大学受験前に知っておきたい、子どもへの仕送りの必要額は?
配信日: 2021.02.26
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
学生の生活費ってどれくらい必要?
全国大学生活協同組合連合会が2019年に実施した「第55回学生生活実態調査 概要報告」によれば、一般的な大学生の1人暮らしにおいて、学費とは別に毎月12万円から13万円程度の生活費が必要となるようです。多くの学生は家賃や食費、光熱費や交際費などをここから支出していくことになります。
生活費の内訳は??
仮に1ヶ月の生活費を12万円から13万円程度と仮定したとき、その内訳は下記のようになります。
家賃 | 5万3930円 |
食費 | 2万6390円 |
教養娯楽費 | 1万2870円 |
日常費 | 7620円 |
交通費 | 4070円 |
書籍費・勉学費 | 3760円 |
貯蓄・繰越 | 1万3470円 |
その他 | 6980円 |
合計 | 12万9090円 |
※全国大学生活協同組合連合会 「第55回学生生活実態調査 概要報告」を基に筆者作成
上記の他、就活の時期になれば交通費やリクルートスーツ代といった臨時の支出が増えることも想定されますが、そういった場合は「貯蓄・繰越」や「その他」などから対応していくことが理想になります。
仕送りの平均額は?
前述の学生生活実態調査によると、下宿で1人暮らしをしている学生の仕送りの平均額は月7万2810円でした。ただ、この仕送りのみでは到底生活できません。同調査において1人暮らしの学生の1ヶ月の収入は、仕送りを含めて12万9860円であり、多くの学生は不足する5万7000円ほどをアルバイトや奨学金で賄っているようです。
仕送りはどれくらいすべき? 0円も可能?
仕送りを0円とすること自体は不可能ではありません。奨学金を利用したり、アルバイトで生活費を稼げるのであれば、仕送りがなくとも生活していくことができます。事実、学生生活実態調査では約7%と、ごく少数ではあるものの仕送り0円で生計を立てている学生は存在しています。
しかし、奨学金は後々返済しなければならないもので、金額次第では卒業後の子どもにとって非常に大きな負担となります。また、アルバイトで生活費全額を賄うとなると、アルバイト中心の毎日となり、学生としての本分を全うすることが難しくなります。
こういった観点から考えると、最低限の仕送りは生活費の4割以上、可能であれば7割から8割程度は必要といえるでしょう。
1人暮らしを始めるなら初期費用も
毎月の仕送り以外にも考えたいのが、1人暮らしを始めるときの初期費用です。初期費用としては賃貸物件の契約料だけでなく、家具や家電の購入費、引っ越し費用などがかかります。
例えば家賃6万円のアパートに入居したと仮定すると、大ざっぱに見積もって下記のように合計50万円近くの費用が生じます。
敷金 | 6万円 |
礼金 | 6万円 |
仲介手数料 | 6万円 |
前払い家賃 | 6万円 |
入居月の日割り家賃 | 入居月の残日数によって最大6万円 |
火災保険料 | 2万円 |
鍵交換代・その他 | 2万円 |
引っ越し費用 | 8万円から10万円 |
家具・家電代 | 10万円 |
合計 | 46万円~54万円 |
※筆者作成
1人暮らしの大学生への仕送りは7万円が目安
1人暮らしの大学生の平均仕送り額は、約7万円のようです。それに加えて、1人暮らしには初期費用も発生します。ただ、今回紹介した数値は、あくまでも平均値や仮定により試算したデータです。
子どもが進学する地域によっては、平均の仕送り額より高くなることもあれば低くなることもあります。仕送り額は家計の状況に応じて無理のない範囲で決め、不足分は奨学金で補ったり、住居費が少なく済む学生寮を利用したりするなど、工夫して工面するとよいでしょう。
出典
全国大学生活協同組合連合会 第55回学生生活実態調査 概要報告
執筆者:柘植輝
行政書士