子どもを大学に通わせたいけど金銭的な余裕がない。お金を借りる選択肢として奨学金以外にも、教育ローンや学生ローンがあるけどなにが違うの?

配信日: 2024.11.10

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子どもを大学に通わせたいけど金銭的な余裕がない。お金を借りる選択肢として奨学金以外にも、教育ローンや学生ローンがあるけどなにが違うの?
進学時や在学中、お金が足りないときの選択肢として奨学金や教育ローン、学生ローンなどがあります。ただ、どんな違いがあるのか、どれを選んだらいいのかよくわからないという人も少なくありません。
 
この記事では奨学金、教育ローン、学生ローンそれぞれの違いや特徴、メリット・デメリットを解説します。違いを理解して、自分に合った方法を選びましょう。
馬場愛梨

執筆者:馬場愛梨(ばばえり)

ばばえりFP事務所 代表

自身が過去に「貧困女子」状態でつらい思いをしたことから、お金について猛勉強。銀行・保険・不動産などお金にまつわる業界での勤務を経て、独立。

過去の自分のような、お金や仕事で悩みを抱えつつ毎日がんばる人の良き相談相手となれるよう日々邁進中。むずかしいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えする仕事をしています。平成元年生まれの大阪人。

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奨学金とは? メリット・デメリットは?

奨学金とは、経済的な理由で進学が難しい人などに対し、お金を給付したり貸与したりする制度のことです。日本学生支援機構の奨学金がよく知られていますが、自治体や大学、企業などが独自に運営しているものもあります。
 
特徴は「お金を借りる(貸与)」だけではなく「お金を受け取る(給付)」タイプもあるという点です。
 
給付型の奨学金は、学業成績など一定の基準を満たす人しか利用できないことが多いですが、対象になれば、返済の負担を気にせずに利用できるのがメリットです。また、貸与型でも無金利~年1%台など、後述するローンと比べると金利が低い傾向があります。
 
ただ、奨学金を利用するのは保護者ではなく、あくまで学生自身です。借りた分は社会に出たあとに返済していくことになるため、負担感があり、将来の結婚や住宅購入などの際に足かせになる可能性もあります。また、在学中の成績などによっては奨学金の基準から外れ、利用できなくなるケースもあるので注意が必要です。
 

教育ローンとは? メリット・デメリットは?

教育ローンは、学費など教育を受けるために必要なお金に充当するためのローンを指します。
 
奨学金との大きな違いは契約者(借入人)です。奨学金を借りるのは学生自身ですが、教育ローンを借りるのは保護者です。基本的には「親が子どものために借りるローン」という位置づけです。
 
返済も親が行うので、「子どもに借金を負わせたくない」「金銭的な負担を感じずに過ごしてほしい」といった場合に有効です。奨学金ほど利用の基準が厳しくない点もメリットといえます。ただ、金利は年2.0%~4.0%程度が相場で、奨学金よりも金利が高い傾向があります。
 
公的な融資制度である「国の教育ローン(日本政策金融公庫の教育一般貸付)」のほか、民間の金融機関が提供するローン商品としての「教育ローン」もあります。
 

学生ローンとは? メリット・デメリットは?

学生ローンはその名のとおり、学生を対象としたローンです。学生自身が借りられて、教育資金に限らず使い道が自由という特徴があります。最短即日(融資実行)など比較的スピーディーに少額を借りられることが多いです。
 
ただ、奨学金や国の教育ローンなどと違い、「お金がなくても学べるようにするための支援制度」ではありません。また、まだ社会的信用や収入が比較的少ない学生を対象としているため、学生ローンは教育ローンよりも金利が高いのが一般的です。
 
なかには年15.0~18.0%程度と、リボ払いや消費者金融などと同程度の金利の学生ローンもあります。安易に手を出すと返済が大変になるため、注意が必要です。
 

まとめ

奨学金は学生自身が利用できる制度で、返済不要のものや無金利で利用できるものもあるのが特長です。教育ローンは親が子のために利用するローンで、奨学金より金利が高めですが、柔軟に利用しやすいです。学生ローンは学生自身が利用するローンで、用途が限定されず自由に使えますが、金利は教育ローンより非常に高い傾向にあります。
 
奨学金、教育ローン、学生ローンはそれぞれ併用も可能です。
 
なお、「学資ローン(教育ローン)」や「学費ローン(学生ローン)」など、金融機関ごとに名称が異なってまぎらわしい場合もあります。さらに、同じ名称でも金利や限度額(借りられる金額の上限)などの諸条件が異なるので、必ず内容を確認することが大切です。
 
また、返済のことまで考えて、いつからいつまで、いくらずつ返すことになるか事前にシミュレーションしておくのもおすすめです。正しく理解して、計画的に利用しましょう。
 

出典

独立行政法人日本学生支援機構 奨学金制度の種類と概要
独立行政法人日本学生支援機構 大学・地方公共団体等が行う奨学金制度
独立行政法人日本学生支援機構 平成19年4月以降に奨学生に採用された方の利率
独立行政法人日本学生支援機構 適格認定(学業等)
株式会社日本政策金融公庫 国の教育ローン
 
執筆者:馬場愛梨
ばばえりFP事務所 代表

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