65歳以前に退職した場合、年金開始までお金をどう準備する?

配信日: 2021.06.16

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65歳以前に退職した場合、年金開始までお金をどう準備する?
高年齢者雇用安定法の改正により定年が65歳どころか70歳も現実的になるなど働く期間はどんどん長くなってきています。一方で早期に定年退職しゆとりある人生を過ごしたいと考える方も増えています。
 
そこで、65歳よりも前に退職を選択したい方に向け、退職から年金の受給開始までのお金の準備について考えていきます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

生活費はいくらかかる?

まずは毎月生活費がどれだけ必要なのか、目安を確認していきましょう。ライフスタイルにもよりますが、多少定年より早期に退職したとしても、毎月の生活費はおおむね老後の年金生活と同等と考えてもよいでしょう。
 
総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2020年(令和2年)平均結果の概要」によれば、2020年における65歳以上の年金暮らしの夫婦の平均的な生活費は約22万4000円となっています。
 
つまり、早期に定年退職をしたとしても、公的年金受給までの間に毎月22万円から23万円程度の生活費を賄えるお金が準備できればなんとかなりそうです。
 
本検証を基に、60歳から65歳の公的年金支給までの間にかかる費用、約1344万円の金額を準備する方法を考えていきます。
 

貯金

やはり老後資金の最たるものといえば貯金です。流動性が高く、病気やけが、その他突発的な出来事に対しても柔軟に対応できるからです。ただ、貯金はインフレリスクに弱いといった欠点があります。現在日本は2%の物価上昇を目指しており、長期的な預金での保有は実質的な資産価値を目減りさせることになります。
 

iDeCo

老後資金を最も効率良く用意する方法はiDeCoになります。掛け金は全額所得控除となり、運用期間中の利益も非課税、受取時も税制優遇があるまさに老後資金の確保にうってつけの制度です。
 
運用による複利効果も絶大であり、仮に60歳からiDeCoを受け取るために45歳からの15年間、毎月2万円を15年間拠出し続ければ、運用益を含め将来受け取れる総額は約531万8000円と1.5倍近くにまでお金が増加します(運用益5%として試算)。
 
ただし、60歳になるまで受け取ることができない、社会情勢による元本割れリスクという大きな欠点があります。
 

つみたてNISA

iDeCoのように、公的年金の受給開始までの備えとなる制度につみたてNISAがあります。つみたてNISAはiDeCoほど強力な節税効果はないものの、運用益が非課税となるため貯金よりも効率よく資産形成することができます。
 
しかも、いつでも解約して現金化することができるため、iDeCoよりはるかに流動性が高いものになります。ただし、社会情勢による金利や株価の下落により元本割れのリスクがあることや年間40万円までしか積み立てできないことに十分注意してください。
 

投資信託

iDeCoは60歳まで引き出せないのが不安、つみたてNISAでは十分に老後資金が用意できないという場合は投資信託も有効です。投資信託は簡単にいうと節税効果のないつみたてNISAです。つみたてNISAだけでは足りないという場合は投資信託も併用すると良いでしょう。
 

個人年金保険

iDeCoや投資信託は不安が残る、制度が複雑で利用が難しいという場合は個人年金保険を利用してみてください。60歳から65歳の間受け取れるように掛け金を設定しておくことで、年金受給までの生活費の一部として利用できます。
 
しかし、個人年金保険は選ぶ商品によって大きく内容が異なりますし、途中で解約すると大きく元本割れするといったことも起こるため、結局はiDeCoのように実質的な資金拘束や元本割れリスクが存在します。
 

公的年金までの生活費は自助努力で!

早期リタイアすると、公的年金の支給が始まるまでの期間は何かしらの自助努力で賄わなければなりません。ライフスタイルにもよりますが、毎月22万円から23万円程度の生活費が1つの目安になります。
 
自身の生活費を計算し、必要な金額をiDeCoやつみたてNISAなどの預貯金以外の諸制度を併用して用意することで、早期退職後から年金受給開始時までの生活資金を無理なく用意することができます。
 
もし、お金や年金、早期退職など将来について悩みがあればファイナンシャルプランナーに相談してみてください。きっと、あなたに見合った解決策が見つかるはずです。
 
出典
総務省統計局 家計調査報告(家計収支編)2020年(令和2年)平均結果の概要
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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