新卒でも年収1000万円?企業規模・産業・性別によって、どれくらい給料が違うの?

配信日: 2020.06.11

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新卒でも年収1000万円?企業規模・産業・性別によって、どれくらい給料が違うの?
2019年10月から、NECは研究職を対象に、新卒で年収1000万円とする給与制度を導入というニュースが飛び込んできました。くら寿司も幹部候補生に1000万円、そして、ソニーやユニクロも新卒の給料を引き上げると続々公表しました。
 
新人でそんなに給料がもらえるようになるのか? と自分の給料と比較してみると、多くの人が驚きを感じたのではないでしょうか?ちなみに、新卒給与の引き上げを発表したのは、いずれも大手企業です。
 
日本では、古くから「二重構造論」があり、大企業と中小企業の賃金格差の問題が議論されてきました。
 
一般的に、中小企業に就職するよりも、大企業に就職したほうが給料は良いのです。また、就職した産業によって給料が大きく異なります。情報通信業などは、宿泊業・飲食サービス業に比べて給料が高いのです。
 
今回は、給与について、データを使って確認してみたいと思います。特に、企業規模や産業、性別によって、どれくらい給料が違うのかをみていきます。これから就職する人や転職を検討している人など、参考にしてもらえるとうれしいです。
堀江佳久

執筆者:堀江佳久(ほりえ よしひさ)

ファイナンシャル・プランナー

中小企業診断士
早稲田大学理工学部卒業。副業OKの会社に勤務する現役の理科系サラリーマン部長。趣味が貯金であり、株・FX・仮想通貨を運用し、毎年利益を上げている。サラリーマンの立場でお金に関することをアドバイスすることをライフワークにしている。

企業規模、性別による賃金格差

企業規模、性別の賃金をみると表1のようになります。
 


 
賃金については、男性・女性にかかわらず大企業が最も高く、規模が小さくなるほど低くなっています。男性と女性でみると、男性のほうが賃金の格差が大きく、中企業では、大企業の83%、小企業では75.4%となっています。
 
また、男性と女性を比較すると、男性の小企業よりも女性の大企業の賃金のほうが低く、男女差が大きいことがわかります。
 
なお、ここで概況に用いている「賃金」は、6月分の所定内給与額をいいます。また、企業規模については、企業の全常用労働者数の規模をいい、常用労働者 1000人以上を「大企業」、100~999人を「中企業」、10~99人を「小企業」に区分しています(以下、同様)。

企業規模、年齢、性別による賃金格差

男性の企業規模別、年齢別の賃金をみてみます。企業規模にかかわらず、年齢が高くなると賃金は高くなっていき、50~59歳でピークを迎えます。日本的な、年功序列型の賃金体系が見て取れます。
 


 
次に、女性の企業規模別、年齢別の賃金をみてみます。男性と同様の傾向がみられますが、男性と比べて年齢が高くなってもそれほど大きな賃金格差はみられません。
 

産業、性別賃金格差

産業、性別の賃金について確認してみます。冒頭に書きましたように、どこの産業に就職するかによって賃金が大きく変わってきます。この表で、男性の最も賃金の高い金融業・保険業と、最も低い宿泊業・飲食サービス業では、195.3千円の差がみられます。
 
一方、女性の最も賃金の高い情報通信業と、最も低い宿泊業、飲食サービス業では、103.1千円の差がみられますが、男性の差に比べて、その差は小さいようです。
 
また、男性の最も賃金の高い金融業、保険業と女性の最も低い宿泊業、飲食サービス業では、268.3千円の大きな違いがみられます。
 


 
(参考文献)厚生労働省「平成30年賃金構造基本統計調査」『(4)企業規模別にみた賃金』『(5)主な産業別にみた賃金』
 
執筆者:堀江佳久
ファイナンシャル・プランナー


 

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