更新日: 2021.04.21 国民年金

40歳パート勤務、今のままだと年金は月7万円…増やす方法は?

40歳パート勤務、今のままだと年金は月7万円…増やす方法は?
女性には、人生で何度か働き方について考えるタイミングがあります。真由美さん(仮名・40歳)も今後の働き方について考えている女性の1人。現在パート勤めですが、今回、正社員を目指すことを決意しました。その理由をお伝えします。
前田菜緒

執筆者:前田菜緒(まえだ なお)

FPオフィス And Asset 代表、CFP、FP相談ねっと認定FP、夫婦問題診断士

保険代理店勤務を経て独立。高齢出産夫婦が2人目を産み、マイホームを購入しても子どもが健全な環境で育ち、人生が黒字になるようライフプラン設計を行っている。子どもが寝てからでも相談できるよう、夜も相談業務を行っている。著書に「書けばわかる!わが家の家計にピッタリな子育て&教育費のかけ方」(翔泳社)

https://www.andasset.net/

老後資金と働き方

筆者はファイナンシャルプランナーとしてライフプランのご相談を受けることが多いのですが、真由美さんも、これからの老後資金を考えた上で家計運営をしていきたいとご相談に来られました。
 
真由美さんは、6年前、出産を機に当時働いていた会社を退職しました。現在は、扶養の範囲でパート勤務をしていますが、今のままの貯蓄ペースで、老後資金は足りるのか40代になり老後を気にするようになったようです。
 
そして、足りないのであれば自分の収入をいくらに増やせば良いか知りたいといいます。そこで、老後資金について準備すべき金額を計算することにしました。
 

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ねんきん定期便から年金額を読み取れる

老後資金を知るには、ねんきん定期便が必須ですが、じっくり見たことがある人は少ないのではないでしょうか。特に、50歳未満だと将来の年金額が記載されているわけではなく、定期便を見ても老後の年金をイメージしづらいものです。
 
しかし、真由美さんのように夫の扶養に入っている場合、定期便に記載された老齢厚生年金の金額(下図赤枠)は、それ以上増えることはありませんから、自分の年金額を知るのは簡単です。
 
これだけ? と思うような低い金額が書かれているかもしれませんが、その金額が老後の年金です。今後も今の働き方を続けるなら、その金額は増えることはありません。
 
厚生年金に加入しないのですから、年金が増えないのは当然といえば当然です。真由美さんの定期便には、老齢厚生年金の欄に15万円と記載がありました。月額1万2500円ということです。
 


出典:日本年金機構「令和2年度「ねんきん定期便」(50歳未満の方)
 
とはいえ、年金はこれだけではありません。老齢基礎年金があります。定期便の老齢厚生年金欄の上に記載されている金額が老齢基礎年金です。老齢基礎年金は、今後も加入し続けますから、金額は増えます。
 
20歳から60歳まで、きっちり保険料を納めていれば65歳から満額の年金を受け取ることができ、金額は約78万円です。月額換算すると月約6万5000円です。つまり真由美さんの年金は、老齢基礎年金6万5000円、老齢厚生年金1万2500円、合計7万7500円です。
 

年金を増やす方法は

真由美さんには、ご主人がいらっしゃいますから、老後の収入はご主人の年金もあります。しかし、真由美さんは自分自身の年金を増やしたいという思いがあり、そのために、いくら稼げば良いかも課題として捉えています。
 
働き方を変えることも視野に入れているということです。老齢基礎年金は月6万5000円が満額ですから、それ以上増やせません。しかし、老齢厚生年金は、これから厚生年金に加入して働くことで増やせます。
 
月1万2500円の老齢厚生年金は、真由美さんが10年間、平均年収約300万円で働きながら作ってきた年金です。つまり、これからも年収300万円で10年、20年働けば、その金額を2倍3倍にすることができるということです。
 
3倍にしたところで月3万6000円と思うかもしれません。しかし、老後は長いです。仮に老後が30年とすると、年金は3万6000円×12ヶ月×30年=1296万円にもなります。
 
もちろん、収入を増やすことによって、現役時代の家計も潤うことになります。真由美さんは、今のパート先で、まずは扶養の範囲を超えてパート収入を増やすこと、そして社員登用制度があるので、それにチャレンジすることも考えることにしました。
 
年収300万円までの道のりは決して近くありませんが、働くことが好きな真由美さんにとっては、モチベーションアップにつながったようです。
 

自分のねんきん定期便の確認を

今回、定期便で今の働き方だと厚生年金が増えないこと、会社員時代に働いてきた実績の厚生年金への反映のされ方を知り、真由美さんは、「はじめて、ねんきん定期便の見方を知りました。このように活用することができるのですね」とおっしゃっていました。もし、あなたがこれからも厚生年金に加入しないなら、ご自身の年金額はほぼすでに決まっています。
 
定期便に書かれている厚生年金の金額と老齢基礎年金の金額が老後の年金額です。年金額がイメージできると老後資金準備についてイメージしやすいですから、今一度、ご自身の定期便を確認してみてください。
 
執筆者:前田菜緒
FPオフィス And Asset 代表
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
確定拠出年金相談ねっと認定FP、2019年FP協会広報スタッフ

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