過払い金請求って? 請求できる人と時効について

配信日: 2020.12.01

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過払い金請求って? 請求できる人と時効について
「過払い金請求」という言葉をテレビのコマーシャルやインターネットの広告でよく目にすると思います。多くは、司法書士事務所や弁護士事務所が「あなたには、過払い金がありませんか? 今からでも取り戻せるので、×××事務所へご相談を」という内容です。
 
過払い金とは何でしょうか?
 
簡単にいうと、過去、法律で定められた利率以上の利息を支払った場合の超過金利のことです。その過払い金を、過払い金請求によって還付させることが可能だということです。
 
消費者金融、貸金業者またはクレジットカード会社などからお金を借りたことがない方には関係ありません。それでは、過払い金とその請求について、もう少し詳しく解説してみたいと思います。
浦上登

執筆者:浦上登(うらかみ のぼる)

サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー

東京の築地生まれ。魚市場や築地本願寺のある下町で育つ。

現在、サマーアロー・コンサルティングの代表。

ファイナンシャル・プランナーの上位資格であるCFP(日本FP協会認定)を最速で取得。証券外務員第一種(日本証券業協会認定)。

FPとしてのアドバイスの範囲は、住宅購入、子供の教育費などのライフプラン全般、定年後の働き方や年金・資産運用・相続などの老後対策等、幅広い分野をカバーし、これから人生の礎を築いていく若い人とともに、同年代の高齢者層から絶大な信頼を集めている。

2023年7月PHP研究所より「70歳の現役FPが教える60歳からの「働き方」と「お金」の正解」を出版し、好評販売中。

現在、出版を記念して、サマーアロー・コンサルティングHPで無料FP相談を受け付け中。

早稲田大学卒業後、大手重工業メーカーに勤務、海外向けプラント輸出ビジネスに携わる。今までに訪れた国は35か国を超え、海外の話題にも明るい。

サマーアロー・コンサルティングHPアドレス:https://briansummer.wixsite.com/summerarrow

 

過払い金請求とは?

過払い金とは、貸金業者やクレジットカード会社から法定利率(15%~20%)を超える利率で借り入れしたために発生した超過金利のことです。また、過払い金を取り戻すための法的な手続きのことを過払い金返還請求(以下、過払い金請求)といいます。
 
借り入れの際の利率の上限は、貸金業者がお金を貸すときの利息を定めた利息制限法という法律で定められています。これを法定利率といい、借入金額に応じて以下のとおりとなっています。
 
利息制限法の法定利率(年利)
100万円以上 15%
10万円以上 18%
10万円未満 20%

 
利息制限法に加えて出資法という別の法律があり、過去には出資法での上限金利を29.2%と定め、それを超えた金利での貸し付けに対しては罰則規定がありました。しかし、利息制限法には罰則規定がなかったため、2006年ごろまでは多くの業者が利息制限法の法定金利以上、出資法の上限金利以下で貸し付けを行っていました。この範囲の金利をグレーゾーン金利といいます。
 
ところが、2006年1月に最高裁判所がグレーゾーン金利は明確に違法であるとの判決を出したため、それまでに払い過ぎた利息(過払い金)を請求できるようになりました。さらに2010年6月には出資法が改正され、上限金利は20%となっています。
 
ただし、違法ではあっても、貸し手が自主的に過払い金を返還してくるまでの法的強制力はありません。そこで、司法書士や弁護士を使って貸金業者に返還請求をしようという動きが出てきたのです。
 

過払い金請求ができる人と時効について

過払い金請求ができる人は、過去にグレーゾーン金利で消費者金融や貸金業者からお金を借りたことがある人ということになります。また、クレジットカードローンやキャッシングでもグレーソーン金利で借りている場合は過払い金請求の対象になります。過払い金返還の時効は10年なので、最後にその業者と取引(借り入れや返済)をした日が10年以前だと請求できなくなる可能性があります。
 

過払い金請求と任意整理

過払い金請求は、これまで説明してきたように法的に見ても正当な行為です。ただし、過去にグレーゾーン金利で借り入れをした人の中には、利息制限法に定められた正当な金利で借り入れたローンについても返せなくなっている人も多いようです。
 
その場合は単に過払い金の請求だけでなく、例えば任意整理で利息をゼロにしてもらうよう司法書士や弁護士を使って交渉するなど、自分自身の債務整理をしなければならなくなります。そして何よりも、こうしたケースでは自分の信用情報に傷がつき、ブラックリストに載ることがあるので注意が必要です。
 
執筆者:浦上登
サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー
 

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