更新日: 2019.11.12 その他年金
もらい忘れ障害年金はありませんか? 対象と条件を確認しよう
また、20歳以下で発症した場合も対象になること、逆に65歳以上で発症した場合は対象にならないことも、知らない方がいらっしゃいます。
どんな場合に対象になるのか、あるいは対象にならないのかを知っておくのは、大事なことだと思います。
執筆者:北山茂治(きたやま しげはる)
高度年金・将来設計コンサルタント
1級ファイナンシャルプランニング技能士、特定社会保険労務士、健康マスターエキスパート
大学卒業後、大手生命保険会社に入社し、全国各地を転々としてきました。2000年に1級ファイナンシャルプランニング技能士資格取得後は、FP知識を活用した営業手法を教育指導してきました。そして勤続40年を区切りに、「北山FP社会保険労務士事務所」を開業しました。
人生100年時代に、「気力・体力・財力3拍子揃った、元気シニアをたくさん輩出する」
そのお手伝いをすることが私のライフワークです。
ライフプランセミナーをはじめ年金・医療・介護そして相続に関するセミナー講師をしてきました。
そして元気シニア輩出のためにはその基盤となる企業が元気であることが何より大切だと考え、従業員がはつらつと働ける会社を作っていくために、労働関係の相談、就業規則や賃金退職金制度の構築、助成金の申請など、企業がますます繁栄するお手伝いをさせていただいています。
目次
障害年金は重いけがや病気でしかもらえないの?
障害年金と聞くと、重いけがや病気でしか受け取れないと思っている方が多いようです。
実際は、年金に加入中の方が病気やけがで、生活や仕事に制限が出るようになった場合、条件を満たせば支給されます。
障害年金の等級は、障害基礎年金が1級・2級、障害厚生年金が1級・2級・3級となっています。
1級は、長期にわたり他人のサポートがないと日常生活がほとんどできない状態
2級は、長期にわたり日常生活にある程度他人のサポートが必要で、労働することが困難な状態
3級は、労働することはできるが、著しい制限を受ける状態
障害厚生年金3級を受けながら、働いている人はけっこういます。さらには、人工透析を受けている方は2級に該当する場合が多いのですが、人工透析を受けながら働いている方もいらっしゃいます。
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障害手帳がないと請求できないの?
障害者手帳を持っていないと、障害年金はもらえないと勘違いしている方が多いのですが、障害者手帳の認定基準と障害年金の認定基準は違います。
ですから、障害手帳を持っていなくても、障害年金の認定基準に該当すれば請求できます。反対に、障害者手帳を持っていても、障害年金を受けられない場合もありますので、注意してください。
20歳前の傷病でも対象となるの?
生まれつきの障害を持っている方や、20歳前のけがで障害状態になった人など、20歳前に初診日がある人で、20歳以降に障害年金の障害等級に該当すれば、「20歳前の障害年金」に該当します。この場合、保険料納付要件は問われません。
障害年金は働いていても全額もらえるの?
老齢厚生年金は、厚生年金の被保険者であるときに受け取ると、在職老齢年金の制度で年金額が減額されたり、全額支給停止される場合もあります。しかし、障害年金はいくら賃金が高くても、全額支給されます。
例外は、前段で述べた「20歳前の障害年金」です。本人の年間所得が360.4万円超あると、年金が減額されたり、全額支給停止されたりする場合がありますので、注意が必要です。
障害年金の条件
障害年金に該当するには、次の3つの条件を全て満たす必要があります。
・条件(1)初診日に年金に加入中であること(初診日が65歳以降の場合は、厚生年金保険に加入中でなければ請求できない)
初診日とは、障害の原因となった病気やけがについて、初めて医師の診査を受けた日のこと。
・条件(2)保険料の納付要件を満たしていること
初診日の前日において、初診日の前々月までの全被保険者期間のうち、保険料納付済期間と保険料免除期間が3分の2以上あること。
特例として、初診日の前日において、初診日の前々月から直近1年間に、保険料の未納がないこと。
・条件(3)障害認定日に一定の障害状態にあること
障害認定日とは、初診日から1年6ヶ月が経過した日、または1年6ヶ月以内に症状が固定した日のこと
特例として、例えば人工透析は透析開始日から起算して3ヶ月経過日となる
障害年金を請求するときにあったほうがいいものは
・病院の領収書・診断書・おくすり手帳(日付順に整理しておくとわかりやすい)
・病気の記録(病院に行った日、病院名、医師名、診察や処置の内容などを記録しておく)
・障害者手帳など
診断書については、日本年金機構の指定の診断書があります。先に病院からもらうと、再度取り直しが必要になりますので注意してください。
執筆者:北山茂治
高度年金・将来設計コンサルタント