年収600万円で都内在住の人は、どのくらいのローンを組んでいるの?
配信日: 2022.06.22
今回は、家計の金融行動に関する世論調査を参考に、年収600万円の都内在住の人が、どれくらいローンを組んでいるのか考えてみます。
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
ローンを組んでいる人はどれくらい?
金融広報中央委員会の「家計の金融行動調査」(2021年)によれば、2人以上世帯の世帯年収500~750万円未満の方において、「借入金がある」と答えた世帯の割合は25.3%でした。また、関東在住者において借入金があると答えた方の割合は19.6%でした。
単身者に限っていえば、同世帯年収で「借入金がある」と答えたのは21%であり、関東在住者に限っていえば、16%でした。
ここから考えると、家族構成にもよりますが、年収600万円で都内在住の人の16%から30%くらいの人は、何かしらのローンを有しているといえそうです。
ローンの残額はどれくらい?
先の設問に続き、借入金があると答えた方のうち、その借入金の残額の平均は、2人以上世帯の世帯年収500~750万円未満の世帯において平均1653万円、中央値で1500万円となるようです。関東在住者に限っていえば、平均1595万円、中央値1300万円となるようです。
特徴的なのは、平均値と中央値が、後述する単身者と比較してズレが少ない点です。借入金があると答えた世帯は、ある程度同じような用途のためにローンを組んでいることが想定できます。
対して、単身者世帯においては平均が1267万円、中央値で530万円でした。関東在住者に限っていえば、平均が911万円、中央値が110万円でした。2人以上の世帯と比較すると、平均値と中央値の差がかなり大きくなっています。
ここから想定すると、東京都内で年収600万円でローンを組んでいる方は、2人以上の世帯で1300万円程度、単身者で110万円程度となりそうです。
ローンの使い道は?
借入金の有無やおおよその金額が推測できたところで、次に気になるのは借入金の使い道です。
借入金の目的について、年収500万円から750万円の2人以上の世帯では、55.2%の方が住宅の取得や増改築のための資金と答えており、続いて日常の生活費が16.8%、耐久消費財の購入資金が12.8%、子どもの教育・結婚資金が9.9%と、家族生活や子どもの教育費のためにローンを組んでいることが分かります。
単身世帯におけるローンの使い道は、住宅の取得や増改築のための資金、日常の生活資金、旅行・レジャーの資金が同率で23.8%、続いて耐久消費財が19%となっています。2人以上の世帯にはなかった、旅行レジャー資金が入っているのが特徴的で、単身者世帯においては娯楽など、ある程度自分のためにローンを組んでいると想定できます。
ローンを組む際の注意点は?
ローンを組む際は、自身の返済に無理のない範囲とすることが大切です。同じ年収、同じ居住地域であっても支出の金額や内訳などが、個人個人で異なるからです。
同じ年収の人がこれくらいの金額でローンを組んでいるからと考えて安易にローンを組むと、返済が家計を圧迫して、最悪の場合返済が滞ってしまう恐れもあります。
まとめ
単身世帯か2人以上の世帯かにもよりますが、都内在住で年収600万円の方は、110~1300万円程度は、何らかのローンを抱えていると考えられます。
都内在住の方でローンについて悩んでいる方は、今回のデータを参考に、目的に応じてローンを組むべきかどうか、そして自身の収支に照らし合わせて無理なく返済できる金額になっているか、しっかり考えて実行するようにしてください。
出典
金融広報中央委員会 知るぽると 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)
金融広報中央委員会 知るぽると 家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和3年)
執筆者:柘植輝
行政書士