「20枚以上」の硬貨を使って会計をすると「拒否」されることがあると聞きました。これってどういうことですか?
配信日: 2025.01.19
本記事では、硬貨での支払いに関する法律や店舗側の対応基準を解説します。また、大量硬貨の会計が拒否される理由と対処法を紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
硬貨での支払いに関する法律の概要
硬貨での支払いについては、「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律(通貨法)」によって規定されています。
通貨法の第7条には「同一額面の硬貨は額面価格の20倍まで、すなわち20枚までが法的に通用する」と定められており、硬貨の大量使用による事務処理の負担を軽減し、現場の混乱を避けることを目的としています。
この規定により、21枚以上の硬貨を使った支払いについては、店舗側が受け取りを拒否することができます。ただし、この制限は硬貨のみが対象であり、紙幣には適用されません。また、消費者が硬貨で支払おうとする金額が法定の範囲内である場合、店舗側はこれを受け取る義務があります。
なお、公共料金や税金の支払いなど一部の公的機関では、例外的に大量の硬貨が受け入れられる場合があります。しかし、一般的な取引では20枚以上の硬貨を使用する際には注意が必要です。
店舗側の対応基準とその理由
店舗側は通貨法第7条を根拠に、硬貨の受け取りについて20枚以上の硬貨による支払いを拒否できます。このルールは、店舗が大量の硬貨を数える負担を軽減し、レジ処理の効率を維持するために存在します。また、ほかの顧客へのサービスに支障をきたさないようにするためにも重要です。
例えば、混雑するスーパーやコンビニエンスストアでは、21枚以上の硬貨を受け取って計算することが業務の大きな負担となります。さらに、大量の硬貨は保管スペースを圧迫し、銀行への入金作業にも影響を与える可能性があります。このような理由から、店舗側が硬貨の受け取りを拒否しても、法的には正当な対応となります。
ただし、20枚以下の硬貨であれば、店舗側はこれを受け取らなければなりません。そのため、支払時には硬貨が20枚以内になるように工夫することが重要です。また、事前に店舗へ相談し、柔軟な対応をお願いすることも円滑な取引につながります。
20枚以上の硬貨での支払いが拒否される理由
20枚以上の硬貨による支払いが拒否される主な理由は、業務効率と店舗の負担軽減です。硬貨は軽量で小さいため一見取り扱いが簡単ですが、実際には大量の硬貨を数える作業がレジ業務の遅延につながり、実務的な問題を引き起こします。
さらに、硬貨の管理にはコストがかかります。店舗が銀行に入金する際、硬貨の数が多いと手数料が発生することがあります。
また、大量の硬貨は保管スペースを占有し、レジ周辺の効率的な運用にも悪影響を与える可能性があります。このような理由から、多くの店舗では21枚以上の硬貨を使った支払いに慎重な姿勢を取るのです。
法律が20枚という具体的な基準を定めているため、これを超える硬貨の受け取りを拒否することは違法ではありません。しかし、顧客と店舗の間でトラブルになる恐れがあるため、事前の説明や話し合いが重要です。
大量の硬貨で支払いたい場合の対処法
20枚以上の硬貨を使って支払いをしたい場合には、いくつかの対処法を検討しましょう。まず、店舗に事前連絡をし、支払いについて相談することが効果的です。一部の店舗では、営業時間外や混雑の少ない時間帯に限り、大量の硬貨を受け入れられる場合があります。
また、銀行で硬貨を紙幣に交換してから支払うのも一つの方法です。ただし、硬貨の両替には手数料がかかる場合があるため、事前に銀行のサービス内容を確認しておきましょう。
さらに、硬貨をチャージ式のプリペイドカードや電子マネーに入金することで、現金ではなくキャッシュレス決済として利用できます。多くの自動販売機や駅の券売機では硬貨に対応しているため、このような方法も有効です。
大量の硬貨での支払いはスムーズな取引を心掛けて
硬貨での支払いには法律で20枚までという制限があり、店舗側が21枚以上の硬貨を受け取る義務はありません。この規定は、業務効率の向上や管理コストの削減を目的としたものです。
大量の硬貨で支払いをする場合は、事前に店舗に相談するか、銀行での両替や電子マネーへのチャージなどの対処法を活用してスムーズな取引を心掛けましょう。法律や店舗側の基準を理解し、お互いの負担を減らす対応が求められます。
出典
デジタル庁 e-GOV 法令検索 通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律
財務省 お金には使用できる枚数の制限があるのですか
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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