更新日: 2024.08.25 その他老後
年収600万円ですが、社会保険料が「月8万円」も天引きされていて高すぎます! 老後の貯金ができていないのですが、どうすれば効率よく貯められるでしょうか?
本記事では老後に不足する生活費の概算と、不足額を貯金と資産運用で用意するには月いくら必要なのか、社会保険料や税金を抑えながら投資する方法について解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
老後は約900万円が不足する可能性がある
総務省統計局が公表している「家計調査報告(家計収支編)2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の消費支出と非消費支出の合計は約28万2000円です。
一方の実収入は約24万4000円であり、月に約3万8000円が不足するという計算になりました。
2023年簡易生命表の概況によると、男性の平均寿命は81.09歳、女性は87.14歳です。
65歳で定年退職して、男女の平均寿命のおよそ中間である85歳まで夫婦で生活すると仮定した場合、「3万8000円×12ヶ月×20年=912万円」となり、生涯の生活費として912万円が不足すると試算することができます。住居が賃貸だったり、自身や配偶者に介護が必要になったりといった場合は、さらに費用が必要になるでしょう。
若いうちから資産運用をすると、効率よく老後資金を貯められる可能性がある
老後の不足金額912万円を、若いうちからの貯金で賄う場合と資産運用で賄う場合では、老後のために毎月回す金額は全く異なります。今回は35歳から65歳までの30年間で貯金、または資産運用を活用した場合に必要な拠出額を見てみましょう。
例えば、普通預金でお金を貯める場合、メガバンクの金利は現在年0.02%です。1000万円を預けていても1年で2000円にしかならないため、毎月コツコツと貯金してもまとまった利子はほぼ期待できません。
利子を計算に入れずにコツコツと貯金する場合。「912万円÷(12ヶ月×30年)=2万5333円」となり、毎月約2万6000円の貯金が必要です。
一方、資産運用では元本割れのリスクはあるものの、長期で運用することで効率的に資産運用できる可能性があります。
世界最大級の機関投資家と言われる日本の年金積立金管理運用独立行政法人「GPIF」では、(2001年度~2024年度第1四半期)で年率4.47%の収益率を達成しています。
少し収益率に余裕をみて「年率3.5%」で運用できたと仮定した場合、月1万5000円の積立を30年間続けると約950万円まで資産を大きくすることが可能です。
ライフプラン手当を利用することで、社会保険料を下げつつ効率よく資産形成が可能
毎月コツコツと資産運用する場合、「税金」や「社会保険料」が気になる人もいるのではないでしょうか?
「社会保険料が下がればもっと投資にお金を回せるのに……」と考えている人は、会社でライフプラン手当「選択制企業型DC(確定拠出年金)」の制度がないか確認してみましょう。
確定拠出年金は、本人が拠出した掛金と運用益の合計額をもとに将来の給付額が決まる私的年金制度の1つです。運用期間中に得た利益は全額が非課税になるといった税制メリットを得られます。
ライフプラン手当(選択制DC)では、給与等の一部をそのまま受け取るか、確定拠出年金の掛金にするか、あるいは併用するかを選べます。
さらに、ライフプラン手当は掛金が給料からの天引きで拠出されるという特徴もあります。掛金で拠出した分は給与と見なされないため、所得税・住民税・社会保険料を軽減しながら資産運用を進めることが可能です。
まとめ
公的データからの試算では約900万円、人によってはそれ以上の老後資金が不足する可能性があり、若いうちからコツコツと資産形成を進めることは非常に大切です。低金利の現代では普通預金だけでなく、資産の一部を投資に回すことでより効率的に目標金額に近づける可能性があります。
出典
総務省統計局 家計調査報告(家計収支編)2023年(令和5年)平均結果の概要
厚生労働省 令和5年簡易生命表の概況
年金積立金管理運用独立行政法人 2024年度の運用状況
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー