更新日: 2019.01.08 その他暮らし
〈家庭でできるマネー教育〉 ②子供へのお小遣い、いくらが妥当?
金融広報中央委員会「子供のくらしとお金に関する調査(第3回)」(2015年度)によると、小学生の7割強、中学生の8割強、高校生の約8割がお小遣いをもらっています。その金額は、小学1・2年生では平均1,004円(中央値500円)、小学生3・4年では平均864円(中央値500円)、小学生5・6年生では平均1,085円(中央値1,000円)、中学生では平均2,536円(中央値2,000円)、高校生では平均5,114円(中央値5,000円)です。(いずれも月に1回の場合)
Text:黒澤佳子(くろさわよしこ)
CFP(R)認定者、中小企業診断士
アットハーモニーマネジメントオフィス代表
栃木県出身。横浜国立大学卒業後、銀行、IT企業、監査法人を経て独立。個別相談、セミナー講師、本やコラムの執筆等を行う。
自身の子育て経験を踏まえて、明日の子どもたちが希望を持って暮らせる社会の実現を願い、金融経済教育に取り組んでいる。
また女性の起業,事業承継を中心に経営サポートを行い、大学では経営学や消費生活論の講義を担当している。
お小遣い、子供たちはどう使う?
お小遣いの使い方はさまざまで、小学生では「おかしやジュース」がトップ、次いで「ゲームやおもちゃ」、高学年になると「まんが」が上位にあがってきます。中学生・高校生では「友達との外食・軽食代」「おやつなど飲食代」に次いで、「友達へのプレゼント」「遊びにいくときの交通費」といった交遊費が上位を占めます。
お小遣いの金額を決める上で大事なのは、お小遣いで使うものの範囲です。交通費や文房具代も含めて自己管理させるのか、学校で必要なものや友達とでかけるときはお小遣いとは別にあげるのか、それを決めた上で子供とよく認識合わせをする必要があります。
我が家のケースでは、電車やバスに乗るときはICカードを使うので、お小遣いとは別にICカードにチャージをしておき、なくなったらまたチャージしてあげていました。しかし、あるとき履歴をみてみたら、マンガや単価の高いアイスをICカードで買っていて、唖然としたことがありました。今やコンビニでも本屋さんでもICカードは使えますし、オートチャージ機能を使っているご家庭もあると思います。きちんとルールを決めないといけないですね。
お金の価値をどう伝える?
お小遣いをもらうに当たって、中学生・高校生ともに7~8割は「何の前提条件もない」、中学生の1割強・高校生の1割弱は「家の仕事をすることが条件」となっています。
小学生は、食事のしたく、お風呂の掃除、洗濯や洗濯物の片づけなど広い範囲で家事・手伝いを行っていますが、中学生・高校生になると「自分が主に利用する場所の掃除」が5割前後あるものの、家事・手伝いをしている割合は小学生高学年よりも低くなっています。
お金はどうしたら手に入れられるのでしょうか?大人なら「働く」と答えられますが、もらうことに慣れている子供は、働いてお金を稼ぐということがピンときません。
子供の金銭感覚を養うためにも「お駄賃制」は有効です。今欲しいゲームが4,000円だとします。1,000円のお小遣いを4ヶ月貯めれば買えますが、4か月もの間に売り切れてしまうかもしれません。こんな時は、家のお手伝いをしてお駄賃がもらえると、目標に向かって頑張れます。
ただし1回あたりのお駄賃をいくらにするかは慎重に決めなければなりません。お手伝い1回あたり100円は高いですか?安いですか?毎日お手伝いをすると月3,000円になります。そうなると小学生のお小遣い平均額の3倍になり、少し高いかなとも思えます。
1回30円の場合、毎日頑張って1ヶ月で900円。お小遣いと合わせると、2ヶ月ちょっとで欲しいゲームが手に入る計算です。
うちは小学校低学年のときは1回10円でした。少ないと思われるかもしれませんが、100円欲しいときに何回もお手伝いをしないといけないので、自分からお手伝いを見つけたりしていました。これくらいになると、家族のために毎日頑張って働く親の大変さが少しわかるかもしれませんね。