そこでこの記事では、住宅ローンの借り換えについてよく知りたい方に向けて、概要やメリット・デメリット、借り換えの検討に適した条件やタイミング、借り換えの流れなど、基本的な情報をまとめました。
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監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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目次
住宅ローンの借り換えとは
住宅ローンの借り換えとは、新たに住宅ローンを組み直して、もとの住宅ローンを一括で返済することです。
毎月の返済額や総返済額の削減を目的に、借り換え前よりも金利が低いローンに組み換えるのが一般的です。
【関連記事】
手遅れになる前に!住宅ローンの借り換えを検討する5つのタイミングとは?
住宅ローン借り換えが効果的な条件は?
返済額の削減を目的に住宅ローンの借り換えを行う場合、効果が出やすいとされる条件は次の3つです。
2.残りのローン期間が10年以上ある
3.ローン残高が1000万円以上ある
上記すべてに当てはまる場合、住宅ローンの乗り換えにともなうメリットは大きいといえるでしょう。
住宅ローン借り換えのタイミングは?
住宅ローン借り換えに適しているのは、以下のようなタイミングです。
見直しや優遇期間の終了で金利が上がったとき
住宅ローンには、定期的に金利の見直しが行われるものがあります。見直し後に金利が上がった場合は、借り換えを検討してもいいでしょう。より低金利な住宅ローンに借り換えることで、金利上昇による返済金額の増加を回避できます。
また、当初固定金利の優遇期間終了にともなう利率の変更があった際も、借り換えを検討するタイミングだといえます。
現在より条件のいい金融機関、商品に出会ったとき
住宅ローンを契約して年数がたつと、経済政策や市場情勢が変化し、それにともない住宅ローン商品の傾向も変わります。そのため、契約時には最良の条件で組んだつもりの住宅ローンでも、より条件の良い住宅ローンに出会うことは珍しくありません。
金利だけでなく団体信用生命保険の保障内容なども時代とともに変化しているため、ニーズに合う商品があれば借り換えを検討してみるといいでしょう。
収入が下がる前や転職前
住宅ローン借り換えの際には新規借入の時と同様に審査があり、収入や勤め先、勤続年数に変化があると審査に通らないことがあります。そのため、先々の収入や就業状況の変化を見越して借り換えを検討しているなら、状況が変わる前に早めに手続きする方が無難だといえます。
住宅ローンの借り換えは同じ銀行でできる?
住宅ローンの借り換えは、同じ金融機関ではできないのが一般的です。
しかし、一部の金融機関では、同機関で取り扱いのある別の住宅ローン商品への金利タイプ変更ができる場合があります。
現在の借入先で金利の条件変更をしたい場合は、可能な商品があるかどうか、問い合わせてみるといいでしょう。
住宅ローン借り換えの流れ
住宅ローン借り換え手続きの一般的な流れは、金融機関によって細かい違いはありますが、おおよそ次のとおりです。新規借入時とは異なり、現在住宅ローンを借り入れている金融機関とのやり取りも発生します。
- ①事前審査の申し込み
- ②正式審査の申し込み
- ③現在住宅ローンを借りている金融機関との全額繰上返済(完済)手続き
- ④契約手続き
- ⑤もとの住宅ローンの完済と登記申請
①事前審査の申し込み
正式な審査の前に事前審査が行われます。店頭で申し込みができるほか、webで申し込みを受け付けている金融機関も増えています。
②正式審査の申し込み
事前審査を通過したら、正式な審査に申し込みます。このときには、本人確認書類や収入証明書類などの必要書類の提出が必要です。
③現在住宅ローンを借りている金融機関との全額繰上返済(完済)手続き
正式審査を通過したら、現在の借入先金融機関に全額繰上返済を申し出、完済日の決定や必要金額の確認などを行います。
④契約手続き
店頭またはwebを介して、借換先の金融機関から新たに住宅ローンを借り入れる手続きを行います。
⑤もとの住宅ローンの完済と登記申請
