更新日: 2020.01.24 子育て
気になる中学受験のお金…。一体いくらかかるの?
執筆者:新美昌也(にいみ まさや)
ファイナンシャル・プランナー。
ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
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中学受験をするのにかかるお金
中学受験をするには、小学校の授業内容だけで合格するのは難しいので、塾に通うのが一般的です。塾に通い始めるのは小学4年生の春からが多いようです。塾に通う場合、どのくらいのお金がかかるか不安な方も多いと思います。
進学塾の費用は塾によって異なりますが、某都内大手進学塾の場合、入会金、授業料、定例テスト、模試(任意)、講習等の費用がかかり、小学4年生では年間55万円程度、小学5年生では年間70万円程度、小学6年生では年間128万円程度かかります。3年間で253万円程度です。
小4、小5と勉強を続けてきて、小6になって費用が負担になったからといって、辞めるわけにはいかないでしょうから、入塾する前に3年間の費用の総額をしっかり確認し、家計から無理なく費用を捻出できるか慎重に検討することが大切です。
入試は小6の1~2月頃に始まります。入試を受けるには受験料が必要です。都内の私立中学の受験料は2~3万円です(東京都「平成30年度都内私立中学校の学費の状況」)。
併願で3~5校程度は受験すると考えると、受験料は10~15万円程度用意しておく必要があります。
さらに、併願校の入学金の納付期限の後に本命の学校の合格発表があるような場合、併願校に合格した際に入学資格を確保しておくために、入学金を支払う必要があります。その後、本命の学校に合格し入学を決めた場合、併願校に支払った入学金は戻ってきません。入学金は余裕を持って準備しておきましょう。
私立中学の学費はいくらかかる?
合格すると入学金を納付期限までに支払います。期限内に支払わないと入学資格を失うことになります。東京都「平成30年度都内私立中学校の学費の状況」によると、都内の私立中学の「入学金」は平均で25万4979円です。
ただし、入学金は学校によってバラツキが大きく、最も高いのが45万円(頌栄女子学院)、最も安いのが0円(開智日本橋学園)です。なお、中高一貫校の場合でも高校に進学する際には入学金が必要になるので知っておきましょう。
次に授業料ですが、平均は46万8090円。こちらもバラツキが大きく、最も高いのが131万9000円(玉川学園中学部(IBクラス))、最も安いのが25万2000円(八王子実践)です。
学校によっては施設費もかかります。平均は4万207円です。なお、のべ193校中116校が0円です。その他の費用の平均は18万6140円です。初年度納付金(入学金、授業料、施設費、その他)の平均は94万9416円、最高額は187万3000円(玉川学園中学部(IBクラス))、最低額は54万8000円(八王子実践)です。
なお、入学時に寄付金や学校債を求められる場合もあります。これらは任意ですので、家庭の経済状況に応じて支払うとよいでしょう。見栄を張って無理をする必要はありません。
この他、私立中学校に通う場合、自宅から遠方の学校に通う場合もありますので、交通費も公立中学校よりも高くなる傾向にあります。また、修学旅行費なども私立中学校のほうが高い傾向にあります。
文部科学省「平成30年度子供の学習費調査」によると、通学関係費(年額)は公立中学校の3万7666円に対し、私立中学校は14万765円。修学旅行費・遠足・見学費(年額)は、公立中学校の2万6217円に対し、私立中学校は8万2578円です。
学校独自の奨学金を調べてみよう
公立中学校に比べ、私立中学校に通うには多額の学費がかかります。学費の負担を軽減するため、私立中学校では学校独自の奨学金制度を設けている場合があります。奨学金に2つのタイプがあります。
経済的な理由から学費の支払いが困難になった生徒を援助するタイプの奨学金と、入学試験や在学中の成績優秀者を対象とした奨学金です。学校案内や募集要項などで詳細を確認し、学費の負担軽減に役立てましょう。
執筆者:新美昌也
ファイナンシャル・プランナー