更新日: 2019.01.10 介護
有料老人ホームより低額で利用できる「ケアハウス」はどんな施設?費用は?
身寄りのない方、家族との同居が困難など家庭の諸事情がある方や身体機能の低下などの理由により、居宅において生活することが不安な60歳以上の方が入居でき、食事その他日常生活上必要なサービスを受けることができます。「介護付き」のケアハウスもありますので要介護者でも安心して暮らせます。
Text:新美昌也(にいみ まさや)
ファイナンシャル・プランナー。
ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
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軽費老人ホーム(ケアハウス)の種類
軽費老人ホームには、A型、B型、C型の3つのタイプがあります。C型がケアハウスです。軽費老人ホームは今後、建て替えや新築をする際にはケアハウスに統一することになっています。A型、B型は新築されません。
軽費A型
収入が一定程度以下で身寄りのない者又は家庭の事情等によって家族との同居が困難な方が対象です。食堂が併設されているので食事の提供があります。
介護職員が配置されています。「居宅」扱いですので、介護サービスを受けるときは外部の介護保険サービスを利用することとなります。居室面積は4畳です。
軽費B型
家庭環境、住宅事情等の理由により居宅において生活することが困難な方が対象(自炊が原則)です。A型から食事サービスを抜き、介護職員も配置されていません。
より住居の比重が大きい施設といえます。A型同様、介護サービスを受けるときは外部の介護保険サービスを利用することとなります。居室面積は10畳(単身)、15畳(夫婦)です。
軽費C型(ケアハウス)は、自炊ができない程度の身体機能の低下等が認められ、又は高齢等のため独立して生活するには不安が認められる方で家族による援助を受けることが困難な方が対象です。一般型と特定施設(介護型)があります。
軽費C型(ケアハウス)【一般型】
60歳以上の方(夫婦の場合はどちらか一方が60歳以上)の方が利用できます。「安心して生活を営める住まい」として、食事その他日常生活上必要な便宜を提供する施設です。
介護職員はA型よりも少なく、必要な介護は外部サービスを利用します。バリアフリーで車いすでの生活や介護サービスが受けやすいです。
要介護度が上がると退去を求められる場合があります。食事は1日3食、食堂で食べることができます。
軽費C型(ケアハウス)【特定施設】
都道府県から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。
「特定施設入居者生活介護」は、「有料老人ホーム、軽費老人ホームなどに入所している要介護認定を受けた利用者に対して、その施設が提供するサービスの内容などを定めた計画(特定施設サービス計画)にもとづいて行われる入浴、排泄、食事等の介護、洗濯、掃除等の家事、生活等に関する相談及び助言、日常生活を送るうえで必要となるサービスをいいます」(厚生労働省)。
つまり、食事・入浴などの支援や生活機能の維持向上のための訓練を受けることができる居宅サービスです。
要介護者が施設の職員から24時間体制で介護の提供を受けることができます(包括型)。包括型では、介護サービス費は要介護度に応じた定額です。居室面積は13畳(単身)、19畳(夫婦)です。
都市型ケアハウス
ケアハウスには都市部に設置された、居室面積が狭く、職員も少ないタイプの施設もあります。居室面積は4.5畳(6.5畳が望ましい)です。
費用の目安
費用は施設ごとに異なります。また、本人や世帯の収入、要介護度(「特定施設」の場合)より異なります。多くの施設では入居時に保証金や入居一時金が必要ですが、「都市型ケアハウス」では保証金は不要です。
軽費A型
6~17万円程度(食事代込み、利用者の収入よって異なる)
軽費B型
3~4万円程度(食事代を含む生活費はすべて実費)
ケアハウス
6~17万円程度(食事代込み、利用者の収入によって異なる)
※ケアハウスの場合、別に居住に要する費用(管理費)として、数千円~3万円程度(月額)必要となる場合もあります。
出典:一般社団法人全国軽費老人ホーム協議会
Text:新美 昌也(にいみ まさや)
ファイナンシャル・プランナー。