更新日: 2021.08.10 その他暮らし

必要な時に「お金を借りることができる場合がある」契約者貸付って知ってる?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

必要な時に「お金を借りることができる場合がある」契約者貸付って知ってる?
保険では、「掛け捨て型」「貯蓄型」といった言葉をよく聞くかと思います。
 
実は「貯蓄型」保険の場合、必要なときに「お金を借りることができる場合がある」ということをご存じでしょうか? このような制度を「契約者貸付」と言います。今回は、その「契約者貸付」についてご紹介します。
 
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契約者貸付って?

「契約者貸付」は、終身保険などの生命保険で「解約返戻金」がある、いわゆる貯蓄型保険において、必要なときに解約返戻金の一定割合までを上限(保険会社によって異なる)として、貸し付けを受けられる仕組みです。
 
たまに「いつでもお金を引き出せます」という営業トークを聞くことがありますが、それはおそらくこの「契約者貸付」のことを指していると考えられます。
 

保険はお互いの助け合いの仕組み

「自分で保険料を支払ったのに、なぜ「貸付」なのか?」と疑問をもつ方がいらっしゃるかと思いますが、これは、保険が相互扶助、つまり助け合いのための仕組みだからです。
 
保険は銀行の預金とは違い、保険料を多くの人から集めて、その保険料が保険金支払い事由に当てはまった人に渡る仕組みです。
 
保険料の総支払額より保険金の受取額の方が大きい場合が多いため、保険金が支払われるとき以外で自由にお金が出ていく仕組みになってしまうと、そもそも保険の制度が成り立たなくなってしまうのです。
 

契約者貸付の使い方

まず、一番大切なのは、お持ちの保険で「契約者貸付」の制度が利用できるかどうかです。
 
保険証券には記載がないこともありますが、約款には確実に記載されていますので、確認してみましょう。一般的に解約返戻金があるタイプの保険であれば、利用可能なことが多いようですが、各保険会社によって取り扱いが違いますので注意が必要です。
 
その次に、契約者貸付の手続きになります。保険証券などに記載されている保険会社のコールセンターや、保険の担当者などに「契約者貸付」を受けたい旨を伝えると、書類が送付されます。それを返送し、審査が完了すれば、一般的に数日でお金が振り込まれます。
 

契約者貸付のメリット

なぜわざわざ保険からお金を借りる必要があるの? と考える方もいらっしゃるかと思うので、メリットを考えます。
 

(1)保障を残してキャッシュを用意できる

保険を解約すれば、100%の解約返戻金が受け取れますが、保障は解約時点で終了となります。保険を解約してまで、キャッシュをすぐに用意しなければならないという状態はまれなのではないかと思います。
 

(2)審査が不要

銀行での融資やカードローンなどでは、必ず審査があります。年収やそれまでのクレジットカードの利用経歴などの信用情報が調査され、融資不可という場合もあります。しかし、契約者貸付は自分の解約返戻金の範囲内ですので審査はありません。
 

(3)返済の自由度の高さ

融資を受けたり、カードローンを利用すると、すぐに返済が始まります。一方、契約者貸付の場合は、基本的に自由なタイミングで返済ができますので、家計に余裕ができるまで待つということもできます。
 

(4)金利の低さ

融資やカードローンでは10数%の金利がかかることが一般的です。契約者貸付は数%の低金利であることが多いため、カードローンでキャッシュを用意する場合より長期的に見て負担が少ないと言えます。
 

契約者貸付の注意点

メリットとは反対に注意すべき点についてもしっかり把握しておく必要があります。
 

(1)返済し終わるまで保障が減少する

例えば、死亡保障が1000万円、貸付を500万円受けており未返済の状態で死亡した場合は、死亡保険金が「1000万円-500万円-返済金利」で計算され、受け取れる額が500万円弱となります。
 

(2)返済をせず、金利が増え、その額が貸付の上限額を超えると保険が失効する

例えば、貸付上限が500万円で、490万円を借りたとします。このとき、貸付金利が5%だったとすると、1年後には514万円となって上限を超えてしまいます。そうなると、保険が失効してしまいます。
 

(3)返済は自分で管理する必要がある

返済期限がないため、つい返済を後回しにしてしまうかもしれません。そのまま返済をしないと、いずれは保険が失効を迎えてしまいます。貸し付けを受けるときには、せっかく保障を残した状態でキャッシュを用意したのですから、その努力を無駄にしないように、返済も計画的に実施する必要があります。
 

まとめ

貯蓄型保険のなかには、急に資金需要が発生したときに、保障を残してキャッシュを準備できるものもある、ということがお分かりいただけたかと思います。
 
せっかくですので、ご自分の保険がどのような状態か、一度確認してみてはいかがでしょうか。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 

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