更新日: 2019.06.19 その他暮らし

「保証人不要」物件は気楽? 賃貸保証会社が保証してくれるものとその利用法

「保証人不要」物件は気楽? 賃貸保証会社が保証してくれるものとその利用法
春遠からじ。賃貸物件が大きく動く季節が間近です。
 
住み替えをしようというとき、初期費用や引っ越しと同様に、いや、その前に頭を痛めるのが「保証人」です。
 
田中恭子

執筆者:田中恭子(たなか きょうこ)

フリーランス・エディター&ライター

北海道大学卒業後、メーカー勤務を経て出版業界へ。自身の経験を生かした旅行、
アウトドア、ライフスタイル、自然などを得意とするが、ジャンル問わず、多方面
で活躍。

連帯保証人を頼むのは大きなハードル

「保証人」と「連帯保証人」は違います。連帯保証人のほうは、万が一借主が家賃を滞納したときに、すぐさま代理で支払うことを要求され、支払いの責任は借主と同じです。賃貸契約の際には「保証人」よりも「連帯保証人」を立てる必要があることが多くなります。
 
当然連帯保証人には、借主と同様その支払い能力が要求されます。年齢、年収、雇用形態、勤続年数、滞納歴、不動産を所持しているかなど、借りる物件の賃貸料に合わせてハードルが上下します。では誰に頼めばいいのでしょう。
 
両親が一番頼みやすく、圧倒的に多いのですが、その両親が高齢であったり、定年退職し年金生活者であったりすると、ほかの人を立てるようにと言われることがほとんどです。連帯保証人の条件を決めるのはオーナーや管理会社ですが、実際にはある程度の年収のある、安定した雇用形態の人を要求されるのが常です。
 

「保証人不要!」の文字に誘われる。実際は?

両親が現役世代であっても、親子関係のもつれなどで頼めない人もいるでしょう。両親以外には、兄弟や友人なども考えられますが、連帯保証人を簡単に「いいよ」と言ってくれる人はそう多くはありません。また、年収や不動産の有無などを聞くのも、たとえ兄弟でもはばかられるものです。
 
ときには貯蓄額までも書かなくてはならないときもあります。自分は絶対に滞納などしないから大丈夫と自信があっても、連帯保証人を頼むのはかなり憂鬱なものです。
 
そんなときに嬉しいのが「保証人不要」の文字。こうした物件は年々増えています。「ああよかった」と思っても、何もなしでいいよ、というわけではありません。たいていが「家賃保証会社」を利用することが必須条件となっています。
 
家賃保証会社は、連帯保証人の代わりに家賃を保証し、借主が家賃を滞納したときには立て替えて払ってくれます。
 
しかし、安心していてはだめですよ。立て替えた家賃は、借主に請求します。もちろん、家賃保証会社も商売ですから、ただ立て替えてくれるわけではなく、物件契約時に家賃の30~70%を支払わなくてはなりません。それでも親族や知人に連帯保証人をお願いするよりはずっといい、と考える人も多いでしょう。ただ、なにかと出費のかさむ初期費用がさらに増えることは事実です。
 
借り手もほっとしますが、オーナーや管理会社にとっても、家賃保証会社がついていると安心なので、最近は「保証会社利用可」に加え、「保証会社利用必須」という物件もどんどん増えています。どの保証会社を使うかは、オーナーや管理会社が指定してくることがほとんどです。
 
入居の際には借主に家賃の支払い能力があるか、近隣トラブルを起こしそうもないかなど「入居審査」というものがオーナー・監理会社側によって行われますが、保証会社を利用するとこの審査が通りやすくなるというメリットもあります。
 

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保証会社+連帯保証人が必要というケースも

さて、保証会社側も、どうみたって家賃滞納しそうな人の保証はしたくありません。保証会社を利用する際には保証会社による借主の審査という関門もあるのです。ここでも借主の雇用形態、勤続年数、年齢、収入、滞納歴などの申告が必要となります。
 
もしも保証会社の審査に通らない場合も、連帯保証人を立てれば通すという、一見堂々巡りのような展開になることもあります。
 
また、賃貸保証会社は家賃の保証と督促しかしません。例えば、入居者が近隣トラブルを起こしたときなどに仲介して注意をしてくれるのはやはり連帯保証人という「人間」です。そこで最近は、賃貸保証会社で金銭的保証を、連帯保証人で人的保証をと、両方を必須とする物件もあります。
 
家賃の滞納も年々増えています。部屋を借りるのも、だんだん「お客さま然」としていばってもいられなくなりました。新しいスタートに嫌な思いをしたり、大切な人間関係を壊したりしてモチベーションを下げたくはないものです。
 
分相応の物件を借りること、真面目に働き、勤続年数、年収、信用などをこつこつ積み重ねていきながらステップアップすること、普段から親類などと持ちつ持たれつの良好な関係を築いておくなど、これを機会に意識してみてはいかがでしょう。
 
執筆者:田中恭子(たなか きょうこ)
フリーランス・エディター&ライター
 

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