非正規雇用労働者、もらえる年金はどれくらい?
配信日: 2021.04.16
実際のところ、非正規雇用の労働者はどれくらい年金を受け取ることができるのでしょうか。
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
◆お問い合わせはこちら
https://www.secure-cloud.jp/sf/1611279407LKVRaLQD/
2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
目次
非正規雇用が受け取れる年金の種類は?
非正規雇用の労働者も正規雇用の労働者と同様、一定の条件を満たすことで老齢基礎年金(国民年金)と老齢厚生年金(厚生年金)を受け取ることができます。
国民年金は原則日本に住所を有する20歳以上60歳未満の全ての人が加入するため、非正規雇用労働者の方も加入期間などの要件を満たすことで受け取ることができます。
厚生年金に関しては所定労働時間が常時雇用される労働者の4分の3以上など、一定の要件を満たすことで加入することができ、年齢など受給要件を満たすことで非正規雇用労働者の方も厚生年金を受け取ることができます。
【PR】資料請求_好立地×駅近のマンション投資
【PR】J.P.Returns
おすすめポイント
・東京23区や神奈川(横浜市・川崎市)、関西(大阪、京都、神戸)の都心高稼働エリアが中心
・入居率は99.95%となっており、マンション投資初心者でも安心
・スマホで読めるオリジナルeBookが資料請求でもらえる
非正規雇用労働者が受け取ることができる年金の額は?
将来受け取れる年金の額は、非正規雇用労働者か正規雇用労働者かに関係なく、加入していた年金の種類と納めた保険料によって変化します。
国民年金のみ加入している場合
国民年金のみの加入である場合、満額受け取れたとしても月額6万5141円(令和2年度)となります。
厚生年金にも加入している場合
厚生年金に加入していると、老齢基礎年金に上乗せして老齢厚生年金も支給されます。老齢厚生年金の金額は加入期間やその間に納めてきた保険料などによって異なります。そこで、今回はマイナビニュースさんの試算したデータを基に見ていきます。
マイナビニュースさんの試算によれば、40年間就労した場合における受け取れる老齢基礎年金と老齢厚生年金とを合算した受給額を年収ごとにまとめると下記のようになるようです。
厚生年金加入期間の平均年収 | 年金受取額 |
---|---|
240万円 | 約11万1000円 |
360万円 | 約13万4000円 |
480万円 | 約15万7000円 |
※マイナビニュース 「厚生年金の受給額はいくら? 早見表でチェック!」より筆者作成
非正規雇用労働者の現実は10万円以下の年金となる可能性も
「令和元年分民間給与実態統計調査」によれば、非正規雇用で働く男性の平均年収は226万円、女性で152万円でした。仮に男性が本調査の平均収入で40年働いたとしても将来月額11万円程の年金を得ることは困難です。
同一労働同一賃金が導入され非正規雇用労働者においても昇給が期待できるようになりつつあるとはいえ、非正規雇用では仕事内容や契約条件などから昇給を狙うのは容易ではない企業もあり、非正規雇用を続けていても年収の大幅な増加を期待することは現実的にはまだまだ難しい状況にあります。
そう考えると、非正規雇用労働者として働き続けても将来十分な年金を得ることは現状あまり期待できないといえます。
非正規雇用労働者の年金問題はどう切り抜ける?
先に述べたように、非正規雇用労働者であり続ける限り現実的に十分な年金を得ることは困難です。であるならば、非正規雇用労働者においては将来に備えてキャリアアップを目指したり、早い段階から貯蓄をしたり、iDeCoやつみたてNISAなどを利用して資産形成をしておくといった対応が求められます。
正規雇用労働者か非正規雇用労働者に関係なく、国や自治体は経済的に困窮している方への支援や格差是正のための施策を打ち出しているものの、実際にそれだけで十分かといわれれば現実的にはそうではありません。
いずれにせよ、将来に備え何らかの形で年金以外での自助努力が必要でしょう。
非正規雇用労働者の年金額は厳しいことが予想されます
非正規雇用労働者であっても国民年金や厚生年金に加入でき、将来加入実績に応じた額の年金を受け取ることができます。
しかし、厚生年金は平均年収との関係上、非正規雇用労働者においては正規雇用労働者に比べて将来受け取る年金の額が低くなることが想定されます。
非正規雇用労働者として働き続けるのであれば将来に備えキャリアアップや貯蓄、資産形成などを早期から実践しておく必要があるでしょう。
出典
マイナビニュース 厚生年金の受給額はいくら? 早見表でチェック!
国税庁 標本調査結果
執筆者:柘植輝
行政書士