更新日: 2021.01.28 その他暮らし
友人にお金を貸すとき、トラブル回避のためのポイントとは
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よって本稿は決してお金の貸し借りを推奨するものではなく、あくまでトラブル回避の観点から、友人にお金を貸すときに注意すること、お金を返してもらうためにしておくことなどを解説します。
![佐々木達憲](https://financial-field.com/wp/wp-content/uploads/2020/03/437060af81dba09e0844843055b60de4-150x150.jpg.webp)
執筆者:佐々木達憲(ささき たつのり)
京都市役所前法律事務所弁護士
相続・事業承継を中心とした企業支援と交通事故が主要対応領域。弁護士としての法律相談への対応だけでなく、個人投資家兼FPとして、特に米国株投資を中心とした資産運用に関するアドバイスもご提供。京都を中心する関西圏に加え、毎月沖縄へも通っており、沖縄特有の案件も数多く手掛けている。
返すあてがあるのかを確認
お金の貸し借りというのは、法律上は金銭消費貸借契約という契約であり、「当事者の一方が種類、品質および数量の同じ物をもって返還をすることを約して相手方から金銭その他の物を受け取ることによって、その効力を生ずる」ものとなっています(民法587条)。
借りた金額(利息等はいったん考えないものとします)を返すことが契約の内容となるわけですから、貸した金額は返してもらえることが前提です。
よって、その金額を返すあてはどうなっているのか、貸す段階で具体的に突っ込んで確認をしておくべきです。もしも、その想定があやふやであるとしたら、はじめから返すことが現実視されていないものであり、契約の内容に従った返済が履行されない可能性が高くなります。
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期限を定めること
金銭消費貸借契約では期限を定めることが法律上必須とはされていませんが、「当事者が返還の時期を定めなかったときは、貸主は、相当の期間を定めて返還の催告をすることができる」と定められており(民法591条1項)、貸主は「〇月〇日までに返してくれ」と改めて返還の催告をしなければなりません。
契約の当初から返還の期日を定めておいた場合は、自動的に借主はその返還期日に返すことが決まっていますので、貸主としては改めての催告をしなくても、ただちに返してもらうことが請求できます。
書面を作成すること
トラブルを回避するために何よりも大切なことは、契約内容について書面を取り交わしておくことです。貸主が借主にいくら貸したか、借主は貸主にそれをいつまでに返済する必要があるのか、しっかりと書面にて取り交わし、互いの署名をして相互にその書面を持ち合っておくことが大切です。
メールやLINEのやりとりだけでは、貸し借りの事実を証明する証拠として不充分な場合も多く見受けられますので、やはり確かな借用証書を作成するのが、しっかりとした証拠を残すことになります。
しっかりと書面に残しておくことは、結果として借主の保護にもつながります。自分がいついくら借りていつまでにいくら返さなければならないのか、書面に残しておけば貸主との間で思い違い等を原因としたトラブルの回避に役立ちます。また、借主としても書面に残しておくことでより一層しっかりと返さなければならないと身が引き締まるはずです。
友人同士で何もそこまで……と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、友人同士であるからこそ、契約の内容について齟齬(そご)や誤解が生じて関係が壊れてしまわないよう、しっかりと書面を取り交わしておくことが必要となります。
執筆者:佐々木達憲
京都市役所前法律事務所弁護士