更新日: 2021.03.25 住宅ローン

定年退職時、どうする住宅ローン?

執筆者 : 大泉稔

定年退職時、どうする住宅ローン?
定年退職時に、もし住宅ローンが残っていたとしたらどうしますか?また、退職金などのまとまった現金がある場合、その使い道はどうしますか?
 
本稿では、「定年退職」「退職金あり」「定年後、会社に残らない」「住宅ローンあり」と、共通するワードがいくつもある2人が、例として登場します。2人の違いは「住宅ローンに対する考え方」、ただ1つだけです。
 
しかし、この1つの違いこそが、2人の老後の大きな違いになる、そんなお話です。
大泉稔

執筆者:大泉稔(おおいずみ みのる)

株式会社fpANSWER代表取締役

専門学校東京スクールオブビジネス非常勤講師
明星大学卒業、放送大学大学院在学。
刑務所職員、電鉄系タクシー会社事故係、社会保険庁ねんきん電話相談員、独立系FP会社役員、保険代理店役員を経て現在に至っています。講師や執筆者として広く情報発信する機会もありますが、最近では個別にご相談を頂く機会が増えてきました。ご相談を頂く属性と内容は、65歳以上のリタイアメント層と30〜50歳代の独身女性からは、生命保険や投資、それに不動産。また20〜30歳代の若年経営者からは、生命保険や損害保険、それにリーガル関連。趣味はスポーツジム、箱根の温泉巡り、そして株式投資。最近はアメリカ株にはまっています。

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Aさんの場合

Aさんが組んでいた住宅ローンは、70歳で払い込みを完了するプランでした。そしてAさんの勤めていた会社では、60歳で定年退職後、1年契約の嘱託社員として最長70歳まで働くことができます。つまり、住宅ローンの払い込みが完了する年齢まで勤めることができます。
 
ところがAさんは、60歳の定年退職の時に退職金を受け取るとともに、嘱託社員として残ることはなく会社を去りました。定年退職後は再就職することもなく、退職金を取り崩しながら「公的年金の繰上げ受給をしなくちゃいけないかな」と考えるようになりました。
 
さて、Aさんは残りの住宅ローンの支払いをどのように行ったのでしょう。
 
実はAさん、定年退職の3年前に住宅ローンの借り換えを行い、返済完了時期をなんと80歳まで延ばしていたのです。しかし、この住宅ローンの借り換えによって、毎月の返済額を借り換え前の6割ほどに抑えることができました。このようなことから、退職金で住宅ローンの繰上げ完済を行うことは考えていませんでした。
 
ところが、程なく転機が訪れます。定年退職後に久しぶりに再会した友人と意気投合。退職金を元手に、友人とともに会社をたち上げ、3年ほどで軌道に乗せました。このことから、「公的年金は70歳まで繰下げてもよいかな」と、考えを変えました。
 

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Bさんの場合

Bさんが組んでいた住宅ローンは、75歳で払い込みを完了するプランでした。Bさんの勤めていた会社でも、60歳で定年退職後、最長で70歳まで嘱託社員として働くことができます。もし70歳まで働いたとしても、住宅ローンの払い込みが完了する年齢には5年ほど足りません。
 
しかし、BさんもAさんと同じく、60歳の定年退職の時に退職金を受け取り、嘱託社員として残ることはなく会社を去りました。
 
ここで、Bさんは住宅ローンについてAさんとは異なる行動をとります。
Bさんは退職金の入金を確認すると、その足で銀行に出かけ、住宅ローンの繰上げ完済の手続きを行いました。この手続きにより、Bさんの住宅ローンはなくなりましたが、同時に退職金もなくなってしまいました。
 
さて、その後のBさんは、再就職の誘いも断り、繰上げ受給の公的年金と企業年金で奥さまとともに老後を過ごしていました。
 
しかし、Bさんが67歳の時に転機が訪れます。Bさんは胃がんを患ってしまったのです。奥さまの懸命な看病のかいもなく、Bさんは69歳で天国へと逝ってしまいました。
 

まとめに代えて

本稿に登場したAさんとBさんの話は、実話に基づいたフィクションです。
 
2人の違いは「住宅ローンに対する考え方」だけなのです。しかし、住宅はやはり「人生最大の買い物」というだけであって、この1点の違いにより2人の老後の形は異なります。
 
Aさんは、若い頃から「住宅ローンは墓場まで持っていくことができる」が口癖だったようです。そして、その口癖を体現するかのように、定年に近い57歳で借り換えを行い、返済期間を10年も延ばしています。
 
一方の、Bさんはというと「住宅ローンとは借金であり、貸借対照表の負債だ。負債は『負う』に、『人偏』に『責める』と書くくらいに、とても嫌なものだ」という考え方の持ち主であり、「住宅ローンを1日も早く完済したい」が若い頃からの口癖だったようです。
 
2人の「住宅ローンに対する考え方(と性格)」の違いが、2人の老後の過ごし方を大きく異なるものにしましたね。
 
一見、Aさんのほうがよい判断をしたように思われますが、それは結果論でしょう。
 
Aさんは老後に、「退職金を温存していたからこそ、迷うことなくチャンスをものにできた」と言っていたようですが、もし起業に失敗していたら……。退職金を減らすだけでなく、80歳まで延ばした住宅ローンが生活を圧迫していたかもしれません。
 
もしBさんが退職金で住宅ローンの繰上げ完済を行っていなければ、Bさんの死後、住宅ローンに付いている団信によって、退職金を残したまま、住宅ローンの繰上げ完済ができたかもしれません。
 
しかし、Bさんの判断は決して誤りではありません。Bさんは「住宅ローンが1円でも残っているあいだは、家はわが資産とは言い難い」とも言っていたようです。Bさんにとっては「住まいを自身の資産と、胸を張っていうことができる」ための、住宅ローンの繰上げ完済であり、Bさんにとっては必要な選択だったのかもしれません。
 
人生なにが起こるかわかりません。住宅ローンを組む際、返済が定年退職時期になる場合には、退職後の返済計画もしっかり考える必要があります。また、実際にローン返済中に定年退職を迎えるという状況になった時、自分や夫婦の老後を見据えたうえで、返済の仕方についてよく検討することをおすすめします。
 
執筆者:大泉稔
株式会社fpANSWER代表取締役

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