更新日: 2024.06.04 定年・退職

退職金「2000万円」でキャンピングカーを購入したいという夫。年金「月15万円」と貯蓄「1500万円」で暮らせるか不安です…

退職金「2000万円」でキャンピングカーを購入したいという夫。年金「月15万円」と貯蓄「1500万円」で暮らせるか不安です…
長年勤めた会社を退職すれば、退職金としてまとまった金額を受け取れる場合があります。退職すれば、仕事がなくなった分自由に使える時間が生まれます。
 
その時間を趣味に費やしたいという方もいらっしゃるでしょう。趣味にはお金がかかるため、退職金を趣味に投資したいと考えるかもしれません。
 
例えば「キャンピングカーを買って、老後は日本全国を旅したい」という夢を持っている方もいらっしゃるかもしれません。
 
しかし、退職金を使ってしまうと、その後の生活が不安になるのではないでしょうか。
 
この記事では、退職金2000万円でキャンピングカーを購入した場合、年金月15万円と貯金1500万円で生活していけるのかをご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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退職金を使ってしまっても、年金と貯金で暮らしていける?

退職金を全て趣味に使ってしまった場合、年金と貯金で暮らしていくことは可能でしょうか。月15万円の年金と1500万円の貯金で、何年間生活していけるかを算出してみました。
 
総務省が公表している「家計調査年報(家計収支編)2023年(令和5年)」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の消費支出と非消費支出は合わせて月28万2497円です。
 
月15万円の年金収入があるとしても、月13万2497円は貯金を切り崩して生活していく必要があります。1500万円の貯金は、9年程度でなくなってしまう計算です。65歳で退職したとすると、74歳までしか貯金が持たないことになります。
 
厚生労働省の調査によると、日本人の平均寿命は男性が81. 05年、女性が87. 09年です。平均寿命まで生活するには、男性は約7年分、女性は約13年分の貯金が足りない計算になります。
 
病気で治療費が必要になったり、介護が必要になったりすれば、さらに多額の出費が発生するかもしれません。その場合、もっと早く貯金が底を突くことも考えられるでしょう。
 
キャンピングカーの購入に退職金を全て使ってしまうと、その後の生活費が苦しくなるかもしれません。
 

もしキャンピングカーを手放す場合、いくらで売れる?

「もし貯金が底を突いたら、購入したキャンピングカーを売って生活費に充てよう」と考える方もいらっしゃるかもしれません。中古車販売会社にキャンピングカーを売った場合、どのくらいの価格になるのでしょうか。
 
例えば、ある中古車販売会社ではキャンピングカーは28万円~300万円程度で買い取りされています。購入時の価格が2000万円であれば、もっと高額で売れる可能性はあります。
 
元の販売価格や、その車の人気、買い取り時までの走行距離などによって、買い取り価格は変わるため、正確な販売価格は中古車販売会社に査定してもらわなければ分かりません。
 
生活費は、月15万円の年金以外に月13万2497円が必要といわれています。仮に300万円で売れた場合、約1年半分の生活費が補塡(ほてん)できると考えられます。
 
前述の計算では、平均寿命まで生活する場合、男性は約7年分、女性は約13年分の貯金が足りない計算でした。そのため、キャンピングカーが仮に300万円で売れたとしても、女性は約12年分生活費が足りないことになります。
 
車はいくらで売れるか分からないため「2000万円でキャンピングカーを購入したとしても、売れば生活費はなんとかなる」と考えるのは、危険かもしれません。
 

年金「月15万円」と貯蓄「1500万円」の場合、9年間程度は生活できる可能性がある

夫婦のみで生活する場合は、月28万2497円の生活費が必要です。
 
15万円年金収入があっても、月13万2497円は貯金を切り崩す生活になります。1500万円貯金があっても、約9年で貯金はなくなります。
 
「購入したキャンピングカーを売ってしまえば、生活費はなんとかなる」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、中古車の販売価格は、その車に人気があるか、また、買い取り時までの走行距離などによって変わります。
 
必ずいくらで販売できるといった予想はつかないため、生活費がなくなった時の頼りにするのは、危険かもしれません。退職金で大きな買い物をするのは、その後の生活費のことも考えて、計画的に行うのがいいでしょう。
 

出典

総務省統計局 家計調査報告【家計収支編】2023年(令和5年)平均結果の概要(18ページ)
厚生労働省 令和4年簡易生命表の概況(1ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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