年金の「3階建て」部分には 具体的にどんなものがある?

配信日: 2021.04.10

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年金の「3階建て」部分には 具体的にどんなものがある?
日本の年金は3階建ての制度となっているといわれることがあります。具体的に何をもって3階建てといっているのか、3階部分に該当する年金とは何か、日本の年金制度について解説していきます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

年金の3階部分って何?

年金の3階部分に該当するのは、いわば企業年金や個人年金などです。代表的なものには確定給付企業年金や企業型確定拠出年金、厚生年金基金、個人型確定拠出年金のiDeCoなどがあります。
 
なぜ企業年金や個人年金が3階部分に該当するのかというと、日本の公的年金制度には20歳以上60歳未満の全ての人が加入する国民年金(1階部分)と、会社員など一定の条件で雇用されて働く人が国民年金に上乗せして加入する厚生年金(2階部分)があります。
 
そこへさらに上乗せする形で、企業が福利厚生の一環として実施する企業年金や個人年金であるiDeCo(3階部分)が存在するためです。日本の年金が3階建てといわれるのには、こういった年金制度の仕組みがあるからなのです。
 

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3階部分に該当する年金の具体例は?

先に述べたとおり、3階部分に該当する年金は主に企業年金(確定給付企業年金、企業型確定拠出年金、厚生年金基金)やiDeCoがあります。これら3階部分に該当する年金とはどんなものなのか順に見ていきましょう。
 

確定給付企業年金

確定給付企業年金とは、企業が福利厚生の一環として実施する企業年金であり、加入期間や給与水準によって給付額が決まります。
 
会社が外部の機関と契約を結び、年金資産の管理から運用、給付までを行う規約型と、会社が設立した基金で年金資産の管理から運用給付までを行う基金型があります。
 

企業型確定拠出年金

企業型確定拠出年金とは、会社と従業員の一方あるいは双方が掛け金を拠出し、それを従業員が運用していく企業年金です。給付額は確定しておらず、掛け金を拠出することのみが確定しています。
 
他の企業年金とは異なり従業員が自らの意思で運用するため、運用方針や金融市場の動向によっては元本割れとなってしまう可能性があります。なお、そのリスクは従業員自身が負うことになります。
 

厚生年金基金

厚生年金基金とは、企業が国に代わって厚生年金の一部を支給するとともに、独自の給付を行うものです。
 
ただし厚生年金基金は新規の設立が認められておらず、規制も厳しいものとなっているため、多くの基金が解散したり、確定給付企業年金に移行するなど消えゆく制度としての道をたどっています。
 

iDeCo(個人型確定拠出年金)

国民年金に加入する自営業者の方、企業年金制度がない会社に勤める方、専業主婦(夫)の方にとっての3階部分になるものとして、個人型確定拠出年金のiDeCoがあります。
 
iDeCoは個人年金のため、基本的に掛け金の拠出から管理、受け取りなど、全ての手続きを自分主導で進めていくことになります。該当する加入資格によって拠出できる掛け金の上限額が異なるものの、家計に応じて月額5000円から始めることができる上、税制優遇もあり、基本的にどんな職業の方でも3階部分の年金として利用できるものになります。
 

国民年金基金

自営業者やフリーランスなど、国民年金第1号被保険者の方が国民年金に上乗せして加入できる国民年金基金も3階部分となります。
 
加入者が限定されているものの、基本は終身年金であり、運用指図も必要がないという点が特徴です。
 

日本の年金制度の3階部分にはさまざまな年金がある

日本の年金制度は3階建てとなっており、3階部分には企業年金をはじめ、個人年金のiDeCoや国民年金基金などがあります。加入する年金を3階建てとすることで、将来受け取れる年金額を増やしたり、税制優遇措置を受けることができます。
 
もし、3階部分の年金に加入したいのであれば、iDeCoなど加入しやすいものを中心に無理のない範囲で検討していくとよいでしょう。
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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