公開日:2019.11.26 暮らし

奨学金の繰上返済って本当にお得? こんな人は繰り上げを検討しよう

専門学校や大学・短大などへの進学率が8割を超えており(※1)、奨学金の利用者も増えています。奨学金にもいろいろな種類がありますが、今回は利用者の多い日本学生支援機構の奨学金について理解していきましょう。
 
※JASSOの奨学金の場合、正しくは『返還』ですが、本記事では『返済」と記載いたします。
 
柴田千青

執筆者:

執筆者:柴田千青(しばた ちはる)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者

2級DCプランナー/精神保健福祉士/キッズ・マネー・ステーション認定講師/終活アドバイザー

小美玉市教育委員
出産を機にメーカーの技術職から転身。自身の資産管理や相続対策からお金の知識の重要性を知り、保険などの商品を売らないFPとして独立。次世代に伝えるための金銭教育活動とともに、セミナー講師・WEB記事を中心とした執筆・個別相談などを行う。

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柴田千青

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執筆者:柴田千青(しばた ちはる)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者

2級DCプランナー/精神保健福祉士/キッズ・マネー・ステーション認定講師/終活アドバイザー

小美玉市教育委員
出産を機にメーカーの技術職から転身。自身の資産管理や相続対策からお金の知識の重要性を知り、保険などの商品を売らないFPとして独立。次世代に伝えるための金銭教育活動とともに、セミナー講師・WEB記事を中心とした執筆・個別相談などを行う。

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奨学金の繰り上げ返済ってなに?

日本学生支援機構(JASSO)の奨学金には、返す必要のない給付型と、卒業後に返済していく必要のある貸与型があります。平成29年度にJASSO奨学金の貸与を受けた学生は129万人にも達し、大学等の学生2.7人に1人がこの奨学金を利用していることになります(※2)。
 
当然のことながら、貸与型の奨学金は貸与終了後には返済していくことになりますが、それぞれの月の返済期日を待たずに、いつでも繰り上げて返済することができます。
 

奨学金の繰り上げ返済のメリット

貸与型の奨学金には、利息のつかない第1種奨学金と、利息のつく第2種奨学金とがあります。利息がつく第2種奨学金の場合には、貸与された元金と残額に応じた利息を合わせた上で、月々や増額月の返済額があらかじめ一定に設定された定額返済方式です。
 
この利息がつく第2種奨学金を繰り上げ返済すると、返済期日が来ていない繰り上げ分についてはその期間に払う予定だった利息を払う必要がなくなります。その分の総返済総額が少なくなるのです。
 

奨学金の繰り上げ返済をする方法

繰り上げ返済の申し込みは、インターネットを利用した「スカラネット・パーソナル」が基本になります。
 
ただし、スカラネット・パーソナルによる申し込みは返済口座の登録が必要で、これを利用できない場合は郵送やFAX、または電話による申し込みになります(※3)。利息の有無で繰り上げ返済する額が異なってくるので、第1種と第2種での違いを次に挙げます。

<第1種奨学金>

第1種奨学金の場合、利息がつかないので、月々に返済しているのは元金分だけです。そのため、繰り上げ返済するときもその期間分の返済額の合計額と同じとなり、繰り上げた分の返済期間が短縮されるだけです。

<第2種奨学金>

第2種奨学金の場合、月々の返済額にはそのときの残金に応じた利息が含まれています。繰り上げ返済した額は元金部分に充てられ、期限が到来していない分はその期間の利息の支払いが必要ありません。そのため、繰り上げ返済で支払う額は、その期間の返済予定だった額の合計より、利息分が少なくなります(※4)。
 
申し込むときは、「何回分を繰り上げ返済するか(A)」または「上限いくらで繰り上げ返済するか(B)」の希望内容に応じて算出された額が、返済口座から引き落とされます。Bの場合は希望金額に近くなる繰り上げ返済回数を機構側で計算し設定することになります。
 
なお繰り上げ返済した回数分、返済期間が短縮されるのは第1種と同じです。
 

Q&A

Q 繰り上げ返済の申し込みはいつでもできる?
A 繰り上げ返済の申し込みは貸与終了後、いつでも可能です。ただし、返済が始まるまでの半年の間は据え置き期間となり、繰り上げ返済した場合でもこの据え置き期間の利息はかかってきます。据え置き期間中は、繰り上げ返済の申し込みを早くしてもその間の利息を減らす効果は得られません。
 
Q 繰り上げ返済したらその分休むことは可能?
A 繰り上げ返済後は、その回数分が期間短縮されるだけです。翌月からも通常通り返済は続けていくことになるので、繰り上げ返済したからと言って、その期間分を休むことができるわけではありません。
 
Q 繰り上げ返済をした場合としない場合とでは、どのぐらい返済総額が変わりますか?
A 例として、借用金額120万円で年利率1.9333333%の月賦返済だと、毎月9423円の144回払いです。
 
もし33回目まで払込済で34~43回の10回分繰り上げると、その月の支払額は34回目(当月分)の9423円と35~43回目(繰り上げ分)の元金と据置利息分の7万1620円の合計で8万1043円です。通常返済した場合のその期間の支払合計額は9万4230円なので、10回分の繰り上げで返済額が1万3187円減ります。
 
返済額に占める利息の割合は返済のタイミングが早いほど大きいので、繰り上げを早めに行うほど返済総額は少なくなります(※4)。
 

まとめ

利息の有無でメリットは異なりますが、利息がかかる第2種奨学金を借りている人は返済総額を減らすことができるので、可能なら繰り上げ返済をした方がよいでしょう。
 
利息のかからない第1種奨学金なら返済額は変わらず、繰り上げ返済してもお得とは言えないかもしれません。ただし将来的に住宅ローン等を借りる際に影響しないよう、繰り上げ返済して早めに返し終えるということは検討してもよいかもしれません。
 
出典
(※1)文部科学省 平成30年度学校基本調査(確定値)の公表について
(※2)独立行政法人日本学生支援機構 「奨学金事業への理解を深めていただくために〔報道等を見て関心を持たれた皆様に向けたデータ・ファクト集〕」 P.9~10
(※3)独立行政法人 日本学生支援機構 繰上返済の申込方法
(※4)独立行政法人 日本学生支援機構 繰上返済例
 
執筆者:柴田千青
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者

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