されており、処分するよりも保有している方が生活維持及び自立助長に実効があがっていると認められること
・保有を認めても当該地域の一般世帯との均衡を失することにならないと認められること
・自動車損害賠償責任保険及び任意保険に加入していること
・保険料を含む維持費についての捻出が可能であると判断されること
生活保護を受けている隣人がバイクを保有している場合は、上記の条件に該当していることが考えられます。
持ち家やバイクを保有していても生活保護を受給できるケースはある
生活保護は、経済的に困窮していて最低限度の生活を送ることが難しい場合に利用できる制度であるため、持ち家に住みながらバイクを持っている人が受給していることに疑問を感じることもあるでしょう。
しかし、一定の要件を満たしていれば、財産を保有しながら生活保護を受給することが認められるケースもあるようです。
今回の事例のように「持ち家に住んでいてバイクも保有している隣人がなぜ生活保護を受給できるのか?」という疑問がある場合は、保有が認められるための要件を満たしていると考えられるでしょう。
出典
東京都福祉保健局生活福祉部保護課 生活保護運用事例集(令和3年6月改訂版)(60ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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