更新日: 2024.07.10 教育ローン
子どもが理系なので私立大学なら400~500万は必要です。教育ローンを「子どもと一緒に返済」って、できませんか?
教育ローンを借りて子どもと返済の負担を分担することは、果たして可能なのでしょうか。本記事では、教育ローンを子どもと返済できるのかどうかや、教育費の負担を子どもと分割する方法を解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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教育ローンは親が借りて親が返済するのが一般的
教育ローンといえども融資であるため、返済能力がなければ借りられません。そのため、借り入れの条件として「成人していること」「安定した収入があること」を求めているものが一般的です。
これは国の教育ローンも同様で、たとえ社会人からの大学入学であったとしても、学業に専念することで収入が途絶えるのであれば、学生本人は申し込めないとしています。大学受験をする高校生の場合、安定して収入を得ている人は少ないでしょう。必然的に保護者の名義で借り入れをすることになります。
また、保護者の名義で借りた教育ローンを子どもが返済すると、子どもが負担した金額によっては贈与税の対象となる可能性があります。保護者名義の教育ローンを子どもと一緒に返済することは、避けたほうが無難です。
学生本人が借りて返済する「奨学金」
学生本人が、自分の名義で進学・在学資金を借り入れるのが「奨学金」です。奨学金には、返済が必要な貸与奨学金と返済不要で入学金の減免とセットの給付奨学金があり、さらに貸与奨学金には無利子の第一種と有利子の第二種があります。
第一種奨学金を借りられれば、利子を負担しなくてよいため、教育ローンの利用時と比べて返済額をおさえることが可能です。また、返済は卒業後にスタートし、有利子の場合も在学中は利子が発生しません。在学中は返済を気にせず、学業に専念できるメリットがあります。
ただし有利子の奨学金は、卒業して奨学金の貸与が終了するまでは利率が分かりません(上限3%)。想定よりも高い利率での返済になる可能性がある点には留意が必要です。教育ローンと奨学金の主な違いを、図表1にまとめました。
【図表1】
教育ローン | 奨学金 | |
---|---|---|
名義人 | 原則として保護者 | 学生本人 |
申し込み時期・窓口 | いつでも・各金融機関 | 募集時期のみ・在学中の学校 |
受け取り方 | 一括または分割 | 毎月 |
返済時期・期間 | 借り入れの翌月から・商品による | 卒業後から・最長20年間 |
金利 | 商品による(奨学金より高い傾向) | 0~3.0%(貸与終了時に決定) |
日本学生支援機構ホームページ、政府広報オンライン「お子さんの進学・在学資金を支援!国の教育ローンをご利用ください」をもとに筆者作成
学生ローンと奨学金は併用できる!
貸与奨学金の借り入れ名義は学生本人なので、返済をするのも学生本人です。教育ローンと奨学金は併用ができるため、親子で返済の負担を分担したい場合は、併用を検討するとよいでしょう。
ただし、教育ローンには各金融機関が定める審査基準があり、奨学金にも学力基準と家計基準が設けられています。各審査を通過しなければ借り入れができないため、借り入れできなかった場合の対応も想定しておきましょう。
また、奨学金は子ども本人が返済するため、卒業後の収入の状況によっては、重い負担が長期間続く可能性があります。将来子どもがどのくらいの収入を得られるのかは、借り入れ時点では未知数です。その点も踏まえて、教育ローンとの借入額のバランスを考えることが大切です。
利用条件に当てはまる場合は、給付奨学金の利用を第一に検討するとよいでしょう。
教育ローンと奨学金の併用で返済負担を分担しよう
教育ローンは原則として保護者名義で借りるものであり、返済も名義人自身が行う必要があります。教育資金のための借り入れを子どもと一緒に返済したい場合は、教育ローンと奨学金を併用して、それぞれ自分の名義の借り入れを返済していく方法がよいでしょう。
ただし、奨学金の返済は子どもにとって重い負担になる可能性があります。子どもの将来のキャリアプランなども見越して、借り入れのバランスを検討することが大切です。
出典
日本政策金融公庫 よくあるご質問 国の教育ローンのご利用をお考えの方
内閣府 政府広報オンライン お子さんの進学・在学資金を支援!国の教育ローンをご利用ください
独立行政法人日本学生支援機構 奨学金制度の種類と概要
独立行政法人日本学生支援機構 大学 ・ 返還例
独立行政法人日本学生支援機構 第二種奨学金の利率の算定方法の選択
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー