なかなか帰省できなくて、高齢の親が心配… 自治体や民間の「見守りサービス」の内容とは

配信日: 2018.04.25 更新日: 2019.01.10

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なかなか帰省できなくて、高齢の親が心配… 自治体や民間の「見守りサービス」の内容とは
先日ある地域で、複数の老夫婦が同時に死亡していたという奇妙なニュースが報道されていました。
 
いずれも事件性がなく、老々介護もなかったとのこと。老々介護であれば、介護をする人が先に亡くなった場合、介護される人が取り残され死に至るケースもあるようですが、今回はそうでもなさそうです。
 
老親でも夫婦2人で暮らしていれば、安心だと思っていた子供にとってはショッキングなニュースではないでしょうか。離れて暮らす老親のことが心配なら、民間の見守りサービスなどを利用するという方法があります。
 

新美昌也

Text:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/

1人暮らしなら自治体の見守りサービスが利用できる

親の住む自治体によって、見守りサービスの内容は異なります。自治体が発行している、高齢者向けの福祉・生活支援サービスのパンフレットなどで調べてみましょう。
 
民間のサービスと異なり料金は無料、または低料金で利用できます。要介護認定を受けていない、高齢者なども利用できる場合があります。
 
ただし民間のサービスに比べて、利用できる対象者の条件は1人暮らしなど一般的に厳しいですが、条件が合えばぜひ活用したいですね。
 
ある自治体の高齢者向けの、福祉・生活支援サービスを見てみましょう。例えば、緊急通報システムを利用した場合、急病などの緊急事態のときに無線発信機により、民間受信センターを経由して救急車の要請、救援等をしてもらえます。
 
そのほか、安否確認サービスでは定期訪問により安否を確認してもらえます。
 
徘徊対策としては、認知症高齢者が徘徊したときに位置情報がわかる機器をレンタルできます。いずれのサービスも、月額利用料は数百円程度から利用できます。
 
配食サービスは、1人暮らしの高齢者世帯に昼食や夕食を届けるサービスですが、安否確認もかねています。1食400~700円程度です。
 
自治体の高齢者向けの福祉・生活支援サービスには、見守りサービス以外にも、紙おむつ支給、寝具のクリーニング、出張調髪、住宅改修費の助成などさまざまあります。自治体のサービスはあまり広報されていないので、積極的に情報収集することが大切です。
 

民間の見守りサービスを利用する

自治体の見守りサービスに比べ種類が豊富です。利用料は決して安くありませんが、考え方によっては、これで安心が得られれば安いかもしれません。見守り以外のサービスも含めて、主なシニア向けサービスを見てみましょう。
 
●家事全般、歩行、食事の介助、散歩や通院の付き添い、趣味や会話の相手など
1時間4000円程度で利用できます。シルバー人材センターを使用した場合は、1時間1000~1600円程度(いずれも1回2時間以上)で利用できます。
 
●食事の宅配サービス
1食500~600円で自宅まで弁当を届けてくれます。
 
●郵便局員が自宅を訪問し、会話を通じて生活状況を確認、家族に報告してくれるサービス
月1回訪問2700円程度です。
 
●無線通信機を内蔵した、電気ポットを利用した見守りサービス
例えば、契約料5400円、月額利用料3240円などです。電気ポット以外にも、ガスの利用量などセンサーを使ったサービスもあります。
 
●携帯する専用端末による緊急時の通報、担当者の現場急行、GPSによる居場所の確認などのサービス
ある警備会社では、月額利用料972円から利用できます。
 
定期的に電話したり年に数回帰省することで、親の状態を確認できます。しかし、何かあったときにすぐに駆けつけられる距離ではない場合、見守りサービスを利用すれば、日頃の安否確認はもちろん、緊急時に対応してくれるので安心ですね。
 
Text:新美 昌也(にいみ まさや)
ファイナンシャル・プランナー。

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