定年後は月12万円の「年金のみ」で暮らす予定です。90歳まで生きるとしたら「貯蓄」はいくら必要でしょうか?

配信日: 2024.11.23

この記事は約 3 分で読めます。
定年後は月12万円の「年金のみ」で暮らす予定です。90歳まで生きるとしたら「貯蓄」はいくら必要でしょうか?
定年後は収入が大幅に減ることが予想されるため、将来に備えて今から貯蓄をしておくことが大切です。ある程度の年金収入が見込まれるのであれば、仕事はせずに年金だけで暮らしたいと考える方もいらっしゃるでしょう。足りない分は貯蓄を崩すことになりますが、その場合は、いくらの貯蓄があると安心でしょうか。
 
今回は、一人暮らしの方が、定年後に月12万円の年金をもらい90歳まで生きるとしたら、いくら貯蓄が必要なのか調べました。年金のみの生活でも一定の安心感が得られるように、考えておきたいポイントについてご紹介しますので、参考にしてください。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

年金12万円のみ……90歳まで生きるとしたら貯蓄はいくら必要?

総務省統計局発表の「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、65歳以上の単身無職世帯における消費支出は、月14万5430円とのことです。
 
これを基に計算すると、年金12万円だけで生活する場合、毎月の不足額は2万5430円になります。毎月の不足分は、貯蓄から賄わなくてはなりません。65歳から90歳までの25年間に必要な貯蓄額を計算すると、762万9000円になります。
 
同調査の平均支出額はあくまでも参考値であり、実際の支出は個々で異なるでしょう。自身の家計収支をシミュレーションして、年金12万円で足りるかを確認しておくことが大切です。不足分を算出することで、必要最低限の貯蓄額が分かります。
 

年金12万円だけで生活できる?

節約などの工夫次第では、年金12万円だけでも生活できる可能性があります。とはいえ、実際に年金生活が始まってからでは、家計管理が難しくなるでしょう。今から生活費を見直して、毎月の支出をコントロールできるようにしておくことで、スムーズに年金生活を送れます。
 
例えば支出は、「固定費」「変動費」に分けて、予算を決めておくことができます。それぞれ以下のような項目があるため、いくらかかるかを確認しておきましょう。
 

【固定費】

・住宅関連費
・ガス・電気代
・水道代
・保険料
・スマホ代
・交通費
・NHK受信料やサブスク代

 

【変動費】

・食費
・趣味・娯楽費
・美容・医療費
・雑費

 
定年後には、支出の内訳が変化する点も、考慮に入れておく必要があります。例えばビジネススーツなど、通勤に使うアイテムは不要になります。一方で、自由な時間が増えるため「健康維持のためにジムに通う費用」などの出費が増えるかもしれません。
 

老後資金は予備費も考慮して目標金額を設定しよう

平均的な収支目安を基に老後資金を算出できますが、それに加えて、予備費も考慮しておく必要があります。例えば、災害などの不測の事態に備えて「緊急資金」を用意しておくと安心です。災害時には、一次避難に必要な交通費や、ホテルなどへの一時的な滞在費が発生する可能性があります。
 
家庭によっては介護費や医療費などが、平均額以上必要になるケースもあるでしょう。また、旅行費用や孫へのお小遣いなど、生活の質向上のための出費も考慮する必要があります。最低限の老後資金に加えて、家庭ごとに必要になりそうな予備費を設定しておくことで、安心感が得られるでしょう。
 

年金12万円で90歳まで生きるとしたら、家計収支の不足分762万9000円と予備費が必要になる可能性あり

65歳以上の単身無職世帯における平均的な消費支出は14万5430円であるため、年金12万円のみで生活する場合は、毎月2万5430円が不足します。
 
定年後、65歳から90歳までの25年間で762万9000円が不足する計算になるため、貯蓄しておく必要があるでしょう。生活レベルは、人によって異なるため、場合によっては年金12万円だけで生活できるかもしれません。一方で、平均よりも支出が多い場合は、多額の予備費を貯蓄しておく必要があります。
 
家計収支の不足分は、最低限必要な貯蓄額で賄うとして、さらに「最低限の緊急費用」「医療・介護費用の備え」「生活の質向上のための追加費用」といった予備費もあると安心です。実際に必要な貯蓄額は個々によって異なるため、自身のケースをシミュレーションして、貯蓄額の目安を算出してみましょう。
 

出典

総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支 <参考4>65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯) 表2 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)及び65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支 -2023年-(19ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集