住宅ローンが返せるか不安になったら、どうすればいい？

抵当権という言葉、なじみがないかもしれませんが、実は住宅ローンを利用している場合、その不動産に設定されているものです。差し押さえ、というとイメージがわきやすいかもしれません。
 
ローンの返済に不安を抱えている方、これからマイホーム購入でローンを組もうと思っている方は、もしも返済ができなくなったときの流れを知っておきましょう。

住宅購入、住宅ローン利用時に行う登記

住宅を購入し、さらに住宅ローンを組むとき、いろいろと諸費用がかかりますよね。印紙代、税金、登記関係の費用、司法書士への報酬、火災保険、地震保険、借り入れる銀行への手数料など、たくさんの説明を受けて、それらもろもろに対する費用を支払います。
 
登記関係とは、土地の所有権移転登記、建物の所有権保存登記、建物表示登記、そして抵当権設定登記です。住宅ローンを利用すると、その不動産に抵当権が設定されているのが一般的なのです。
 

抵当権とは

住宅ローンを組んで家を購入する場合、債権者（借入先の銀行）が貸金などの担保として借り手側の不動産に設定する権利が抵当権です。
 
もしも、ローンが返済されなくなった場合、銀行はその権利を行使し、不動産の競売を申し立て、競売代金から優先的に融資した額の回収ができる仕組みになっています。
 

住宅ローンの返済が難しくなったら

まずは借入先の銀行に相談しましょう。現在はコロナ禍の影響もあり、事情が考慮された場合は一時的に返済を猶予してくれるなど、どの金融機関も柔軟な対応をしています。また、その月の返済額の一部だけでも返済することで返済継続の意思を示し、理由のない滞納、延納を避けることができます。
 
ローンの返済が難しい場合は返済計画の見直しを行い、月の返済額を減らしたり、返済期間を延ばすなどして、当面は乗り切ることも可能となるはずです。
 

競売にかけられるまでの流れを把握しておく

上記のとおり、住宅ローンの返済が難しくなったからといって、すぐに立ち退かなくてはならない状況には、まずなり得ません。住宅ローンの抵当権が実行される場合の進行例を見ておきましょう。
 

• （1）ローンの滞納、延納
• （2）返済計画の見直し
• （3）再びの滞納、延納
• （4）保証会社が代位弁済
• （5）保証会社からの全額弁済の督促
• （6）抵当権の実行（差し押さえ）
• （7）競売にかけられる

 

賃貸でお住まいの方も無関係ではない？！

賃貸物件であっても、それ自体に抵当権が付いている場合には注意が必要です。
 
アパートなどに入居したとき、すでにその物件に抵当権が付いていて、入居中の建物が競売にかけられたら、そしてもし落札者に退去するようにいわれたら、一部の例外を除き、建物に賃貸で住んでいる人は落札した人が買い受けたあと、半年以内に退去しなければいけないことになっています。
 
出典
金融庁　新型コロナウイルス感染症の影響で、 個人や個人事業主の方で住宅ローンや事業性ローンなどの返済にお困りではありませんか？
NHK 解説委員室　「コロナでローンが返せない！　減免制度スタート」（くらし☆解説）
法務局　抵当権設定登記申請書
 
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部