受給する前に知っておきたい! 年金と税金のポイントをFPが解説

配信日: 2021.03.22 更新日: 2021.06.19

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受給する前に知っておきたい! 年金と税金のポイントをFPが解説
老後の生活にお金がいくら必要か考えるとき、将来受給できる年金の額は気にしても、税金についてはあまり考えていないということはありませんか?
 
今回は年金を受給する前に考えたい、年金と税金のポイントについて解説していきます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

年金は課税対象の所得に

老後に受け取る年金は、必ずしも非課税とは限りません。厚生年金や国民年金、iDeCo、企業年金などの各種年金は、公的年金等に係る雑所得として課税対象とされ、そこに所得税や住民税などが課税されるのです。
 
対して個人年金保険は、年金を受け取る方と保険料を支払っていた方が同一であれば公的年金等以外の雑所得として課税され、受け取る方と支払う方が別であれば贈与税の対象となります。
 
なお、障害年金や遺族年金は非課税となります。
 

どれくらい年金所得があると課税対象になるの?

公的年金等については、年齢やその他の収入によっても異なるのですが、65歳未満であれば60万円を超える場合、65歳以上であれば110万円を超える場合に課税対象となります(公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額が1000万円以下の場合)。
 
公的年金等以外の年金については、年金関係の総収入から必要経費(その年分に該当する掛け金など)を差し引いた額(雑所得)を基に計算されます。しかし、実際には複雑な計算となりますので、詳細については税務署などに相談するとよいでしょう。
 

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社会保険料も忘れずに

年金生活といえども、税金以外にも国民健康保険料や介護保険料が発生します。その金額は年齢や前年の所得などによっても異なります。詳細については、お住まいの市区町村役場までお問い合わせください。
 

扶養親族等申告書の提出を忘れずに

公的年金の収入が非課税の範囲を超えて課税対象となる場合、例年9月中旬頃から順次、日本年金機構より扶養親族等申告書が送られてきます。これはいわば、会社員の年末調整のときに提出する給与所得者の扶養控除等申告書のようなものです。
 
年末調整のように払いすぎた税金が還付されるものではありませんが、提出することで年金から源泉徴収される所得税に対し、配偶者控除など各種控除の適用を受けられるようになります。ただし、提出を忘れると課税金額が増える可能性もあるため注意してください。
 

年金生活者でも確定申告が必要な場合も

年金収入のある方は下記の2つの条件に該当する場合、確定申告を行う必要はありません。
 

●公的年金等の収入が400万円以下、かつ公的年金等の全部が源泉徴収の対象となる
●公的年金等以外の収入が20万円以下

 
しかし前述のとおり、年金には扶養親族等申告書によって控除を受けられる仕組みがあっても、年末調整のように税金が還付される仕組みはありません。そのため、確定申告が不要であったとしても、控除の状況などによっては確定申告をした方がいい場合もあります。
 
例えば、医療費を一定額以上払っており医療費控除を受ける場合や、生計を一にする親族の社会保険料を支払った場合などです。そのほかにも各種控除の適用を受けるなど、確定申告を行った方が税制面で有利となるケースもあります。詳細については住所地を管轄する税務署へご相談ください。
 

老後の生活でも税金は重要な要素です

老後の生活といえば受給できる年金や貯蓄の額、資産ばかりに目が行きがちです。しかし、現役時代とは異なるものの、老後でも何らかの形で税金や社会保険料を支払っていくことになります。年金の受給時期が近づき、老後の生活資金について考える際には、必ず税金についても考えておくようにしてください。
 
出典
日本年金機構 「令和3年分公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」の送付
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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