借換先金融機関からの入金と同時にもとの住宅ローンの完済手続きをし、抵当権抹消登記および借換先金融機関の抵当権設定登記を申請します。登記申請は司法書士が行うのが一般的です。
住宅ローン借り換えのメリット
住宅ローンを借り換えることで、返済額だけでなく、返済期間や金利タイプ、保証内容などさまざまな条件を、より自身の家計やライフスタイルに合ったものに変更できる可能性があります。以下でくわしくみていきましょう。
返済額の減額や返済期間の短縮ができる
住宅ローンを金利の低いものに借り換えることで、住宅ローンの返済金額を減額することができます。また、月々の返済額を増やさずに、返済期間を短縮したりボーナス返済をなくしたりと、返済条件を調整することも可能です。
また、一部の金融機関では、条件を満たせば借り換えによって返済期間を延長できる場合があります。
長期固定金利への切り替えができる
住宅ローンを借り換えるタイミングで、全期間固定金利や10年、20年といった長期固定金利に切り替えることができます。現在の住宅ローンが変動金利で、金利上昇のリスクに不安を抱いている方は、選択肢に加えるといいでしょう。
より充実した保障内容に変えられる
住宅ローンに付帯している団体信用生命保険(団信)は、通常、返済期間中に内容を変更することができません。しかし、住宅ローンを借り換えると、団信をより保障の厚いものにすることも可能になります。
最近の住宅ローンでは、死亡時だけでなくがん診断時や就業不能時にも保障されるなど、古い住宅ローンと比べて保障の幅が広い団信が用意されている商品が増えています。万が一のリスクに備えるために団信の内容も含めて借換先を選ぶというのも、借り換えのひとつの活用方法です。
リフォーム資金の金利を抑えられる
自宅のリフォームのタイミングがきている場合は、リフォーム資金を含めた借り換えを検討するとお得です。
住宅ローン借換時には、リフォーム資金を上乗せすることができます。リフォーム資金単体でローンを組むと多くの場合金利は2%を超えます。しかし、住宅ローンと一本化して借り入れると住宅ローンの金利が適用されるため、低い利率で借り入れることが可能なのです。
住宅ローン借り換えのデメリット
住宅ローンの借り換えはメリットが多い一方で、以下のようなデメリットもあります。
諸費用(手数料など)が発生する
住宅ローンの借換時には、手数料や保証料、登記費用などの諸費用が発生します。金利や借入金額、返済期間などの条件によっては、借り換えによって減額できる金額よりも、諸費用の方が高くなる可能性もあります。
審査・契約手続きの手間がある
住宅ローンの借り換えを申し込むと、新規申込時と同様に審査を経て契約などの手続きを踏まなければなりません。必要書類をそろえたり店頭に出向いてやりとりしたりといった手間があるため、煩わしさを感じる方も多いでしょう。
住宅ローン借り換えの相談先は?
住宅ローンの借り換えについて分からないことがある場合、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談するとアドバイスをもらうことができます。また、各金融機関もフリーダイヤルやインターネットの相談フォーム、店頭などさまざまなかたちで相談窓口を設けているため、ある程度借換先を絞ったら、問い合わせてみるといいでしょう。
また、金融機関の多くはホームページなどで、住宅ローンの借り換え後の返済についてシミュレーションできるツールを提供しています。フォームに条件を入力するだけで借り換え後の試算や借り換え前との比較ができるため、検討の際に活用してみてください。
借り換えを賢く活用すれば住宅ローンの負担は軽くなる
住宅ローンの借り換えは、返済の負担を軽減するための手段のひとつです。また、金利タイプの変更や保障内容の強化ができるという側面もあり、メリットが多い手段だといえるでしょう。
ただしメリットばかりではなく、新たに手続き費用が発生することや融資までの手間がかかるなどのデメリットも存在します。住宅ローン借り換えの必要性を感じたら、現在の住宅ローンの条件や返済状況を踏まえて、より自身のニーズに合う商品を見極めて借り換えを実行することが大切です。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:新井智美
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