離婚と再婚。年金制度において注意すべきポイントとは?

配信日: 2021.04.16

この記事は約 3 分で読めます。
離婚と再婚。年金制度において注意すべきポイントとは?
離婚や再婚によって身分関係が変わると、年金にも変化が起こります。今回は、離婚と再婚時に注意しておきたい年金の問題についてです。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
◆お問い合わせはこちら
https://www.secure-cloud.jp/sf/1611279407LKVRaLQD/

2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

離婚時に注意したい年金のポイント

離婚をする際に注意しておきたい年金の問題は主に次の2点です。
 

年金の分割

婚姻中に当事者の一方または双方が厚生年金に加入していると、離婚時に婚姻期間中の厚生年金の加入記録を分割することができます。この制度を年金分割と呼びます。
 
年金分割は、当事者の合意や裁判によって分割割合を決める合意分割と、第3号被保険者(婚姻中に扶養されていた配偶者)からの請求により2分の1ずつに分割する3号分割とに分けられます。
 
年金分割の対象となるのは、婚姻中における厚生年金部分の加入履歴に限ります。従って国民年金部分は対象となりません。
 
年金分割を請求するにあたって特に注意したいのが、請求期間です。合意分割、3号分割のどちらも審判中であるなど一定の例外を除き、原則、離婚の翌日から起算して2年以内に手続きをしなければなりません。
 
期限を過ぎると分割の請求ができなくなるため、必ず期間中に手続きをするようにしてください。請求先は年金事務所になりますが、話し合いで分割できない場合は家庭裁判所の審判を経てから年金事務所に請求することになります。
 

離婚後に元配偶者が亡くなっても遺族年金を受給できない

遺族年金は原則として、亡くなった時点の配偶者を対象としている制度です。そのため、元配偶者の方が亡くなった時点で既に離婚しており、配偶者でなくなっている場合は原則、遺族年金を受給することができません。
 
余談となりますが、元配偶者の方との間に18歳未満の子がおり、離婚後も養育費を受け取っていた場合など、一定の例外事由に該当すると子どもに遺族年金の受給権が生じることもあります。
 

【PR】資料請求_好立地×駅近のマンション投資

【PR】J.P.Returns

おすすめポイント

・東京23区や神奈川(横浜市・川崎市)、関西(大阪、京都、神戸)の都心高稼働エリアが中心
・入居率は99.95%となっており、マンション投資初心者でも安心
・スマホで読めるオリジナルeBookが資料請求でもらえる

再婚時に注意したい年金のポイント

再婚時に気を付けておきたい年金のポイントは、離婚時に行った年金分割と遺族年金の取り扱いです。それぞれ順に確認していきます。
 

分割した年金の取り扱い

分割した年金記録は、自身の記録として取り扱われます。そのため、一度分割してしまえば年金の受給中に再婚しても受給額に変化は起きませんし、受給前に再婚したとしても将来受け取れる年金額に変化がないと考えていただいて問題ありません。
 

遺族年金は再婚によって停止に

配偶者と死別するなどして遺族年金を受け取っている方が再婚をすると、遺族年金の受給権が失われます。遺族年金はあくまでも、亡くなった方によって生計を維持されていた方が経済的に困窮しないために設けられた制度であるためです。再婚をすると、再婚相手によって生計を維持されると判断されるため、遺族年金の支給が打ち切られるのです。
 

離婚や再婚をしたときは年金の取り扱いに注意

離婚や再婚は当事者と、その周囲の人の身分関係に影響を及ぼします。それにより、現在受け取っている年金や将来受け取る年金にも影響が及ぶこともあります。離婚や再婚をする際は必ず年金への影響についても考慮し、必要な手続きがあれば早めに行うようにしてください。
 
年金についての相談や質問などは最寄りの年金事務所、ねんきんダイヤルなどへ問い合わせるとよいでしょう。
 
執筆者:柘植輝
行政書士

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集