2019.01.08 暮らし

過去最高の初任給額更新! 1970年代と比べて今の新卒はお金持ち?

執筆者 : 松浦建二

新卒者の初任給が上昇し、平成30年も過去最高となりました。
 
新規学卒者のうち、大学と高校を卒業した人の2018年(平成30年)の初任給と、初任給が過去どのくらいだったか1976(昭和51年)年以降の推移をまとめてみました。
 

大学卒初任給は男性21万円、女性20万3千円

厚生労働省平成30年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況によると、新規学卒者のうち大学卒(医学部と歯学部卒は含まない)と高校卒の初任給は下記のとおりです。
 
※この統計での初任給とは、通常の所定労働時間で所定の日数を勤務した新規学卒者の6月分の所定内給与額から、通勤手当を除いたものです。所定内給与額は、所定内労働時間に対する賃金で、基本給や諸手当は含まれますが、超過労働給与額は含まれません。
 
※企業規模は、大企業が常用労働者1,000人以上、中企業は100~999人、小企業は10~99人としています。
 

 
2018年(平成30年)の初任給は、大学卒の男性が210.1千円、女性が202.6千円、高校卒では男性が166.6千円、女性が162.3千円となっています。
前年と比べると男性は大学卒が1.1%増、高校卒が1.5%増でともに過去最高となっています。女性は大学卒が0.7%減ですが、高校卒は2.5%増でこちらも過去最高となっています。
 
企業規模別では、大学卒男性でみると大企業が小企業よりも1万円強高くなっています。女性の大学卒と高校卒も同じ傾向にありますが、高校卒男性においては小企業が大企業よりも若干高くなっています。
 
過去10年間でみても7年は小企業の方が高いので、一時的な現象ではないようです。
 
実績のない新規学卒者の初任給が上昇しているのは、若干上向いている景気や人手不足による採用競争が影響しているのではないでしょうか。
 

男性の初任給は大学卒も高校卒も5年連続で上昇!

厚生労働省平成30年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況から、統計のある1976年以降の43年分をグラフにしてみました。最初のグラフは男性の場合です。
 

 
過去43年の推移をみると、当然でしょうが、常に大学卒が高校卒の初任給を上回っています。そして、前半は初任給が順調に上がっていましたが、後半は上がり方のペースがかなりダウンしています。
 
1976年から2018年までのちょうど真ん中の1997年で区切ってみてみると、例えば、大学卒の初任給は1976年の94.3千円から1997年の193.9千円へ、21年間で約2倍(106%増)になりました。しかし、その後の21年間は193.9千円から2018年の210.1千円へ8%しか増えていません。
 
大きな時代の変化があったと言えます。
 

大学卒女性の初任給が減ったのは一時的?

同じ統計から女性(大学卒・高校卒)の初任給の推移もグラフにしてみました。
 

 
1976年以降の推移は男性と基本的に変わらず、前半は順調に上昇、後半は微増となっています。2018年は女性大学卒の初任給が前年に比べて下がりましたが、一時的なことではないでしょうか。
 
昨今は国内の労働人口の減少が著しく、人手不足になっている企業にとっては、初任給を多少上げてでも採用したいことから、景気が劇的に悪くなるか社会構造に大きな変化がない限り、初任給は当面上がっていくでしょう。
 
Text:松浦 建二(まつうら けんじ)
CFP(R)認定者

松浦建二

執筆者:松浦建二(まつうら けんじ)

CFP(R)認定者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
1990年青山学院大学卒。大手住宅メーカーから外資系生命保険会社に転職し、個人の生命保険を活用したリスク対策や資産形成、相続対策、法人の税対策、事業保障対策等のコンサルティング営業を経験。2002年からファイナンシャルプランナーとして主に個人のライフプラン、生命保険設計、住宅購入総合サポート等の相談業務を行っている他、FPに関する講演や執筆等も行っている。青山学院大学非常勤講師。
http://www.ifp.cc/