片づけの美学183押し入れの中はスカスカで部屋はモノでいっぱい|なんでこんなことになっちゃうの?
配信日: 2025.01.01
「使いづらい収納だと感じる」「収納に何を入れたか覚えていない」「収納の前がモノだらけで引き出しを開けるのもひと苦労」、これらでひとつでも思い当たる方にとっては、改善ポイントがたくさんです。快適な押し入れ・収納に変身させていきましょう。
執筆者:奥野愉加子(おくの ゆかこ)
美学のある暮らし 代表
整理収納アドバイザー認定講師。(photo:キャラバンサライ)
奈良生まれ。大学では生活環境学部にて建築やインテリアを学び、英国インターンや建築設計会社勤務を経て、2011年より愛知県で結婚生活をスタート。長男出産後、夫の赴任で2年間のドイツ生活を経験。帰国後の現在は建築家デザインの家で暮らす、5歳と2歳の男児の母。子育てがひと段落したら、建築や暮らしに関連するような仕事をしたいと考え、「一般社団法人ハウスキーピング協会」の整理収納アドバイザーの資格を取得。認定講師として資格取得のための講座を定期的に主催している。
<美学のある暮らし>
スカスカ押し入れの原因
押し入れ収納が使いづらいなと感じている場合、原因は収納用品にあることがほとんどです。使うのが面倒くさくなるような収納用品が入っていませんか?
例えば、押し入れの扉を開け、収納の引き出しを出す必要があるといったように、モノを取り出すために2つ以上の動作(2アクション)が必要だったり、収納の引き出しがとても重かったり、カゴが深すぎて何を入れたか見えないなど、使いづらい=使いたくない気持ちになるものです。
取り出すのが面倒くさい収納は、使い終わった後に元に戻すのがとても面倒くさく感じます。つまり、出ていくばかりで、戻ってこないのです。
取り出しのみの流れが続くと、結果として、押し入れの中はスカスカ。部屋はモノでいっぱいな状態になってしまうのです。スカスカ押し入れの原因は、使いづらい収納だということになります。
まずは、収納家具の見直しを
押し入れ内がスカスカである場合、収納家具を見直しましょう。いきなり全部を新品に買い替える必要はありません。手持ちの収納家具を活用するのがベストです。配置を換えて対応していきましょう。
●内部にある引き出し収納を押し入れから出すとどうか
●室内にある棚を押し入れに入れてみるとどうか
など、家の中にある収納家具の入れ替えを検討します。
また、家具の置き方を変えるのもおすすめです。縦に置いていた収納を横に寝かせてみたり、面をこちらに向けていた収納を側面に向けたりなど、いろいろ試すのも楽しいです。
段の高さを変える、段を取ってみるなど、アイデアをたくさん出して、より立体的に使える押し入れを目指していきましょう。
押し入れの中の使いやすい場所を確認
押し入れを立体的に使うために、使いやすい位置を確認しましょう。
使いやすいゾーンと使いづらいゾーンが、押し入れの中にはあります。一般的に、部屋入り口に近く、引き戸を開けてすぐの上段の半分くらいまでが一番使いやすいゾーンです。大人の腰より上なので、立ったままモノを出し入れできます。
次に使いやすいのが反対側、その次に下段の引き戸を開けたすぐのゾーン、その後は扉を開けきらないと見えない中央部分と使い勝手の優先度が続きます。押し入れの扉の一枚に家具がかぶっているなど、ご家庭によって使いやすい場所が違ってきますので、ご確認ください。
●使いやすいゾーンは日常使いに向いています
●使いづらいゾーンは保存するモノに向いています
押し入れは奥と手前で2段階
押し入れ収納は奥行きが深いため、奥と手前で、モノの種類を分けると使いやすくなります。奥側には、あまり使わないモノ・年に1回出すかどうかのモノ、手前には、よく使うモノ がおすすめです。
奥に入れるのは、扇風機・ヒーターなどの季節家電や、思い出の品、おさがり服など頻繁に取り出さないモノがよいでしょう。
押し入れに入れないモノ
押し入れの中にあると、どうしても1アクション以上の動作か必要になります。「引き戸を引き、収納(引き出し)を開ける」という行動が面倒に感じる場合は、押し入れの中に入れず、室内に収納家具を置くほうがよいこともあります。
時々使うモノくらいなら、押し入れから出し入れできる、などの加減を考えてみましょう。
押し入れは戻せるかどうか
押し入れをうまく使うには、モノを使用後に戻せるかどうかがカギになります。楽に使い続けるシステム作りがスッキリ・キレイをキープすることにつながります。
トライ&エラーでよい加減を見つけ、モノはたくさん詰まっているけど、使いやすい押し入れを目指しましょう。
筆者:奥野愉加子
美学のある暮らし 代表