意外と知らない!? あなたが入っている企業年金の種類は?
配信日: 2021.03.08
また、会社から勧められた企業年金に加入しようか悩んでいる方もいることでしょう。そんな方に向けて、今回は企業年金の種類について解説します。
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
企業年金とは
企業年金とは、企業と従業員が契約し、その契約内容に応じて厚生年金に上乗せして支給する年金です。日本の年金制度は3階建ての仕組みとなっており、1階部分を国民年金、2階部分を厚生年金、3階部分が企業年金となっています。企業年金は厚生年金や国民年金と異なり任意加入の年金となります。
企業年金は企業型確定拠出年金、確定給付企業年金、厚生年金基金の3種類に分けられます。
企業型確定拠出年金とは、拠出した掛け金について加入者が自らの責任で運用を指図し、その成果によって受取額が決まる年金制度です。掛け金は企業と加入者が契約によって定めた金額を拠出することになります。
確定拠出年金には個人型(iDeCo)もありますが、会社が掛け金を拠出することがある、管理費や手数料は会社が負担することが多いという点で個人型と大きく異なります。
確定給付企業年金は従業員の受け取る給付額があらかじめ確定し、約束されている企業年金です。先に紹介した確定拠出年金との大きな違いは将来従業員の受け取る年金の額が決まっているかいないかになります。
確定給付企業年金には企業が契約した保険会社や信託会社に掛け金を拠出し、運用を代行してもらう規約型と企業が基金と呼ばれる別法人を立ち上げ、そちらで運用を行う基金型とがあります。
掛け金は事業主が拠出するのが原則ですが、本人の同意の下2分の1を上回らない範囲で本人が拠出することも認められています。確定給付企業年金は2019年3月末時点では約940万人が加入しており、日本で最も多く加入者を抱えている企業年金制度だといわれています。
厚生年金基金は企業が厚生労働大臣の認可を受けた法人(基金)を設立し、老齢厚生年金に関する一部の業務を国に代行して行い、かつ、独自の上乗せ給付をするという制度です。
厚生年金基金はかつて企業年金の中で最もポピュラーなものだったのですが、近年は財政の悪化などを理由に確定給付年金制度へ移行する流れが強まっています。法改正によって2014年4月以降は新規の基金設立はできなくなっており、厚生年金基金は今後消えゆく制度でもあります。
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加入している企業年金を調べるには?
自分の加入している企業年金を調べるのに一番確実なのは、勤務先の人事担当者に確認することです。退職しているのであれば、退職後に送られる会社からの案内を確認したり、直接元勤務先に連絡するという方法があります。
加入している企業年金の確認方法 | ||
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在職中 | 退職後 | |
企業型確定拠出年金 | 会社の人事・総務担当者への照会 就業規則、運営管理機関・記録関連運営管理機関からの情報など |
運営管理機関からの案内 退職時の会社からの案内 |
確定給付企業年金 | 会社の人事・総務担当者への照会 就業規則、給与明細など |
退職時の会社からの案内 受託機関からの支払案内 企業年金連合会への照会 |
厚生年金基金 | 会社の人事・総務担当者への照会 就業規則、給与明細 「ねんきん定期便」の基金加入欄を確認するなど |
「ねんきん定期便」の基金加入欄 企業年金連合会への照会 |
※筆者作成
企業年金に加入するのであれば内容をきちんと把握しておくべき
企業年金は将来への資産であり、老後の暮らしを考えるにあたって大切な要素の1つになります。企業年金は大別して3種類に分けられ、自分がどの企業年金に加入しているかによって内容が大きく異なります。
もし、自分の加入している企業年金の種類が不明なのであれば、会社の人事担当者に問い合わせるなどして速やかに内容を確認しておいてください。
参考
企業年金連合会 企業年金制度
労働金庫連合会 確定給付企業年金(DB)
執筆者:柘植輝
行政書士