子どもがスマホゲームで多額の課金……! これって取り戻せる?

配信日: 2020.10.06

この記事は約 3 分で読めます。
子どもがスマホゲームで多額の課金……! これって取り戻せる?
新型コロナウイルスの感染拡大によって、子どもたちが家で過ごすことも多くなりました。それにより、保護者の知らぬところでスマートフォンのゲームに多額の課金を行い問題となる事例が以前に比べて増えてきました。
 
今回は、子どものスマホゲームへの課金問題について解説していきます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
◆お問い合わせはこちら
https://www.secure-cloud.jp/sf/1611279407LKVRaLQD/

2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

子どもがした課金に気づくのはどんなとき?

子どもの課金に親が気づくのは、ある程度時間がたってからというのがほとんどです。それも「たまたまクレジットカードの支払い明細を確認した」とか「何気なく携帯料金の支払額を見たら普段よりだいぶ高く請求されていて驚いた」といったタイミングで偶然気づくことが多いのです。
 
その理由はスマホゲームの課金システムにあります。スマホゲームの課金の支払いは、携帯電話の料金との合算払いや親名義のクレジットカードを払いになっているものが多くあります。そのため、親に隠れてした課金が後になってから発覚するということが起こりやすくなっているのです。
 

ゲーム内の課金を取り戻すのは難しい

民法の規定により、基本的に未成年の子どもが親の同意無く行った契約は取り消すことができます。ゲーム内の課金も取り消すことのできる契約に該当するため、理論上では子どものした課金も取り消すことが可能です。
 
しかし、現実として課金した金額を取り戻すのは簡単なことではありません。契約の取り消しには親の承諾を得ていないことはもちろん、それに加えて課金した金額が子どもの小遣いの範囲を大きく超えていることや、課金の際に年齢を偽っていないといった条件が必要になるからです。
 
特に近年では、未成年者の課金問題を受け、ゲームの運営側も課金時やゲーム開始時などにシステムによって年齢確認をするようにしています。そこで年齢を偽ってしまっていたがゆえに、課金したお金の返金が難しくなっているケースも多いのです。
 

子どもに多額の課金をさせないためにはどうしたらいい?

重要なのは子どもと課金について話し合うことです。そして、課金の金額やタイミングについて、どこまでなら許可するのかを親子でルールを決めておくのです。
 
場合によってはフィルタリング機能を付けたり、クレジットカードの利用や携帯料金との合算払いの利用を禁止たりすることも必要かもしれません。
 

子どものスマホゲームへの課金について困ったときはどうすればいい?

子どもが無断でした課金の支払いに困ってしまっているなど課金についての悩みは、早めに消費生活センター(消費者ホットライン)へ相談することをおすすめします。
 
消費生活センターでは、消費者トラブルについての相談を受け付けており、子どもの課金問題についても広く取り扱っているからです。消費生活センターでは、匿名かつ無料で相談することもできるため、安心して相談することができます。
 

大切なのは子どもに課金について理解させること

未成年のした課金とはいえ、現実的にお金を取り戻すのが簡単ではない以上、大切なのはその予防にあります。単に課金自体を悪としてとらえるのではなく、課金が過度なものとならないよう親子でルールを決めておきましょう。
 
課金する場合は、お小遣いの範囲まで、毎月いくらまで、といったように、親子で具体的なルールを定めておくのです。そうすることで、子どもが課金のトラブルに巻き込まれないようにすることができるでしょう。
 
[出典]
株式会社西日本新聞社「未成年者の契約トラブル【暮らしのヒント】」(2020年8月20日)
消費者庁「消費者ホットライン」
 
執筆者:柘植輝
行政書士


 

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集