汚れた1000円札が食券機で使えず調べたら、1~2年で寿命を迎えると知りました。寿命後はどう処理されるのでしょうか?
配信日: 2025.01.13 更新日: 2025.01.14
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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紙幣の寿命
日本銀行によると、紙幣には一定の寿命があり、1万円札は通常4~5年ほど使われるとされています。他方、5000円札や1000円札は使用頻度が高く、摩耗が早いため、その寿命は1~2年程度とされています。
使えなくなった紙幣の処理方法
使えなくなった紙幣は、金融機関を経由して日本銀行に戻されます。そこで、真偽や汚れ具合などが確認され、再流通に不適切と判断されたものは、復元不可能な形で細かく裁断されます。
裁断された紙幣のリサイクルと処分方法
裁断された紙幣は、住宅用建材や固形燃料、トイレットペーパー、事務用品などに再利用されるほか、一般廃棄物として焼却処分されることもあります。
古いお札の交換方法
破損した紙幣や硬貨は、日本銀行の本店または支店に持参することで、法律で定められた基準に従い交換してもらえます。交換を希望する際は、訪問予定の日本銀行の本支店へ、事前に電話やウェブサイトから予約を行ってください。
なお、郵送での対応は実施していないため、注意が必要です。
損傷現金の引き換えについて
日本銀行では、基準に基づき、損傷した現金の交換を行っています。基準を満たさない場合、その現金は無効となります。交換基準は表1の通りです。
表1
種類 | 基準 | 交換額 |
---|---|---|
紙幣 | 券面の 3分の2以上 が残存 | 額面金額の 全額 |
券面の 5分の2以上、3分の2未満 が残存 | 額面金額の 半額(1円未満切り捨て) | |
同一紙幣の複数紙片の 合算面積 で判定可能 | 上記基準に基づき交換 | |
金貨 | 重量が 98%以上 残存 | 額面金額の 全額 |
その他硬貨 | 重量が 50%を超えて 残存 | 額面金額の 全額 |
災害などで模様が確認できる場合 | 額面金額の 全額 |
出典:日本銀行「損傷現金交換基準」を基に筆者作成
損傷現金の交換を希望する際は、あらかじめ基準を確認し、交換可能な状態であるかどうかを判断してください。
現金交換の手数料
日本銀行では、損傷現金の交換に際して手数料を一切徴収しません。損傷した現金を無償で交換できるため、経済的な負担を軽減することができるでしょう。
損傷した現金を交換する際の注意点
損傷した現金を交換する際の注意点について、みていきましょう。
破損した紙幣
シュレッダーなどで細かく裁断されたものを含む破れた紙幣については、可能な限り各部分をしっかりと貼り合わせてください。この際、番号や模様、色合いを確認し、異なる紙幣の部分を誤って貼り合わせないように注意しましょう。
裁断されたままの状態では、同一の紙幣の一部と認められないことがあり、その場合は無効とされることがあります。
焼けて灰になった紙幣
紙幣が焼けて灰になってしまっても、ある程度までは紙やインクの特性から本物であることを確認できます。
しかし、灰がばらばらになると特定が難しくなるため、可能な限り原型を保ち、細かい灰なども集めて適切な容器に入れて持ち込むようにしてください。
溶けた硬貨
溶けた硬貨も、模様が確認できるなどの条件を満たせば、新しい硬貨に交換することができます。
使えなくなった紙幣や硬貨は日本銀行に送られ裁断されリサイクルまたは廃棄処理に
紙幣や硬貨には一定の寿命があります。1万円札は約4~5年、5000円札や1000円札は1~2年で摩耗が進み、使えなくなることがあります。使えなくなった紙幣や硬貨は、日本銀行に送られ、再流通に不適切と判断されたものは裁断後にリサイクルまたは廃棄処理されるのです。
損傷した現金に関して、日本銀行では基準に従って交換を行っており、その際の手数料は一切発生しません。交換基準を確認しておくことで、交換がスムーズに進み、無駄な手間を避けることができるでしょう。
破損した紙幣や硬貨を持参する際は、できるだけそのままの形で持ち込むことが推奨されます。シュレッダーで裁断された紙幣や焼けた紙幣の場合、できるだけ原形を保って持ち込むことが大切です。
これらの注意点を守ることで、損傷現金を効率的に交換できます。以上の通り、日本銀行は損傷した現金の取り扱いをしっかりと整備しており、経済的負担を軽減するために、手数料なしで交換サービスを提供しているのです。
出典
国立印刷局 お札に関するよくあるご質問
日本銀行 日本銀行が行う損傷現金の引換えについて
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー