更新日: 2022.06.07 セカンドライフ
老後を考えると、持ち家と賃貸、どちらがおトク?
今回は、老後に持ち家があることと賃貸住まいであること、それぞれのメリットとデメリットについて解説します。
執筆者:新井智美(あらい ともみ)
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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持ち家のメリット・デメリット
持ち家の場合、どのようなメリットそしてデメリットがあるのでしょうか。
■メリット
持ち家のメリットは、それが資産の1つになることです。住宅ローンを払い終えれば抵当権は抹消されるため、自分だけの意思で売却することも可能です。
また、まとまった資金が必要となった際には、自宅(不動産)を担保とした不動産担保ローンを利用することで、低金利である程度の費用を借り入れできる可能性もあります。
需要があれば、他人に貸し出して賃料を得ることもできるでしょう。このように、資産の1つとしてさまざまなことに活用できる点は、持ち家ならではのメリットといえるでしょう。
■デメリット
持ち家のデメリットは、維持費が発生する点です。毎年支払う固定資産税はもちろんのこと、経年劣化による建物の修繕費などが必要となり、それらの費用をあらかじめ準備しておかなければなりません。
特に老後におけるデメリットとしては、ファミリー向けの住宅を購入していた場合、子どもたちの独立によって部屋を持て余してしまうことになる点が挙げられます。
それに伴って住み替えを考えるならば、売却費用と購入費用の差額によっては、新たな借り入れが必要になることも考えられます。
賃貸のメリット・デメリット
では、賃貸のメリットそしてデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
■メリット
賃貸のメリットは、そのときの状況により、住居を替えることができる点です。また、建物に付属している設備などは大家の持ち物になるため、故障した場合などには自分が負担することなく、修繕してもらえます(故意に破損した場合を除く)。
■デメリット
賃貸のデメリットは、住んでいる限り家賃の支払いが発生することです。また、自分の持ち物ではないため、家の内装を自分好みにリフォームすることもできません。
さらに、高齢になるとさまざまな理由から更新を拒まれるケースがあるという点も、老後において賃貸に住むことのデメリットといえるでしょう。
持ち家を処分する方法にはどのようなものがある?
老後に持ち家を処分する方法としては、主に
・売却する
・リバースモーゲージを利用する
・リースバックを利用する
の3つの選択肢があります。売却後の住まいが確定しているなら、売り急ぐこともなく自分が希望する価格で売却できる可能性は高くなりますが、持ち家の形態(戸建てなど)によっては、建物の取り壊し費用などと相殺され、思ったほど手元に資金が残らない可能性もあります。
リバースモーゲージとは、持ち家を担保に資金を借り、生存中は金利分のみを支払い、自分が亡くなった後は原則として担保としている物件を金融機関に提供する仕組みです。
ただ、リバースモーゲージの対象となる物件は限られているため、利用しにくいというデメリットがあります。リースバックもリバースモーゲージとよく似ていますが、リースバックの場合はいったん持ち家を売却し、その後は賃貸契約を結んでその家に住み続けることができる点が、リバースモーゲージと異なっています。
どちらも持ち家を担保に資金を調達することができ、リースバックは売却時に、リバースモーゲージは自分の亡き後に所有権が他人に移ることから、相続における問題に悩まされずに済み、さらには自宅を担保にして得た資金を自分の好きなことに使える点が魅力となっています。
最近では高齢者向けの賃貸住宅も人気
高齢者が安心して賃貸暮らしができるよう、国が事業者に対して補助を行うことで、高齢の利用者をサポートする制度もあります。
UR都市機構が行っている「高齢者向け優良賃貸住宅」では、高齢者の人が安心して賃貸物件に住むことができるよう、所得基準が一定以下の人に対しては家賃を軽減する措置が設けられています。さらに緊急時対応サービスもあるため、安心して利用することができるでしょう。
まとめ
老後の住まいを持ち家にするか、賃貸にするかについては、その人の状況そしてその後その家をどうしたいかによって異なります。平均寿命が延び、リタイア後の期間が長期化している現在では、老後における生活費に占める住居費の負担は見逃せません。
とはいえ、持ち家の場合、相続上の問題も考えなければなりません。老後においては、自分の亡き後にできるだけ遺(のこ)された人に面倒をかけたくないと考えるのではないでしょうか。
ここで紹介したそれぞれのメリット、そしてデメリットを考えながら、自分にもっとも適した方法をとるようにしましょう。
出典
UR都市機構 高齢者向け賃貸住宅
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員