自己負担なくコロナ対策ができる?持続化補助金の「事業再開枠」とは

配信日: 2020.09.29

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自己負担なくコロナ対策ができる?持続化補助金の「事業再開枠」とは
持続化給付金や家賃支援給付金など、新型コロナウイルスの対応に追われている事業者が利用できる補助金、給付金制度にはいくつかの種類があります。
長崎元

執筆者:長崎元(ながさき はじめ)

行政書士/特定行政書士
長崎元行政書士事務所 代表

学校を卒業後、IT企業に就職。約15年勤めた後、行政書士として開業。前職で培ったITの技術と知識を活かし、効率的で、お客様にストレスのかからないサービスを提供している。主な取扱業務は、「許可の取得」や「補助金の申請」。

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コロナ特別対応型「小規模事業者持続化補助金」

ここ数年は毎年実施されている“小規模事業者持続化補助金”にも、今年は特別枠として「コロナ特別対応型」が用意されました。このコロナ特別対応型は、通常の補助金と異なる一番大きな特徴。それが、遡及(そきゅう)適用があることです。
 
通常の補助金は採択(補助金が交付されること)が決定してから、物品の購入手続きや支払い等がされるのに対し、コロナ特別対応型では、すでに購入・支払い済みのものも補助金の申請ができます。
 
経費を遡って申請できるという点は、新型コロナウイルスの対策を早急に採らなければならない事業者にとっては、非常に利用しやすい特徴といえるでしょう。
 


 
今年はさらに、この持続化補助金の中に「事業再開枠」という特別枠が設けられています。通常の補助金の上限とは別に、50万円を上限とした別枠です。補助率は10割、この特別枠を利用する場合、実質的な自己負担額は0になります。
 
もちろん、この事業再開枠にも遡及適用があるため、購入済みのものを、この事業再開枠に入れることが可能です。
 
この事業再開枠は、用途こそ限定されているものの、補助率が10割であるため、事業者にはぜひとも、有効利用してもらいたいと思います。以下、この事業再開枠の説明や具体的な利用方法です。

事業再開枠とは? 補助金とは違うの?

事業再開枠は、新型コロナウイルスに対し、特に「感染防止対策に行う取り組み」について補助するために設けられました。この事業再開枠のみで申請をすることはできず、必ず補助金とあわせての申請となります。保険でいうところの、主契約が補助金で特約が事業再開枠です。
 
例えば、英会話教室を営んでいる事業者が、今後はオンライン授業を主とするため、設備投資を行い、あわせて店舗の清掃作業や消毒スプレーの購入を行うことにしました。
 
この補助金の申請をする場合、前半の設備投資は通常の補助金申請にあたります。後半の清掃作業や消毒スプレーの購入は、感染防止対策にあたるので、事業再開枠を利用できます。
 
この事業再開枠は、2020年5月14日以降に購入や使用したものを対象とすることができます。消毒スプレーなどの消耗品は定期的に購入しているケースが多いと思いますが、購入したすべてが対象となるのではなく、5月14日で線引きがされている点には注意してください。

何に使えるの?

事業再開枠がどのような経費に利用できるのか? その具体例を見てみましょう。
 
まずは、消毒液やアルコール液、マスク・フェイスシールドなどの購入費に利用可能です。また、飲食店やスーパーで見かけるアクリル板やビニールシートを使用した仕切り。これも飛沫(ひまつ)対策にかかる費用として認められています。購入費用と取り付けのための施工費用の両方が対象です。
 
同様に、換気対策として換気設備の購入費も対象です。換気扇や空気清浄機の購入がこれにあたります。しかし、こちらは単に古い換気扇から新しい換気扇への取り換えのような対策では対象となりません。
 
事業再開枠として使える費用をまとめると、以下のようになります。


 
感染防止に役立つ対策の多くが対象となります。
 
しかし、これらに該当する場合でも、経理書類を用意できない、インターネットを含むオークションで購入した、など一定の場合は対象から外れることもあります。
 
事業再開枠は、新型コロナウイルスの対策を講じるうえで非常に使い勝手の良いものです。補助金を申請する際は、ぜひ、あわせての利用を検討してみてください。
 
執筆者:長崎元
行政書士/特定行政書士
長崎元行政書士事務所 代表

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