更新日: 2024.11.23 セカンドライフ
定年後は月12万円の「年金のみ」で暮らす予定です。90歳まで生きるとしたら「貯蓄」はいくら必要でしょうか?
今回は、一人暮らしの方が、定年後に月12万円の年金をもらい90歳まで生きるとしたら、いくら貯蓄が必要なのか調べました。年金のみの生活でも一定の安心感が得られるように、考えておきたいポイントについてご紹介しますので、参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
年金12万円のみ……90歳まで生きるとしたら貯蓄はいくら必要?
総務省統計局発表の「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、65歳以上の単身無職世帯における消費支出は、月14万5430円とのことです。
これを基に計算すると、年金12万円だけで生活する場合、毎月の不足額は2万5430円になります。毎月の不足分は、貯蓄から賄わなくてはなりません。65歳から90歳までの25年間に必要な貯蓄額を計算すると、762万9000円になります。
同調査の平均支出額はあくまでも参考値であり、実際の支出は個々で異なるでしょう。自身の家計収支をシミュレーションして、年金12万円で足りるかを確認しておくことが大切です。不足分を算出することで、必要最低限の貯蓄額が分かります。
年金12万円だけで生活できる?
節約などの工夫次第では、年金12万円だけでも生活できる可能性があります。とはいえ、実際に年金生活が始まってからでは、家計管理が難しくなるでしょう。今から生活費を見直して、毎月の支出をコントロールできるようにしておくことで、スムーズに年金生活を送れます。
例えば支出は、「固定費」「変動費」に分けて、予算を決めておくことができます。それぞれ以下のような項目があるため、いくらかかるかを確認しておきましょう。
・住宅関連費
・ガス・電気代
・水道代
・保険料
・スマホ代
・交通費
・NHK受信料やサブスク代
・食費
・趣味・娯楽費
・美容・医療費
・雑費
定年後には、支出の内訳が変化する点も、考慮に入れておく必要があります。例えばビジネススーツなど、通勤に使うアイテムは不要になります。一方で、自由な時間が増えるため「健康維持のためにジムに通う費用」などの出費が増えるかもしれません。
老後資金は予備費も考慮して目標金額を設定しよう
平均的な収支目安を基に老後資金を算出できますが、それに加えて、予備費も考慮しておく必要があります。例えば、災害などの不測の事態に備えて「緊急資金」を用意しておくと安心です。災害時には、一次避難に必要な交通費や、ホテルなどへの一時的な滞在費が発生する可能性があります。
家庭によっては介護費や医療費などが、平均額以上必要になるケースもあるでしょう。また、旅行費用や孫へのお小遣いなど、生活の質向上のための出費も考慮する必要があります。最低限の老後資金に加えて、家庭ごとに必要になりそうな予備費を設定しておくことで、安心感が得られるでしょう。
年金12万円で90歳まで生きるとしたら、家計収支の不足分762万9000円と予備費が必要になる可能性あり
65歳以上の単身無職世帯における平均的な消費支出は14万5430円であるため、年金12万円のみで生活する場合は、毎月2万5430円が不足します。
定年後、65歳から90歳までの25年間で762万9000円が不足する計算になるため、貯蓄しておく必要があるでしょう。生活レベルは、人によって異なるため、場合によっては年金12万円だけで生活できるかもしれません。一方で、平均よりも支出が多い場合は、多額の予備費を貯蓄しておく必要があります。
家計収支の不足分は、最低限必要な貯蓄額で賄うとして、さらに「最低限の緊急費用」「医療・介護費用の備え」「生活の質向上のための追加費用」といった予備費もあると安心です。実際に必要な貯蓄額は個々によって異なるため、自身のケースをシミュレーションして、貯蓄額の目安を算出してみましょう。
出典
総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支 <参考4>65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯) 表2 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)及び65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支 -2023年-(19ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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