「年収1000万円」でも教育費貧乏に!?高所得層ならではの悩みとは?

配信日: 2024.12.27

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「年収1000万円」でも教育費貧乏に!?高所得層ならではの悩みとは?
子育てで避けては通れない問題の一つが教育費です。教育費をねん出するため、自分の娯楽を我慢し、節約の日々を送っている方もいるでしょう。ときには、「お金があればもっと楽に生活できるのに」とお金持ちをうらやましく感じることもあるかもしれません。
 
しかし、年収が1000万円以上の世帯でも、ある事情から教育費貧乏に陥る場合があるといいます。今回は、高所得者ならではの教育費の悩みを解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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高収入世帯の悩みは「同調圧力」?

年収1000万円超えの家庭における教育費の悩みは、同調圧力に起因するようです。高収入の家庭では小学校受験や中学校受験が当たり前だそうで、「周りがやっている以上、うちの子にも受験させなくては」と強迫観念のようなものに駆られる方もいるようです。
 
塾や家庭教師にくわえ、小学校受験の対策では体操教室や絵画教室を利用する場合もあり、受験費用は膨れ上がるでしょう。しかし、払えるだけの蓄えがあるだけに、費用は青天井になりやすいといいます。その結果、教育費が次第に家計を圧迫するようになり、教育費貧乏に陥るそうです。
 
所得が高い世帯ほど教育費をかける傾向は、文部科学省の「令和3年度子供の学習費調査」にも表れています。表1は、私立に通う幼稚園生と小学生にかかる「学校外活動費」(塾や習い事、スポーツ活動などの費用)の年平均を、世帯年収別に整理したものです。全般として、年収が増えるとともに学校外活動費も増加することが分かります。
 
表1

400万円未満 400万~
599万円
600万~
799万円
800万~
999万円
1000万~
1199万円
1200万円以上
幼稚園生 9万3000円 10万2000円 12万4000円 17万3000円 23万8000円 33万1000円
小学生 47万4000円 49万2000円 48万5000円 58万1000円 64万円 76万2000円

出典:文部科学省「令和3年度子供の学習費調査の結果を公表します」を基に筆者作成
 
収入が高いほど教育費に回せる余裕があるとも解釈できますが、同調圧力に押され、無理をしながら費用をねん出している世帯もあるのかもしれません。
 

小学校受験と中学校受験にかかる「学校外活動費」と「入学検定料」

ここまでは高所得者の事情を中心に解説しましたが、小学校受験や中学校受験にかかる一般的な金額が気になる人もいるでしょう。同資料によると、幼稚園生および小学生にかける学校外活動費の年平均は、表2の通りです。
 
表2

公立 私立
幼稚園生 9万555円 14万4157円
小学生 24万7582円 66万797円

出典:文部科学省「令和3年度子供の学習費調査の結果を公表します」を基に筆者作成
 
表2の金額には受験をしない世帯のものも含まれることを考慮すると、受験をする世帯に限った平均額はさらに高い可能性もあります。
 
また、受験にかかる費用は学校外活動費だけではないでしょう。例えば、受験の際には検定料が必要です。検定料は1校当たり2~3万円ほどとされますが、併願数が多ければ、相応の金額になる可能性があります。遠方の学校を受験する場合は、交通費や宿泊費なども用意しなければならないでしょう。
 

高収入世帯でも、小学校受験や中学校受験で教育費が膨れ上がり、教育費貧乏になる可能性がある

高所得者世帯が教育費貧乏になる背景には、「周りがやっている以上、うちの子にも受験させなくては」という意識があるようです。受験対策を万全にしようとした結果、塾費用や家庭教師費用などが増え、家計を圧迫していくといいます。
 
一方で、教育費をいかに補うかは世帯所得に限らない共通の課題です。小学校や中学校の受験はしなかったとしても、高校や大学に進学する際などには、まとまった金額が必要でしょう。そのときに教育費貧乏にならないためには、計画的な貯蓄と収支の管理を、早い段階から始めることが大切です。
 

出典

文部科学省 令和3年度子供の学習費調査の結果を公表します(1、13ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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